FF14パッチ7.0『黄金のレガシー』の感想
2024年7月16日、晴れて『黄金のレガシー』パッチ7.01が実装された。
つまりはパッチ7.0のリリースから二週間が経ったということだ。
作品の、特にメインクエストの内容については既に数多くの感想がSNSやらなんやらに投稿されており、その中にはまさに自分が言いたかったことです!!!!としか言えないような感想もあったりして、じゃあ今更自分が時間をかけて二番煎じにしかならない文章をしたためる意味とは???と多少悩んだものの、自分の言葉できちんと残すことで、後々「あのときの自分はこんなふうに感じていたんだな~」と振り返ることができたら面白いかもしれないので、忘備録としてやはり書くことにした。
作品全体の評価
楽しんだかそうでないかで言えば間違いなく楽しんだ。
初めて見るもの、聞くもの、全員初見で挑めるID・討滅戦…。なんだかんだで拡張実装直後のお祭り感は格別だったし、ログイン待機列も長かったのはアーリー開始直後ぐらいだったおかげで、遊びたいのに遊べない!ということは全くなかった。この快適性は素直に称賛したい。
しかしながらそこで得られたゲーム体験にはネガティブな印象を覚える部分が多く、『漆黒』や『暁月』のように人へ薦めたくなる出来ではないなというのが正直な感想だった。
メインストーリーについて
個々の展開やキャラについて突っ込みだすとこの記事全体の3倍は書かないと終わらなそうなので、ざっくりと概要だけに触れる。
期待していたものと実際に出されたもの
事前に開発から「ハイデリン・ゾディアーク編のような一大サーガを期待されても困る」「ヒカセンの夏休み」といった発言を聞かされていたので、世界の危機を救う!葛藤しエモさに涙する壮大なストーリー!なんてものは期待していなかった。
新大陸の物見遊山がてら現地民(ウクラマト)の旅に同行し、未踏の地や未知の遺跡を探索していくエンタメ映画の如き冒険活劇を繰り広げるのかな、というのが自分の想像であり期待であった。
まぁ、実際に出されたのは試練という名の6連続友好部族クエストと、傀儡政権が樹立する様だったのだが。
シナリオ配分の難
本作はウクラマトが王になるまでを描く第一部と、王になった後に起こるアレクサンドリアとのあれこれを描く第二部という二部構成になっているが、素直に7.0で継承レース編、7.1~7.3で対アレクサンドリア編ではダメだったのだろうか。
おそらく第一部の内容だけでは捻りがない!まさかの展開を入れてプレイヤーの予想を裏切ろう!と考えての構成だったのだろうが、途中謎の西部劇パートに尺を食われるのも相まって、両パートともにプロットを消化していくだけで手一杯。「暁を二分する苛烈な継承レース」のほとんどがクエストマークをクリックしてカットーシーンを眺めるだけで終わるスタンプラリーになっていたのは本当に残念だった。
バカ正直に二部構成を半分ずつの尺で描かず、継承レースの最中にアレクサンドリアが襲撃してきて、その戦いを治めた功績をもって王と認められるとか。または継承パートに尺を割いて、そこでゾラージャの話を決着まで描いた後にアレクサンドリアが襲撃するとか。もっと他にやりようはあったのではないか。
本来であれば丁寧に描くべきキャラクターの心情変化もろくに描かれないので、彼らの考えを推察することはできても、正解を知ることはできない。誰も彼も、もっと知って好きになりたかった。
ストーリー以外の部分
やや難易度が増した戦闘コンテンツ
各ロールの軽減スキルの効果量が引き上げられたり、移動スキルまわりに手を入れられたり。事前に発表されていたこれらの調整内容から、より苛烈な攻撃や近づきにくいギミックが増えるのだろうな~と予想はしていた。
しかしまさか、ノーマルコンテンツでその片鱗を味合わされるとは。意表を突かれたし、とても楽しかった。
ただ、100IDの遊園地とその類似ギミックを持つライトヘビー級2層が非難轟々になるのはわかるし、全体的な難易度向上はカジュアルに遊んでいるヒーラーにとってはプレッシャーだろう。
今後もこの方向性で行くのであれば、4人IDにはヴァリアントダンジョンであったようなアクションを用意するなどして、ヒラキャス以外にもPTメンバーを蘇生する手段を持たせてあげてほしい。
採取地の設計ミスってない?
