【告知】文学フリマ東京39に出店します。
みなさん、こんにちは野凪爽です。
さぁて、
今回もこの季節がやってきましたね!
ええ、
そうです。
グラコログラコロ♪
グラコログラコロ♪
グラコロォ♪
グラコロォ〜♪
グラッ
間違えました。
文学フリマTOKYO!!! (No.39)
(イベント詳細を知りたいお友達は☝︎をCLICK!)
いやね、
ビッグサイトで開催ですってよ(オクサマ)
すごない?
そんな場所に出れる時点で、すでに光栄ですよ。
ほんと。
まぁ、ダラダラおしゃべりしててもしょうがないんでね。
要点まとめたやつ貼り付けておきますわ。
これでもくらえっ!
オラァ!!!!
そう、
既刊はジャンケンに勝ったらタダであげるよ。
決して在庫一掃とか、そうゆうマインドはないよ。
新刊と同じように既刊だって
僕の血肉を分け与えた大事な作品だからね。
(なんかそう考えると・・・
僕、ア⚪︎パンマンみたいだね。まぁ、勝てればだけどねぇ??)
でもさ、
思うわけ、
どうせ売るなら
もっとワイルドに
もっと楽しく売ってみたいじゃん?
だから、
\ ジャンケン大会を開催します!!! /
ついでに、
新刊の書影も・・・
ちゅドーーーーーーン。
そしてこんなスカスカの告知記事に
ここまで
付き合ってくれた君に
ロマンティックではないけどさ、
新刊の冒頭部分をあげるよ。
花に蛇足
(頁01〜3迄)
prologue
0日後 - かえさないと -
・
・
・
あまり皺の寄っていない布団からもぞもぞと音がする。外へ這い出てきた彼女の左手は萎れた花房のようだ。
白くてか細い指が恋人の手に向かっていく。ふたりの指先の間隔は約十センチ弱。だが彼女にとってその距離は遥か先だ。
宙に浮いているような感覚に包まれながら彼女が見つめる天井は真昼の日照りのせいで白く光っていた。
まだ四月の初めだというのに、窓の外の桜はもう散り始めていた。
彼女は隣室の老婆といつかした会話を思い出す。
「地球が回るスピードに、わたしやあなたの感傷は追いつけないみたいね」
「もっとのんびりでいいのにね。火星みたいに」
寂しそうに真昼の月を見上げていた老婆が彼女の言葉に首を傾げて、朗らかに笑った。彼女はその笑みを眺めて『この人は私との会話をどれくらい忘れないでいてくれるだろう』と思った。
彼女の耳が家族の声を拾う。
何を言っているかまでは分からないが、湿って重たくなった雰囲気が布団にのし掛かってくるのは分かる。
ベッドの両脇に立つ両親は柵を掴んで涙を流し、彼女の妹は後ろで堪えている。そんな姿を感じると彼女の決意は鈍りそうになる。
幾つもの管が彼女の体には刺さり、拘束している。それは過保護な両親の眼差しにも似ていて、ありがたいがうざったくもある。
彼女は余命を費やしながら生涯との折り合いをやっとつけた。にもかかわらず病室の空気は重い。
だからこそ、この部屋の重力に全く囚われていない恋人の手に触れたいと思ってしまうのだろう。
床頭台の手前にある丸椅子には恋人の彼が座っている。彼は彼女の身体にかかった布団が呼吸に合わせて上下する様子を観察していた。
彼女の小指の先がようやく辿り着き、
彼の薬指を擦る。
ふたりの目があう。
だが、
触れた彼の皮膚は鱗のように硬かった。
imaging playlist…