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HALO INFINITEをクリアしたよ


『HALO INFINITE』のキャンペーンをクリアした。
『HALO5』の絶望的なエンディングからどう着地させるんだろうと思ったけど、文字通りの新たな地平でのリスタートをしっかり切ってくれて個人的には大満足だ。

さて、本稿ではネタバレ全開のストーリー振り返りをしていこうと思う。
未クリアの方はご注意していただきたい。


※以下『HALO INFINITE』の深刻なネタバレを含みます









「自分の死に方を知ったら あなたはどう生きるかしら?」

―――コルタナ

ゼータヘイローの戦い


Overture

UNSC最大の戦艦インフィニティはアトリオックス率いる傭兵部隊バニッシュトの襲撃を受ける。
『HALO5』の後にインフィニティに帰還したマスターチーフも応戦するが、アトリオックスに敗北。
インフィニティは破壊されてしまい、宇宙空間に投げ出されたチーフをペリカン(輸送機)パイロット”エコー216”が発見するところから本作のストーリーは始まる。

チーフはペリカン内でなんらかの信号をキャッチ、それが戦況を変えうる”武器”のものだと確信、発信元へと向かう。

ゼータヘイロー(Installation07)にて”武器”を回収したチーフ。
”武器”は人類や宇宙の知的生命に反旗を翻したコルタナを封印するためにハルゼイ博士に造られた、いわばコルタナのデッドコピーだった。
”武器”はコルタナを封印した後に自己消去が行われるはずだったが、なぜか彼女は現存している……。


Harbinger

「温室(Conservatory)」と呼ばれるエリアでバニッシュトが何かを探しているらしいことを掴んだチーフは「温室」へと向かう。
チーフは「温室」でゼータヘイローのモニター(管理AI)”デスポンデント パイア”と接触するも、何者かによって彼女は破壊されてしまう。
モニターを破壊したものこそがハービンガー(Harbinger of the truth)、チーフがゼータヘイローで発見した空のサイリックス(フォアランナーの遺伝子保存装置)は彼女のものだった。
ハービンガーによれば、「エンドレスは帰還する」らしい……。

バニッシュトとハービンガーは同盟を結び、リングを再建(リフォーメーション)することによって何かを企んでいる。
チーフとの接触後「尖塔(Spire)」に逃げ込んだハービンガーを追うチーフだったが、ハービンガーの目的は「静寂のオーディトリウム(Silent Auditorium)」と呼ばれる場所での何かにあるようだ。


Silent Auditorium

失踪したアトリオックスに代わるバニッシュトの軍団長エスカラムを退けチーフは「静寂のオーディトリウム」に辿り着く。
そこでチーフ(と”武器”とプレイヤー)は『HALO INFINITE』本編の開始前にコルタナが地球上のUNSC本部を壊滅させていたこと、さらにアトリオックスの母星を破壊していたこと、そしてコルタナがアトリオックスと接触し何らかの行動を取ったことを知る。

コルタナは意図的にゼータヘイローを引き裂くことでアトリオックスを妨害していた。
また”武器”の自己消去を妨害したのもコルタナだった。
コルタナは最後の希望をチーフに託して消滅したのだ。

「静寂のオーディトリウム」はフォアランナーの裁判所であり、牢獄であり、処刑場であったようだ。
そしてハービンガーの目的は同胞であるエンドレスの牢獄からの解放。
フォアランナーによって牢獄に封印されたエンドレスが解き放たれてしまえば何が起こるかわからない。
チーフはハービンガーを打ち倒し、彼女の野望を阻止する。

コルタナは自らの過ちを悔いていた。
寿命を超越したコルタナとAIの集団である”造られしもの”による宇宙の管理支配こそが銀河を導く最善の方法だとコルタナは考えていたが、そもそもマスターチーフとコルタナがチームを組むことになったのはお互いの欠点を補い合うため。
自分ひとりでは世界をより良い方向に導けないことを悟ったコルタナはチーフと”武器”にすべてを託したのだった。

しかし、生存していたアトリオックスがエンドレスの眠るサイリックスを起動してしまう……。


と、ここまでが『HALO INFINITE』のおおよそのストーリーの要約となる。


破滅からの再生

本作のキーワードは「過ち」であるように思う。
マスターチーフはコルタナを説得できなかったことを悔いており、コルタナもまた自分ひとりで世界を変えられなったことを悔いている。
そして本作のもうひとりのキーパーソンである”エコー216”エスパーサ フェルナンドもインフィニティの乗員を見殺しにしたことを悔いていた。

過たない人はいない。
だが、人間はまたやり直せる。

チーフは”武器”と共に新たな戦いに赴き、コルタナは自らを犠牲にアトリオックスやハービンガーの野望を阻止し、エスパーサはチーフや”武器”と共に歩むことを決める。

失敗、破滅からの再生こそが本作『HALO INFINITE』のシナリオの根幹であったように私は思う。

また、本作は前作『HALO5』から少し話が飛んだ状態でスタートする。
マスターチーフは知っているが”武器”は知らないこと、機密事項なのでエスパーサが知らないこと、そしてマスターチーフすらも知らない真実といったように、本作における謎のプレイヤーへの導線が今作は非常に丁寧だ。

