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アニメレビュー「凪のあすから」

ずいぶん書きはじめてから時間が経ってしまったのだが、アニメのレビューを挙げたい。
アニメのレビュー自体は初めてだが、私もよくネットでアニメのことを調べるときにレビューサイトではなく、単体のレビュー記事をチェックすることが多い。
この記事がそんな同士にとって灯台のようなものになって欲しいなんて。

過小評価された名作「凪のあすから」

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今回取り上げるのは「凪のあすから」である。


Twitterなどで検索をかけてみればわかるだろう。
この自粛期間のおかげで確実に再評価の波が来ていることが。

あらすじはこんな感じ(dアニメストアから引用)

その昔、人間は皆、海に住んでいた。でも、陸に憧れた人たちは海を捨てた。海で暮らせるように海神様がくれた、特別な羽衣を脱ぎ捨てて……。海で暮らす人、陸で暮らす人、住む場所が分かれ、考え方は相容れずとも、元は同じ人間同士、わずかながらも交流は続き時は流れた。海底にある海村で暮らす先島 光、向井戸まなか、比良平ちさき、伊佐木 要と地上に暮らす木原 紡。海と陸。中学二年生という同じ年代を過ごしながら今まで出会うことのなかった彼らが出会った時、潮の満ち引きのように彼らの心も揺れ動く。ちょっと不思議な世界で繰り広げられる少年少女たちの青の御伽話



アニメでしかできない演出

「凪のあすから」が評価されるべき由縁は、由緒正しい”良いアニメ”であるところにある。

そう思わざるを得ない理由には「アニメだからこその演出」がふんだんに盛り込まれていることが挙げられる。

まずストーリーの展開とセリフ回しだが、これが普通にクサい

見ていても「ここでこういうこと言うんだろうな」とか「あっ、泣かせに来るな」というのが見て取れる。

ところがどっこい、ほーんとばかりに構えていると、あれなんだろう涙が止まらない。普通に泣けてしまう。。。

ここが「凪あす」の中々にすごいところだと思う。泣かせに行くところでしっかり泣かせることができるという才能を持った作品というのは、早々にない。


そしてアニメ特有の表現というには当たり前すぎることだが、この作品の感じは絵でなければ表現できない

実写の作品でファンタジーの世界を表現しようと思った時、空想の世界を表現しようと思うと、どうしても演出に力が入ってしまうと思う。

否、見ている我々がその世界観を見るときに不自然な力を込めてそれを眺めてしまう。
三次元のキャストが現実にはいない世界線の中にいるというミスマッチが、視聴者の目を逸させてしまうのだ。

だからこそ、ファンタジーの設定を土台に徹底して日常を描くということはアニメの中でしか不可能だ。

「凪のあすから」にはそれがある。

このアニメの世界観では、海と陸の人々はそれぞれの地に分かれて暮らし、海の人間には水中での呼吸を可能にする被膜”エナ”が備わっている。陸中でも自動車は三輪のバギーのようになっており、細かいところでも「ファンタジーの世界」であることに拘った演出をしている。

だがしかし、物語の中で描かれるのは、ありふれた学生の恋愛模様だ。そこは徹底して普通なのだ。

だから見ている最中の我々にとっては、画面の向こうの世界は現実とすぐさまリンクし、ファンタジーでありながら受け取るときに一切の違和感がない。

ならば現実世界でも良いではないか、と思われるかもしれないがそれは間違っている。

このファンタジー設定は、製作者側が描きたかった関係の変化を起こす外的要因であり、舞台装置なのだ。
これがハマるまで、これに気づくまでには2クール目の始まりを待たねばならない。
頼むから長いとか言わずに2クール完走して欲しい。


あと単純に...キャストと作画がすごい

声優にはそこまで詳しくない私だが、「凪あす」の声優キャストの多士済々ぶりには面食らった。
そして驚いたのは、キャストの当時のキャリアの浅さである。

今でこそ「鬼滅の刃」などでの活躍が目覚ましい主役の花江夏樹は、なんとこれが初めての主役だったという!
「凪あす」の前に「斉木楠雄」の鳥束を見ていたため、序盤はどうしてもエロガキの影がちらついてしまったくらいなのだが...

それだけでなく、準主役級の茅野愛衣や逢坂良太、小松未可子、石原夏織までもが2010,11年あたりからキャリアを始めたばかりの存在だったということも調べたら分かってしまった...マジですか


そして作画も圧倒的である。

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もうラッセンじゃんこんなの


陳腐な褒め言葉ではあるが、言葉がない。
こんな作画を語るとなれば、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」や同じ監督が手がけた「色付く世界の明日から」あたりのアニメを引き合いに出さなければいけないだろう。

最後に

no more words, just watch it.


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