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空間企画 その3

この記事の続き

最初にも述べたが、
空間企画でインスタレーションを作るときどこを大事にしているかというと
対象物(この場合美術などその場に存在しているもの)と観客との間の何もない部分をどう表現するかだと思っている
関係性や距離感をコントロールして、観客に伝えたいことが伝わるように製作する

そこで重要なものの一つが照明(光)だ

私は普段どんな仕事をしていますか?と聞かれたら
舞台照明家ですと答えるだろう

舞台照明は面白い
ただの光ではなく
さまざまな種類の光を調整し組み合わせて表現作るのだ

光のインスタレーションはたくさんあっても舞台照明のインスタレーションはあまり見たことがない
なぜなら、舞台照明は演劇やダンスなど対象が人であることが絶対だとされている(と、私は思っている)

舞台照明だけが突出して前に出ることはあまりないのだ
そこを覆して、舞台照明の表現を存分に使ってそれで作品を作っていきたいと思っている

ならば、それはライティングショーなのでは?と思うかもしれないが、それもまた違う

決して派手ではない
正直地味だ

普段身を置いている世界が演劇、しかも会話劇やアングラなどエンターテインメントな明かりではない故に
じっとりとした一見変化がない、だけど確実に変化しているみたいな明かりが得意になってしまったのだ

調光し、多種類を組み合わせて作る舞台照明の特性と
照明が決して前には出ない内容ありきで変化する演劇性を取り入れつつ
決められた対象物にあてるだけではない作品を作ることが
空間企画での私の仕事の一つと言えるだろう

仕事としての舞台照明でも今の団体との関係を少しずつ変えていきたいと思っている
一纏めの裏方スタッフではなく、舞台照明のアーティストとして演劇やダンスの団体と関わっていきたい
会社員ではなく、フリーランスとして演劇に関わり続けるのにはこのような思いもあるのかもしれない

光一つで表現は変わる
あまりにも人によって作る明かりは違うのだ
どのセクションよりも強く個性が出る

それを踏まえて誰に照明を頼むか、明かりを見て決められたい
スケジュールが空いていることも重要だが、あなたの明かりと自分の本、演出、振り付けを合わせたいという気持ちで選ばれたいと思う

作る明かりの個性で選ばれたい

今はまだ遠いかもしれないが、少しずつ普及していければと思う
私もそのためのセルフプロデュースを怠らずにやっていきたい


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