#ぴーちゃん 01
ひっそりとはじめたnoteの初記事に「スキ」をたくさんありがとうございます。
「スキのおしらせ」というタイトルのメールにドキドキしまいた。
心の闇の消化した部分から綴って見ようと思います。
ぴーちゃんというのは、わたしの元彼です。
結婚する予定でした。
もう、はるか昔のこととなりましたが、
平成になってすぐの頃お付き合いをしていました。
あのころの日本は、特にわたしが住んでいた地方都市では、
女は年頃になったら結婚して専業主婦になるのが正しい生き方とされていました。
結婚する時には、立派なお結納をすませて、
立派な披露宴を執り行うのものとなっていました。
わたしには結婚は無理だと思っていました。
一つは、わたしは継母とうまくいってなくて、
家を出るときも使い古した布団一組と使い込んだ茶碗1個
それだけを持って出て来たのです。
わたしのためにお金を使ってくれる親はいないのです。
もう一つは、当時わたしにはお付き合いしてる人がいたのですが、
その彼は独身主義でした。
そんなわけで、わたしの将来の夢は、
小さなマンションを買ってひっそり一人暮らしすることでした。
そうはいかないと思う事件が22歳の時に起きました。
職場の事務次長という肩書の人が縁談をすすめるのが大好きで、
わたしにも縁談を持ってきたのです。
お断りしてたのですが、
「次の日曜日に、○○レストランに来なさい。
先方は、すごく乗り気だ。
あなたのお父さんのことを説明したらぜひ結婚したいと言っている。
この話がまとまれば、君は日本旅館の若女将だぞ」
と、場所指定までしてきたのです。
実は、父は親としては低能でしたが、田舎ではちょっとした名士でした。
先方の日本旅館の跡取りなる人とその家族は
名士の娘と結婚したら、今後の会合や宴会、社員旅行などに使ってもらえる
という、下心もあったのでしょう。
方々のおえらいさんを招待した豪華な結婚式も
今後の発展のために思い描いていることでしょう。
わたしは、このお見合いを必死でお断りしました。
なんと言って断ったのか記憶にありませんが。
この事件で、結婚はしなくてはいけない事なんだなと思いました。
それから真面目に自分が結婚できる人を考えました。
譲れない条件は
わたしの家庭環境を理解して、くれる人。
結婚するにあたって、親からの援助をうけない人。
二人の貯金で準備も結婚式も済ませる人。
お金がないのであれば、婚姻届とお知らせの葉書だけでよい
と、割り切っている人。
あとは、健康でいてくれて働いているのであれば、
二人で働いて頑張って貯金をして行けばいいと考えていました。
そんな時に知り合ったのが、ぴーちゃんでした。
当時わたしは、すでに空き家になっていた祖母の家に
弟と2人で住んでいました。
ぴーちゃんは、弟の友達でした。
彼もまた、家庭が複雑で、家出をして転がり込んで来たのでした。
複雑な家庭な割には明るい子だったのと、
複雑な家庭を経験しているのであれば、
面倒な説明をしなくても、
わたしの家庭環境を理解してくれると期待しました。
そして、その期待は無惨にも打ち砕かれていくことを
このときのわたしは1ミリも考えませんでした。
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