これさん

フリーランス9年目。 起業準備をしていたところ子どもの病気が発覚し、一時中断。 おもち…

これさん

フリーランス9年目。 起業準備をしていたところ子どもの病気が発覚し、一時中断。 おもちは生後5ヶ月でランゲルハンス細胞組織球症(小児がん)発覚、治療中に新型コロナウイルスに感染し、お空にいきました。

最近の記事

はじめてのおたんじょうび。

第二子を出産した、あの日から1年。 白玉ちゃんは今日で1歳になった。 第一子を亡くした哀しみとともに過ごした妊娠時は色んな思いが巡る時期でもあったので、無事何事もなく産まれて安堵したのを覚えている。 産まれてからは子育てできることの有り難みを毎日噛み締めるように過ごした。朝息をしているのを確認して安堵し、寝るときに1日を無事に終えられたことに胸を撫で下ろす日々。 幸いなことに、大きな病気をせずに過ごすことができた。 第一子が亡くなったからといって、第二子が難を逃れられる訳

    • あの日から、1年。

      1年前の今日も、よく晴れて空気が澄んでいた。珍しく早朝に電話してきた主治医。嫌な予感は的中し、その日に最後のインフォームド・コンセントを受け取り、延命措置の意向を聞かれた。その日起こった全てにことがドラマを見ているようだった。 時折「乗り越えてすごいね」とか「自分だったら耐えられない」と言われる。それは正しくもあり、間違ってもいると思う。側から見たら気丈に見えるかもしれないけれど、私は乗り越えたわけでも耐えられているわけでもない。亡くなった当初から変わらない。私はおもちが死

      • 四十不惑

        朝起きて、自分の身支度を整え、いつもよりたっぷり寝た子どものお世話をする。そんなありふれた朝だったけれども、ひとつだけいつもと違ったことがある。それは私が40歳を迎える初めての朝だったということ。 30代を振り返ると、分不相応な挑戦をした10年だった。 30歳で「周りの先輩は皆独立しているから」という理由でフリーランスエンジニアとなった。システム開発は理屈っぽい私に合っているところもあったけど、センスがない私は美しいコードが書けず苦労した。 ある程度業務で経験を積んだあ

        • 再び、母になる

          9月25日15:33、元気な産声をあげて第二子が誕生した。私は再び母親になった。 今回は計画無痛分娩だったので痛みは皆無だったものの、産まれてくる途中に赤ちゃんの向きが悪く途中で帝王切開に切り替える可能性が出てきたり、産後の出血が多かったため処置に結構な時間がかかる等トラブルもあった。お腹のなかでちゃんと育つかもそうだけど、出産中も赤ちゃんが無事だという保証は何もないのだと、改めて実感した。 産まれたら今までのことを思い出して感傷的になるかと思っていたものの、出産中のトラブ

        はじめてのおたんじょうび。

          あの日から、6ヶ月

          コートが手放せないほど寒かった日から季節は巡り、拭っても汗が滴る季節になった。 自分の無力さを呪ったあの日から、6ヶ月。 毎日朝起きると「今日も夢で会えなかった」と落胆し、お線香をあげる日々を過ごしている。 6ヶ月も経つとおもちを抱っこした時の重さや温かさ、肌の感触を思い出すことが難しくなった。 それでも、未だにお別れする前に触ったひんやりした肌のなめらかさは忘れられない。陶器のように白くすべすべで、柔らかかった肌。願いが叶うなら、このままずっと家で一緒に過ごしたかった。

          あの日から、6ヶ月

          おもち闘病記⑤ 後期維持相Cとプロトコル中断

          ※これは2022年4月頃の話です ランゲルハンス細胞組織球症という血液がんと戦うおもち(1歳)。6週間の寛解導入相A、24週間の早期維持相Aが終了し、一定の効果があったため、2022年4月から予定されている最後の治療・後期維持相Cが始まりました。 新しい治療が始まったものの、開始直前から右胸の腫瘍が少し膨らみ始めた気がしていました。主治医に相談しましたが、「まぁ大丈夫でしょう」と言われ、様子を見ることになります。 2022年3月30日 本退院 8月に病気が発覚して入退

          おもち闘病記⑤ 後期維持相Cとプロトコル中断

          電子カルテを開示希望したら25万円請求された話(2023/9/27追記)

          カルテ開示の経緯 我が家のおもちは小児がん治療のため、人生の大半を病院で過ごしました。 生前、主治医と電子カルテを見ながら話していたとき「懐かしい写真がありました」とCV(中心静脈カテーテル)が入っていた赤ちゃんのときの写真を見せてくれました。 電子カルテにはもっとおもちが生きた証があるのではないか。そう思い、闘病していた1年6ヶ月間のカルテ開示を希望することにしました。 電子カルテの開示請求 2023年3月6日、電子カルテの開示請求。書面を渡され、そこには手数料500

          電子カルテを開示希望したら25万円請求された話(2023/9/27追記)

          はじめての月命日。

          おもちがお空にいってから1ヶ月が経ちました。 この1ヶ月、色んなことがありました。 2月15日から政府の方針が変わり、新型コロナウイルスに感染して亡くなっても普通にお葬式ができるようになりました。 お葬式までの数日はお家に連れて帰って家族の時間を過ごすことができました。 突然のことで気が回らなくておもちが亡くなったことは一部の人にしか伝えられていなかったのにも関わらず、通夜には会場に入りきらないくらいの人が来てくださいました。久しく会っていない人たちがおもちのために涙を流し

