エモい動画とは?
仕事柄様々な映像や動画制作をしている。特に多いのがsnsやHP用のネット動画が多い。その中でも最近多いのが編集やテロップに力を入れた情報凝縮型の動画である。実際に案件数も要望するクライアント数も増えている。
情報凝縮型動画
情報凝縮の利点は、少ない時間で享受できる情報量の多さ。音が無くてもテロップで理解できる視覚による情報濃度の濃さ、があると思う。
ここに必要なのはしっかりとした情報性と、その情報の企画と編集力になる。構成力や撮影というよりも情報の事実をいかに分かりやすく視聴者に凝縮して伝達するかという面白さがある。
主にYOUTUBER系の動画や対談式の言葉を中心とした動画が多い。音を聞かずに動画を見るケースが多いことからテロップ補正は絶対だ。そこのデザインや出し方、テンポやインパクトがとても大切な要素だと言える。
ネット動画のあり方としてとても分かりやすく、人々の生活によりスパイスをもたらす、もしくは生活スタイルを向上させていくコンテンツであると思う。
過剰演出型動画
そんな情報凝縮型が主流のネット動画の中、今後僕が注目したいスタイルが、どちらかというと正反対なエモい動画スタイルである。エモいの定義はとても曖昧なのだが、簡単に言うと感情的な表現方法。
僕はこれを過剰演出型と呼称している。情報性の過密さよりも撮影時からの演出を意識して、撮り方自体を感情的に切り取る手法になる。
わかりやすく既存の映像で言うと
・情報凝縮型=テレビメディア、バラエティ、ドキュメンタリー
・過剰演出型=MV、映画、CM、ドラマ
過剰演出型はお金がかかるイメージ、難しいイメージがつきやすいが、現在の機材の豊富さや低価格で実現が可能になってきた。
そしてここがポイントになるんだけど、どちらかと言うと動画構成、撮影の段階での過剰表現が大切になってくる。
そしてその過剰演出の仕方にはある程度の法則と仕組み作りが可能である。
ネットワークの充実により、どんどん動画によるストレスがなくなり人々の生活に動画が当たり前のように今以上になる時…
空いた時間に情報を得るだけでは無く、動画によるパーソナライズされたコミュニケーションを人々が取るものだと僕は思っている。
現在インスタやTikTokなどでパーソナリテイを表現する若者が多いように、動画によるよりパーソナルな、よりエモさを表現したいと思う需要が高まるのだ。
ネット動画時代の二つの要素
情報を得る側面が情報凝縮型だとして、そこに必要な要素のポイントは編集力。
情報を発信する側面が過剰演出型だとすると、そこに必要な要素のポイントは撮影力。
現在近いのはブログを動画で表現しているBLOG→VLOGと呼称される表現方法である。現在では一部の著名人やYOUTUBER、VLOEGGRと呼ばれる人々による表現方法のようだが、伝達の仕方が明らかに違い、インスタでの投稿なども多いという。
Vlog(ヴィログ)というフレーズは「Video」+「Blog」を合わせた造語。
いわゆるビデオブログと言われるもので、ブログのように情報を記事にして発信するのではなく、動画にして発信するのが大きな違い。
そのVlog(ビデオブログ)を投稿して生計を立てている人たちのことを「Vlogger」と呼んでいるようです。
2014年〜2015年あたりでYoutubeで投稿されていたVlogが流行りだして一気に広まったよう。
日本では、はじめしゃちょーやヒカキンといった人気Youtuberがこの年代に大幅に伸びていった。
ただYoutuberの動画は動画ごとにしっかりと企画を練られているのに対してVlogの動画は、日常を動画にしているという違いがあるので、Youtuber=Vlogという訳ではないようだ。
これは情報伝達としてのツールというよりも、コミュニケーションとしての側面を持ち合わせた、パーソナルムービーとしての機能が特徴的だ。
パーソナルムービーへ
そんなパーソナルムービーをより効果的に、日常を過剰演出する撮影方法、編集方法、構成力などの方程式を作り上げていくことが次の動画時代のコミュニケーションツールとしての動画のあり方だと個人的に思っている。
そして動画には、そのようなニュアンスや雰囲気で伝達することができる視覚情報というものが確実に存在するし、それが動画の面白い側面でもある。
人々に想像させる。あえて余白を作る。あえて無駄を作る。
この、「あえて」を意識的に構築することが、過剰演出型のものすごく大事な要素である。
これが僕が最近言い続けている「エモい動画」の意味合いである。