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伝わらないから作る

相手が知らない言葉や経験による感覚はそもそもどう説明したって伝わらない
思い返すと今でもモヤモヤして、暗い溝にはまりかけるので考えないようにしている


最近温泉などの大衆浴場に入りやすくなった
それには明確に理由があって、「誰も自分を気にとめて見ない」とわかったからだ

若いと容姿のどうのに関わらず自然と視線を集めてしまう
自分が自意識過剰で視線恐怖症だということを差し引いたとしても「若いだけで見られる」事実は間違いではなく、「若さ」は感じ取れる側からすればもはやそれだけでASMRなのだ
五感の何かが気持ち良い

思い返すと20代まではつらかった
体型についても会った初めに「痩せてる」などとどこに言っても誰かしらに言われる
個人的には「痩せてる」は決して褒め言葉ではなく、「痩せぎす」「貧弱」と捉えられて情けなく思った
体調を崩した時には「痩せてるから」「食べないから」などと根拠のない理由として挙げられるのもなにか内心納得がいかなかった

そういった心の内を明かすと「気難しいやつだ」「繊細な人だ」とも思われ付き合いが遠のきそうなので「何も感じていませんよ」とその場その話題が人の心に残らないよう軽く微笑んで流している

大衆浴場に入りやすくなったのにはもうひとつ理由があって、「性別」を気にしなくなったからだ
気にしなくてもいい環境や付き合いに自主的に持っていったと言える
自分の場合、気になったのは性別違和や性的搾取よりも、「若さ故の奔放さと無知さと羞恥心」だったようにも思う

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