そして、チーフを拾ってくれたペリカンパイロットであるエスパーサもまた『HALO』では珍しい人材だ。
『HALO2』で単身で宇宙に飛び出し巡洋艦を破壊しても「見事なもんですな」で済まされてしまうチーフだったが、今作のエコー216はとても等身大な目線をくれる。そりゃ敵中突破の敢行なんて正気の沙汰じゃないよね……。

”武器”もゲームをプレイしている最中はほとんどコルタナといるような感覚だった(彼女は実際にコルタナそのものと言っていい代物だが)。
『HALO5』ではコルタナと敵対してしまったためにチーフと共闘するコルタナ、という構図はとても久しぶりなものに感じる。

総じてマスターチーフ、”武器”、エスパーサの3人のキャラが相互に影響し合う良いシナリオであったように思う。


残された謎(※追記あり)

ここからは個人的に解消できていない謎を述べていく。
なお、私は現時点では音声記録やフォアランナーのアーカイブはぜんぜん埋めてないのでもしかしたらそこで解消された部分もあるかもしれない。


謎:エンドレスはなぜ封印されたのか?

エンドレスはフォアランナーによってサイリックスに事実上永遠に封印されていた。
もともとサイリックスはヘイロー起動後の銀河系のリカバリーのための種の保存装置だったようだが、フォアランナーは特殊な事例においてはこれを牢獄として活用していた。
ハービンガーが危険な存在であったのは間違いないが、なぜフォアランナーがエンドレスの封印に至ったのかまでは明かされていない。


謎:アトリオックスはなぜエンドレスを解放しようとするのか?

本作のスタッフロール後に生存していたアトリオックスがサイリックスの封印を解こうとする描写がある。
エンドレスの目的、アトリオックスの目的双方が不明だが、アトリオックスがエンドレスを解放するバリューがわからない。バニッシュトにとっても相応の脅威であるように思う。

アトリオックスのコルタナへの対応を見るに彼の目的はリングの掌握のようだが、リングの掌握自体が目的なのか、エンドレスの解放のためにリングの掌握を進めているのかがわからなかった。
もっというとコルタナとアトリオックスの間で具体的に何があったのかも不明瞭だ。

・1/14追記
そもそもアトリオックスがインフィニティを襲撃したのは”武器”を奪取するためだったことが語られている。
これは仮説だが、母星を破壊されたアトリオックスが”武器”に目をつけ、コルタナを封印するために”武器”を用いて、結果コルタナが消滅することになったという流れなのでは。
UNSCは”武器”によるコルタナの封印が成功したと考えていたようだが、実際にコルタナを封印したのはアトリオックスなのかもしれない。


謎:ゼータヘイローの存在意義

作中でゼータヘイローはほかのリングとは違うということが再三強調されている。この発言の詳細な理由については現状明かされていない。
サイリックスどころかゼータヘイローそのものがエンドレスを封印する牢獄なのではないかと私は考えているが、具体的な根拠はない。

・1/4追記
余談だがゼータヘイロー(Installation07)はかつて全12基あった旧型ヘイローアレイのうちのひとつで、旧型リングの特徴としてアルファヘイローやデルタヘイローよりも大型のリングだったようだ。
(10万年前のフラッド戦役後に04同様のサイズに縮小改修された)
ちなみにInstallation07は10万年前にフォアランナーを裏切ったモニター”メンディカントバイアス”(HALO3のターミナルに名前だけ登場)の手によりフラッドの巣窟になった最初のヘイロー。


感想

まず嬉しかったのはなんといっても、オープンワールドの『HALO』が遊べるようになったことだろう。
もともと『HALO5』はオープンワールドという触れ込みだったが、最終的に4までに近いリニアな形式のキャンペーンのFPSとして発売された。

『HALO5』で実現できなかった箱庭を探索する『HALO』という部分、ある種の『HALO:Combat Evoldved』への原点回帰をついに実現したのだ。

それを踏まえてか過去作のオマージュがふんだんに盛り込まれているのが印象的だった。

「Through the Trees」は『HALO2』の楽曲のアレンジだし、「Finale」も『HALO2』のフレーズが使われている。



どこかで見た配置な気がする
こちらは確信は持てないが『HALO3』の「アーク」っぽい雰囲気


プレイアビリティの面でもグラップリングフックの機動力がとにかく快適だった。
高低差のあるマップで、時には奈落を飛び越えなければならない場面も存在するなど、立体的な移動をうまくゲームに落とし込めていたように思う。
拠点奪回の際にも上からの奇襲が簡単にできるというのはとても楽しいものだ。

私は本作をゲームパッドでプレイしていたのだが、ひとつだけ不満を述べるとすれば戦闘中のアーマーアビリティの切り替えにもたつく場面が多かったことくらいか。
基本的にグラップルが強力なので右キーを2回押すことだけ覚えていればなんとかなるように思う。


おわりに

過去作へのリスペクトと原点への回帰、そして新たな地平への着地のすべてをしっかりこなしてくれた『HALO INFINITE』は6年ぶりのシリーズ新作にふさわしい傑作だ。

久しぶりのヘイローでの戦いはとても楽しいものだった。
新たな敵を前にしたマスターチーフと”武器”、そしてエスパーサに希望あれ。


最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは今回はこのあたりで。



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