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【馬車芽めめ】の田舎で養われた精神性


「ばしゃめ、馬車芽めめっていいます」



エントリーナンバー4、少しばかり頭の足りなさを感じるキュートな自己紹介と豊かな自然を表すような緑色の髪からは、都会の喧騒から離れた田舎の情景を想起させる!
あったかいから~と外で平然とグースカ寝たり、部活中でも人目を気にする素振り一つ見せることなく爆盛りごはんをウマウマと食らったり、学校の敷地内に無許可で田んぼを作るなど「コイツにルールは通用しないのか!?」と思えるほどマイペースにやりたい放題な特異点、馬車芽めめ。


コイツの緑髪は今時の若モンが奇をてらって差別化を図ろうと染める派手な緑とは違う、純粋な地毛レベルに自然を愛する田舎の魂が滲み出た豊作の緑なのだ。
(ばしゃめを褒めたいがためにあえて髪を緑に染めた方をこじつけで相対的に下げました。嫌いじゃないし、個性的なのに尖り過ぎないマイルドなバランスの良さがいいと思います)



とあるオッサンが冗談交じりに

「しかのこのこのここしたんたんはねえ、ばしゃめが田植えしてたのがイイネ!(笑)」

みたいなことを言っていた。気がする


(詳しい話は見てません。無料部分で「ばしゃめ以外どうでもいい!笑」と国学や神道学が稲作と密接に関連している観点から『しかのこ』がお米アニメだという視点を提示していました)


鹿乃子に憧れるという一般生徒とそう変わらないように見える安易さや、体育祭で手伝いを頼まれたにもかかわらず田植えの準備に没頭するなど自分のことしか頭にないアホさがどことなく自分と似ていて正直あまり好きじゃなかったが、
彼のシンプルな感想にはハッとさせられた。


そう、

ばしゃめは私たちに作物の恵みありがたみを思い出させてくれるキャラクターなんだよ!


田舎での生き方はせわしない都会の競争で勝つための能力を要しない分、
ゆっくりと体感で流れる時間の中でなんで生きてんだ自分だとか周囲に広がる自然だとかに思考が誘われ、都会に生きる虎視虎子らとはまた違った精神性が養われるのだ。
(実際に田舎育ちの設定はなかったかも。まあお気になさらず…)

そんなばしゃめが愛するのは今日まで日本古来から人々の食卓を支えてきた伝統ある偉大な生命線、

みんな大好きお米である!


田舎からはるばるやってきた新入生は『ルールをきちんと守りましょう』なんてテンプレの道徳なんて目もくれず、
無許可で学内に田んぼを作っちゃう暴走ぶり。


ピッカピカの新一年生なのに泥だらけもいとわず田植えに無我夢中なその姿は、お前らが生きてんのはこいつのおかげだろう!?と白米の存在を無理くり思い出させる農業従事者版松岡修造だ!!

お米食べろ!!とまで暑苦しい押しつけがましさはないものの、お米への愛が赴くままに田植えに没頭するばしゃめからは、
自然の恵みと古来より紡がれてきた農業の伝統に対する純粋な敬意を感じる・・・・・・



憧れの鹿乃子のこ先輩と相性が良いわけだ。
シカの世界にはしけんもなんにもない♬が、生きるためには食わねばならぬ。
シカ肉を狙う人やオオカミといった天敵、死と隣り合わせ。

都会の人間と違い、両者とも自然が身近なフィールドで生きてきたため、生死への造詣が深い点が共通しており、ばしゃめは鹿との親和性が高い。 (シカしオオカミは日本では絶滅しているらしく、ばんばん繁殖しちゃえーと日本各地で農作物をバクバク食らいまくる害獣として被害を及ぼしまくっているらしいマジレスはまあ、置いといて。)



ばしゃめは自身をヒト以上シカ未満と称してシカを目指し、鹿乃子のこに弟子入りする。
その純粋な敬愛は年功序列なんていう既存のルールさえブチ壊し、得体のしれないシカ部まで偵察に来た2年生の猫山田に

「シカとしてはばしゃめの方がせんぱいなので、そこんとこ履きちがえないでくださいねー」

と、ご飯を食べながら何の気なしに豪語しちゃう。
生徒会だの年上だの権力をものともしない信仰心。鹿乃子に興味ゼロのシスコンメンヘラ虎視餡子に似てんなって思う。
(『しかのこ』って自己中なキャラ多くないか? 悪い意味でなく)


おかしい・・・・・・。


ばしゃめについて書けば書くほどばしゃめの魅力をわからされてしまう・・・・


特に好きなキャラでもなかったはずなのに・・・・


ご飯食べながらンハアーと気のない返事を吐いてやがるのに、一見間抜けっぽく見えるタレ眉とタレ目は誰に何とツッコまれようと色一つ変えやしない、

なんだってこいつは動じないんだ・・・・・・?


人類が紡いできた農の歴史の化身かなんかなのか・・・・・・?


なんにしろ、

只者じゃないぜ。


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