僕が日本財団を辞めて、人生をかけてこどもSNS「フォーキッズ」を起業した理由 4kiz代表本山勝寛講演
1月30日、株式会社4kiz代表取締役CEO本山勝寛による講演会を行いました。
ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。
テーマは「僕が日本財団を辞めて、人生をかけて起業した理由」。
現在40歳になった代表の本山、振り返ると人生様々な転機がありました。そしてその様々な転機を経て、人生最大の決断である起業に至りました。これまでの人生の「点」と「点」がつながり「線」となり、起業という決断に至る。今回の講演会ではその経緯についてお話させていただきました。
講演
母親の他界。バイトで家計を支えたこと。東大受験。ハーバード留学。日本財団での子どもの居場所事業。一つ一つの「点」が、子どものためのSNSを創るという起業につながっていきます。
そのなかでも、特に大きかった転機は家庭を持ったこと。
6人の子供に恵まれ、たくさんの発見がありました。
本山は今まで計4回の育休をとった過去があり、日本で一番育休をとった男という自負がある。その4回の育休のなかで、「こども」というものを再発見しました。
誰もが過ごしてきた「こども」時代。しかし成長して大人になるにつれてその記憶は薄れていきます。当たり前ですが大人になるとこどもではなくなります。
本山は育休を通し、その失いかけていた「こども」について再発見することができたのです。こどもはすごいです。何がすごいか、色々なことがすごいですがまずこどもは成長します。今までできなかったことができるようになる。そして何より好奇心がすごいです。いろいろなことに興味を持ち、質問したり作ったり書いたり。
"Lifelong Kindergarten" MITのミッチェル・レズニック教授の言葉にもあるように、この「こども」の時のような好奇心を生涯持ち続けることの大事さに気づかされました。
ではどのようにこれを実践すればいいか。
日本の小学校では幼稚園までもっていた好奇心が途端に薄れてしまいます。
日本の学校教育制度は産業革命を推進するための制度。しかし今は情報革命、インターネット革命の時代です。学校制度は制度疲弊してしまっているのです。
学校制度が、こどもの好奇心を伸ばすよりも、むしろ好奇心を削いでしまっているのではないかと思えるくらい深刻な状況にあるとも言えます。
さらに、これだけインターネットが普及し、子どもたちもスマホやタブレットを使うのが当たり前になったのに、子どもたちが安全に使えるSNSがないために、性犯罪やいじめなど様々なSNSトラブルに巻き込まれてしまっています。
ではこれからの時代、どうしていけばいいか。
本山は好奇心と創造性、一人一人の個性を育む双方向型の新しい学びのプラットフォームが必要だと考えます。
それが4kiz(フォーキッズ)の目指す「こどもの、こどもによる、こどものためのSNS=Social Networking School」 なのです。
こどもたちが本来持つ好奇心を大切にしながら、こどもたち同士のつながりを作ることで、4kiz(フォーキッズ)は世界の教育を変えていきます。
Q&A
この度の講演会では、参加者の皆さまからたくさんの質問をいただきました。
Q. CIO(最高ソウゾウ責任者)は具体的にどのような業務を行うのですか?
A. こどもたちの創造性と想像力を企画のプロセス段階から取り入れたいという想いで、小学生からCIOを公募することしました。(募集要項詳細はコチラ)月一回の企画会議を定例で行い、そこで色々なアイディアを出していただきます。アプリの開発前であれば、どのようなSNSにしたらよいか、また公式キャラクターをつくるならどのようなものにしたらよいか、制限はどの程度までしたらよいか。リリース後であればキャンペーンやイベント開催時の内容など、子供目線で色々なアイディアを出していただきたいです。もしかしたら講演や取材、テレビに出ていただくこともあるかもしれません。
Q. SNSを利用する機器を持っていないこどもはどうしたらいいですか?
A. 多くの親御さんはスマートフォンをもっていると思うので、そのスマートフォンで利用できるようにしていきたいです。また、国が現在GIGAスクール構想を推進しており、タブレットを一人一台配布することを進めています。実現まで多少時間はかかると思いますが、そのタブレットにインストールして使っていただくことを目指していきたいです。まずは今年でいうと、先進的な自治体と協力してその自治体内の学校で実証的に利用してもらい、そのモデル事例をもって全小学校で利用できるようになることを目指してます。
Q. どんな子どもでも使えるように「無料の」サービスということですが、サービス全体としてはどのようにマネタイズされるのでしょうか?
A. FacebookやInstagramのように広告収入をメインに考えています。それ以外に有料サービスによる収益も考えていますが、基本的にはだれでもアクセス可能なものにしていきます。
Q. アメリカ在住なのですが、フォーキッズは海外でも利用可能でしょうか?
A. なるべく早く世界中で利用できるようにしたく、その構想も持っていますが、各国の法規制をしっかりとクリアしていく必要もあるため最初は日本で展開していきます。
※2023年9月に、英語・インドネシア語・タイ語・ベトナム語・韓国語版をリリースし、アメリカはじめ海外でも利用できるようになりました。
Q. 本山さんは50年後は学校や先生はどのようになっていると考えますか?
A. 現在の教員だけが教える仕組みは変わるべきだと思います。1人が個性の異なる40人に教えるのは無理があり、それは近代産業革命時の仕組みです。これからは教えてもらいたい先生を自由に選ぶことができ、場所が必要であれば場所で、オンラインで可能ならばオンラインで、多様な選択肢からこども自身が選べる時代になるべきだと思います。
Q. 私の子供は昆虫が好きでその好奇心を深めていっていくのに活用して欲しいなと感じましたが、本山さんのSNSで好奇心を深めていくイメージを教えて頂けたらと思います。
A. 虫好きならよりぜひフォーキッズを使って欲しいです。捕まえた虫を写真に撮り#虫好きとアップする。そして他の虫が好きな子がその投稿を見つけ、その地域ではそんなものが採れるんだとコミュニケーションが生まれる。するとそこから新しい好奇心が生まれていくと考えます。また、珍しい虫を見つけて、これはなんだ?と虫好きたちの間で話題になる。そしてそれが研究者にも届いて実は新種だった!みたいなことが生まれてほしいです。そのため研究者など、プロの大人にも公式アカウントとしてフォーキッズに入ってもらいたいです。そのプロと実際にコメントし合って直接つながるということもしてほしいです。虫だけに限らず、お菓子作りとか、お絵かき、動画づくりのコミュニティをつくり、共同研究などもしてもらいたいですね。
講演の様子の動画を4kiz公式YouTubeチャンネル「フォーキッズTV」にも公開しています。
「フォーキッズ」アプリのダウンロードはこちら
iOS版(App Store)
https://apps.apple.com/jp/app/4kiz/id1620273667
Android版(Google Play)
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.forkiz.app
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