『暁月』ではクラフターがLV80~82で必要となる素材は、開幕の「とりま2エリアを好きな順に見てきてね!」で行ける範囲で採取ができた。
LV83~84に必要な素材であればLV84までに行ける範囲のエリアで、LV85~86ならLV86までに…と、制作物と必要素材とメインクエスト、それらのLVがきれいに揃っていた。
そのため自給自足のプレイを楽しんでいる自分は、メインクエストを進める傍らギャザラーに精を出し、リーヴ券を上手く消費しながらクラフターのレベルを上げ、必要であればサブジョブの装備を作るなど、シナリオや戦闘だけではなく、生産活動も大いに楽しめた。
しかし『黄金』では制作物のレベルとそれに必要な素材の入手タイミングが大きく乖離しており、そういった楽しみ方は早々に頓挫した。これにはひどく落胆させられたし、多くのストレスも覚えた。
このレベルの乖離については公式のフォーラムでも少数ではあるが声が上がっているので、どうか次の拡張では改善を検討してほしい。
グラフィックアップデート
本拡張随一の目玉だったのでは?と思われるグラフィックアップデート。
背景や装備に関しては大きな期待を、キャラクターの造形や印象には大きな不安を抱いた状態で迎えたそれは、期待も不安も的中するという結果だった。
新しく描かれる世界は新エリア・旧エリアともに素晴らしく、開発陣が新しくできるようになったことを存分に活かし、非常に高いモチベーションをもって作業したのであろうことが伺えた。
衣服に関してもそうで、特にウクラマトやマムージャ族が身につけている金装飾などはカットシーンでもその煌めきが美しく、見る度に素敵だと感じていた。
しかしそれらに対し、自キャラの印象は満足のいくものではなかった。
無表情で突っ立っている分には『暁月』の頃とほぼ変わらない印象を得られるものの、表情がついた瞬間になんだ今の顔!?となってしまう。
いや、「笑顔」は笑顔だし、決して怒り顔や悲しみ顔になっているわけでも、ものすごい変顔になっているわけでもないんだけど。笑った顔、そんなんだったっけ???といった違和感がついてまわる。
自分は自キャラを自身の「アバター」ではなく、設定や性格付けをした「キャラクター」と見て遊んでいる人間なので、仮に今の見た目に不満があるなら気に入る種族・性別に変えてしまえば?と言われてもそれは不可能で。
吉田氏は7.0パッチノート朗読会で「どうしても気になる部分はフォーラムなどでフィードバックを」と言っていたが、7.01のリリース時点でジョブやハウジングのように明確な修正内容と時期の発表もなされていないので、どうせ今後は致命的なバグ(たとえば特定のエモートをすると何々が消えるとか崩れるとか)の修正ぐらいしかしないのだろう、と投げやりな気持ちで見ている。
今後への期待。期待…?
リアイベ偏重でゲーム内イベントがスカスカになった10周年記念、チケットの販売が終わった後に「観覧席奴は物販スペースすら行けませーん!w」を発表したファンフェス、先にベンチマークを見ていたら予約をしなかっただろうと思わせるグラフィックアップデートの出来、そして遊んだ結果が「うーん……」な『黄金』。
正直積み上げてきた「信用貯金」はゼロに等しいところまで落ちたのだが、それでも自分が愛しているヒカセンはこの世界にしか生きていないので、なんとか良くならないかな~!と空を仰ぎながら、今はまだ遊んでいくと思う。
なんだかイーロンに文句を言いながらも「このTLを構築するフォロワーはここにしかいないから」とTwitter(現X)から離れられないでいるユーザーのようだ。いいお客さんである。
だいぶ文句を書き連ねてしまったように思うが、ひとまずはこれが今感じている思いである。今後、パッチが進むにつれて良い印象に変わっていくといいなぁ。