カラオケ行こ!とファミレス行こ。沼に浸かる
ネタバレしかない個人の感想です。長いです。
和山やま先生の「女の園の星」が好きで、家族の必須図書にしています。
ですが、他の作品はタイトル知っていても手に取る機会がありませんでした。特に理由はないのですが、きっかけもなかったのです。
「カラオケ行こ!」については娘が
「友達が観に行く時に、映画館の場所を案内した。お金持ってなかったから観ずに帰ってきた」こともあり、
ネトフリで観れるようになったので軽い気持ちで観ました。
夕飯中だけなので途中まで観て止めました。
え、、何これ、、
思ってたのと全然違うし、、
愛が深くない!?
綾野剛の狂児ヤバすぎん?
動揺が止まらず、原作を即購入
返す刀で「ファミレス行こ。」さらに単話10話も購入
あかん、あかんですよ、コレは
ネトフリで最後まで観て、そこからしばらく沼に浸かり、這いだすためにここに吐き出すことにしました
まず多感な思春期に手練な893を絡ませるなんて罪深すぎる
少年へのグルーミングが問題が明るみに出た昨今ではとてもナイーブなテーマですが、今作は搾取する訳ではないのです
巻き込むのに一線を引く、距離を詰めてくるのに触れることは少ない、世界が交わることはあっては行けないのに絡んでしまう、そして突然姿を消す、ってそんなの忘れられないし、他の人が入る余地さえ与えない、ズルすぎますね
個人的には撮影時ずっと綾野剛にハグされてたという聡実役の俳優さんも心配してます。老婆心が過ぎるか、、
漫画の方はモノローグがあるので聡実くんの揺れる心情が言語化されています。
中高生なんて自分の感情を客観視することは出来ないし、子供だけど子供扱いはされたくないし、大人には絶対かなわないこともわかっていて、もどかしさのぶつけ方が粗くて、でもその突発力で少しずつ成長していくんですよね。
中学最後の夏に突然狂児に見つかってしまい、心の中にズカズカ入られて、最後の大会も最後のボーイソプラノも捧げたのに、喪失してしまつたら、それは立ち直れないでしょう
映画の方は紅の歌詞と重ねてずっと狂児の幻を探す姿が切なかったです
でもまだ自分の感情が何なのかは分からないんですね
普通の恋愛する余地がない状態で高校生活送ったから、卒業文集にまで書いてしまったんでしょう
親目線だと、自分の子供の卒業文集がアレだったら卒倒すると思います 本人に問いただすこともできず、うちの子の一番輝かしい時期に何してくれてんの、という気持ち
一方の狂児の心情も「カラオケ行こ!」の途中から変化したのではないかなと思います
最初は利用するためのテクニック多発していたのが、途中から本当に愛しい存在になってしまったので、大切にしなくちゃいけない、関わってはいけないけど、愛おしい、側にいたい、という葛藤が見られます
映画の綾野狂児は少し愛おしいが強めかな、と思いました めちゃくちゃ好きなのが溢れてる、、でもヤクザに絡まれたところを一撃するシーンは一瞬で感情をゼロにしていて凄みがありました 役者さんてやっぱりすごいですね
バディもの、ブロマンス、BL色々と言われていますが、どこにもカテゴライズして欲しくないような愛ですね
沼に落とされたのは、年齢差や立場の差を超えてお互いを認め合い、相手のことが好きで、相手に与えたい、そのために行動するところです
おそらく狂児は空白の3年間、別荘生活だと思われますが、(傷害罪、交通事故が絡んで目撃者もいるので、さすがに傷害致死ではないものの、執行猶予がつかなかったと想定)それを言うことは絶対ないでしょう
自分のせいだ、なんて決して思って欲しくないと思いますし
だからまた会いに来るとは思わなかったのですが、愛の深さがすごすぎて出てきちゃった、、
しかも名前タトゥーって完全に愛 同年代なのでセレブカップルがよく相手の名前を入れてたことを思い出しました
「ファミレス行こ。」を読む限り、聡実くんの東京生活を色んな手段で守っている気がします
自分のせいで危険な目に合わせたくないので、ありとあらゆる個人情報は握ってると思います
スナックの女性とか多分聡実くんの監視も含めて仕事な気がします
関わるほど危険は増すのに会いたい気持ちには勝てないから、連絡があったらすぐに大阪から飛んでくるフットワークの軽さ
会っても触れることはない、わざと大人ぶる、いつか終わらせないといけないことは分かってる、でも一緒にいたい、恋愛にカテゴライズするのはこじらせすぎている気がします
聡実くんも、反社と関わるなんて百害あって一利なし、離れなくちゃいけないのは分かっているのに、会いたい気持ちが勝ってしまう
理性で分かっていても感情が反対を向いています
スマホの確認頻度とか完全に気持ちを持っていかれていますよね
腕時計を質屋に入れればすぐ資金になるのにチマチマとお金を貯めているのは離れる時間の先延ばしにしか見えません
あのバックハグは戦略的に試したのかと思ったのですが、まだ自分の感情が分からないんですね、、
ふつうに好き、以上の感情だけど、こちらも恋愛一本というには複雑で重い気がします
こうしてみると同じ悩み、相手への想いの深さ、相手のための行動と似たもの同士のように見えますが、狂児の方が大人な分自分の感情の把握はできているかと思っていました。が、バックハグ後の硬直具合を見る限りそうでもないのかも、、
いろんな場合を想定して手を打っているようで、それを超えた感情のぶつかりへの動揺が隠せていなかったのは意外でした
まだ話は続いていくのでこの後自分の感情への折り合いや、どうしたいのか、に向き合っていくのではないかと思いますが、どういう結論であったとしても幸せになってほしいと思います
単純なboy meets girlでもなく、どちらかといえばBLだとは思いますが、2人の人間の出会いと愛の話として見守りたいと思います
って長っ!!
何を漫画と映画の登場人物について書いてるんやろ、と思いながらも、ここまで沼れる話はなかなかないので僥倖ですね。
11話が楽しみすぎます。
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