【虎視虎子】は一人でシカに抗う戦士
し・・・・・・シカだーーーーーー!1!!1
エントリーナンバー2、少年漫画の煮えたぎるイカした熱さに触発されてヤンキー化、尖りに尖った黒歴史を乗り越えて反転! キラキラ優等生で才色兼備みんなの憧れ生徒会長にまで上り詰める強キャラ、それゆけ元ヤンこしった~~ん♬な自分大好き虎視虎子!!
なんだって虎視虎子は魅力的かって、彼はシンプルに努力家で強いんだ!
中学時代に読んだ不良漫画に憧れて【東京日野の猛獣】の名を轟かすほどの暴走族総長にまで成り上がるアグレッシブさ、
そこから1年足らずで学年トップの成績を叩き出し、誰もが憧れを抱き立てば芍薬・座れば牡丹と呼ばれる上品さあふれた美少女生徒会長に!
光と影の両方の世界でかました両極端な快進撃はそのゴールデンな金髪と闇色の瞳が表しているでしょう!
さて、そんな無敵とも思えるこしたんの前にのほほんとした刺客が現れます。
そう、鹿乃子のこです!のこたんって呼んでネ!
今朝通学路で遭遇したソイツは転校生として教室に入って来るや否やツノ(何故!?)に引っかかった壁を何ともなしにぶち壊し、飛び散った破片が前方の席に座る生徒の顔面を血で染める。
混沌とした光景が目の前に広がる中、誰一人として悲鳴を上げる者さえおらずみんなニコニコ、呆然とした表情を浮かべる虎。
(私がおかしいのか……???)
まるで神に配役を決められていたかのように都合よく用意された隣の席に理解不能な転校生がやってきて、ヤンキーのお姉さんだの処女だの私の重大なプライバシーをクソデカボイスでバラしてくるではないか。
このように虎視虎子は多くの承認を得ることによって力を得ているため、その信用を脅かすようなプライバシーを天然で見抜き天然でバラす鹿乃子にはめっぽう弱いです。
一般生徒や先生と違って鹿乃子の領域に吞まれず正気を保っている点ではマシですが、虎が今までブイブイ言わせてきた強さが通用しない窮地であることには変わりません。
ただし! 他より上に立つ人間のゲームに強い東京人の虎視虎子を、奈良人の鹿乃子が意味不明な野生動物のルールを持ち込んで皮肉る構図がありますが、皮肉りすぎもよくない気がするんです。
虎視虎子は自分で自分の曲を作る自分大好きだったり元ヤンの過去を隠しながら優等生を演じる腹黒っぽかったり、自身の株価を下げる危険人物だと判断した鹿乃子をトイレに連れ込み脅迫したりする、承認欲を満たすためなら手段を選ばない怖いやつですが、
困っている人を放っておけないおせっかいで、人の上に立つものとしての責任感も強い人間であることも忘れてはいけません。
9話の体育祭なんかもう、可哀想。
鹿乃子はギャラリーの注目を集めまくったり体育祭にデスゲームを持ち込んだり(さすが野生)、燕谷はそんな鹿乃子に夢中、手伝いを頼んだはずのばしゃめは田植えなどやりたい放題な連中。
前日までに抜かりなく準備を終わらせ、当日も数々のアクシデントに見舞われながら皆が参加する一大イベントを予定通りに進行させるために奔走する姿にカッコよさと哀れみを感じました。