          はじめての月命日。

          最近の一連のツイートに関して

          ここ最近投稿している一連のツイートに関して、お騒がせしてしまい申し訳ありません。本当はツイートでお伝えしようと思いましたが、これ以上の混乱は望んでいないので、noteに書き記すことにしました。 元々おもちが亡くなった経緯をツイートしたのは私たち家族に起こったことをお伝えして、どうしたら大人が子どもを守れるか考えるキッカケになって欲しいと思ったからです。詳細は省きますが、亡くなる前の数日は私たち家族にとってこの世の地獄でした。あんなに苦しくて悲しい思いを他の人にして欲しくない。

          最近の一連のツイートに関して

          2歳の誕生日になるはずだった日

          1年前、私たちは希望に満ち溢れていました。おもちの病状は安定し、通院治療に切り替わることは既に決まっていました。当たり前に1歳のお誕生日を迎え、2歳になり、成長する過程で病変が治ればいいな。そう考えていました。 現実は残酷で、今日、おもちのいない誕生日を迎えました。入院が長かったのでいないことには慣れていたけど、もうあの笑い声を聞いたり、「ママ!」と嬉しそうに抱きつきに来ることはないのだと、ふとした瞬間に思い出して悲しくなります。 はたから見たら720日の日々は短すぎる生

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          2歳の誕生日になるはずだった日

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          おもちのコロナウイルス入院記④(ICU編)

          我が家のおもち(1歳11ヶ月)は1月半ばに感染したコロナウイルスが悪化し、コロナ病棟からICUに移動しました。 こちらではICUでの入院生活について記します。 2023年2月13日〜17日 入院17〜21日目(陽性27〜31日目) 前回の投稿で、おもちは血球貪食症候群(正式な診断名は血球貪食性リンパ組織球症)であることを書きました。血球貪食症候群には遺伝性とウイルス性があり、おもちの場合はコロナウイルスで免疫が刺激され、暴走したのではないかと医師からは告げられました。 血

          おもちのコロナウイルス入院記④(ICU編)

          おもちのコロナウイルス入院記③(入院11〜17日)

          前回は入院初日〜10日目までを書きました。こちらでは入院11〜17日目(血球貪食症候群の治療開始)までの経過を綴ります。 2023年2月7日 入院11日目(陽性21日目) ステロイドパルス療法2日目。しんどそうでほぼ寝ているものの、熱は高くて37.7℃と下がってきました。 この日、私は他の病院からコロナ病棟で付添していることを理由に断られたため、おもちが入院している病院で診察をすることになりました。念のために行ったPCR検査でまさかの陽性。発熱も自覚症状もないのですが、陽

          おもちのコロナウイルス入院記③(入院11〜17日)

          おもちのコロナウイルス入院記②(入院初日〜10日)

          前回はコロナ陽性判定を受けてから、入院するまでを書きました。こちらでは入院初日から10日までの経過を綴ります。 2023年1月28日 入院初日(陽性11日目) 保健所が入院調整してくれた段階で病院からは「診察して必要であれば入院させる」と返答されました。病院に到着して主治医と会った際「もう家で看るのは限界です」と懇願。「病院ではできることは少ない」と言われたものの、熱が続いていることから入院できることになりました。 おもちが入院している医大のコロナ病棟は小児のケアができる

          おもちのコロナウイルス入院記②(入院初日〜10日)

          おもちのコロナウイルス入院記①(陽性判定〜入院)

          我が家のおもち(1歳10か月)はランゲルハンス細胞組織球症という血液がんの治療中です。化学療法で免疫が弱っているため、感染症には注意を払っていましたが、このたび新型コロナウイルスに感染して入院することになりました。 こちらでは現在進行系で入院しているおもちの状況をお伝えするとともに、基礎疾患をお持ちのお子さんが今後入院されるときの参考になればと思い、経緯を記します。 2023年1月17日 PCR検査で陽性判定(感染0日目) コロナウイルス感染が発覚する数日前からお腹が少し

          おもちのコロナウイルス入院記①(陽性判定〜入院)

          おもち闘病記④ 早期維持相A

          最初の治療フェーズである寛解導入相Aの治療効果が良好だったため、早期維持相Aに入ることになりました。 前回書きそびれましたが、おもちが行っている治療(以下、プロトコル)はLCH-12(2012年に作られたプロトコル)です。本当はLCH-19(2019年に作られたプロトコル)で治療する予定だったのですが、治療開始前日に10kg未満児に対する治療に誤植が見つかったことなどが影響し、LCH-12で治療を行うことになりました。 1クール目(2021年10月12日〜2021年11月8

          おもち闘病記④ 早期維持相A

          おもち闘病記③ 寛解導入相A

          ランゲルハンス細胞組織球症は症状により単独臓器型(1つの臓器に症状が現れるもの)と多臓器型(複数臓器に症状が現れるもの)に分かれます。単独臓器型は自然と治るケースもあるため、経過観察されることが多いそうです。一方、多臓器型は治療しなければ生命に関わる悪性疾患となるケースが多いので、抗がん剤を用いた治療(化学療法)を行います。 多臓器型の中でもリスク臓器あり(肺や肝臓など、臓器に浸潤しているケース)とリスク臓器なしがあります。おもちはこの時点で右胸部に腫瘍ができていたものの、隣

          おもち闘病記③ 寛解導入相A