坂東太郎

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ポップな田舎音楽

"ポップな田舎音楽"が私の音楽活動の主題である。ここ5年ほど、人や自分にそう言い聞かせながら断続的に音楽を作ってきた。 ポップとは大衆的、つまり老若男女問わず広く世間に受け入れられること、そして田舎音楽とは”里山や水田などの典型的な日本の田舎の風景とよくフィットする音楽”という程度の意味である。 私が田舎音楽を志すようになった明確なきっかけははっきりと思い出せないが、おそらく二十歳頃にThe Bandを真面目に聴き始めたことが影響していると思う。The Bandはロックの

    • The Bandが見せる夢

      これまでの私の短い人生のなかで、自分の音楽趣味の幅が一気に広がるきっかけになった音楽が2つある。そのひとつめは以前記事にしたくるり、ふたつめはThe Bandの音楽だ。 The Bandを聴くことで、ルーツ音楽とかアメリカーナと呼ばれる音楽がスムーズに耳に入ってくるようになった。 それらはまさにポップミュージックの根底となっているため、最近のポップスにもそういったルーツ音楽の要素を大なり小なり見つけることができる。 そしてそれがきっかけとなって、別の新しい音楽を好きにな

      • ギター ペグの交換

        初めて手持ちのギターのペグの交換をしたので、いろいろと勉強したあれこれを覚書きしておく。対象はGrass Roots製のレスポールモデルコピー品。 もうかれこれ10年以上弾いており、少し前に第5弦ペグの本体とペグボタンの間にある樹脂製のカラーが割れてしまって、ペグの動きが悪くなっていた。 もっと安価なノーブランド品でも構わなかったが、なかなか換える機会のない部品であり、ロックペグを試してみたい思いもあったため、みんなの大好きなゴトー製のマグナムロックトラッドにした。 ペ

        • ギターの「鳴り」とは

          このギターは鳴りが良い、とかいう言い回しを目や耳にする機会が多いが、なんだかよくわからない。 一般的に「鳴り」とは「音」を指す言葉であるため、当然ながら鳴りが良いとはつまり音が良いということになる。 ここでは、ある楽器についての評価として「音が良い」と述べれば済むところを、なぜ「鳴りが良い」と言う人がいるのかを推察してみた。 「鳴り」の実際的な意味 鳴り≒音というのは上で述べた通りだが、この2つの語の実際の使い回しは異なる。 「音」とは、物体を伝わる波(音波)のことであ

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        ポップな田舎音楽

          個人的くるり観

          これまでの私の短い人生のなかで、自分の音楽趣味の幅が一気に広がるきっかけになった音楽が2つある。そのひとつめが中学3年生のときに聴き始めたくるりだ。「ピューと吹くジャガー」にちらっと出てきたこともあって、バンドの名前ということだけは以前から知っていたが、曲を聴いたことはなかった。 聴き始めたときの「これや!ワイの聴きたかったんはこういう音楽やで!」というかつてないしっくり感を覚えている。くるりは、まるで周囲四辺が準備されたパズルの1ピースがハマるように、ぴったりと私の感性にフ

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          セミアコのコンプ感について

          セミアコースティックギターの音色には、確かに俗に言う”コンプ感”が感じられる事が多い。 こういった楽器の音色に関する由無し事を、単に見た目のイメージだけでそう言っていると思われないように、なんとなく理屈をつけてみる。 エレキギターの発音の仕組み そもそもエレキギターの発音の仕組みとして、磁性体である鉄弦の振動に応じて変化する磁界をピックアップマイクが検出して、その信号を増幅回路で電気的に増幅し、最終段で磁性体であるスピーカーを振動させることで音波を出力する。 アコーステ

          セミアコのコンプ感について

          音色の何を評価しているか

          エレキギターを弾く人ならば人生のどこかでエレキギターの音を「良いな」と思った経験があるはずである。そうでないのであれば、数ある楽器の中からわざわざこれを選び、そして弾き続ける理由がない。  ではエレキギターの音を良いと思うとき、我々は音色に含まれる何を評価しているのだろうか。弦の振動の美しさだろうか。それとも電気的に付加される要素だろうか。 出音としてはこれらはミックスされた状態で我々の耳に入るわけだから、種々の要素が入り混じった”ある状態”を好む、と言えるかも知れない。

          音色の何を評価しているか

          アコースティックギター 発音の仕組み

          (2024年10月13日加筆) 実はよくわからずに弾いていませんか? アコースティックギターに張ってある弦はとても細い。だいたい直径コンマ数mmから1mm強の細い鉄線だ。 これを木の箱であるボディにくっつけると何故音が大きくなるのか、私は長い間わかっていなかった。 意外とわかりやすく解説してくれているインターネットサイトが見つからず、もやもやしたままなんとなく箱の中で弦の発した音が増幅されて大きくなる(?)などと、かなり雑な理解で放置していた。 それってきっと私だけじゃ

          アコースティックギター 発音の仕組み

          エレキギターの持つ音

          久しぶりに人前でギターを弾いた。有り難いことにその様子を動画で撮って頂いたおかげで、ステージ上の大きなアンプを使って大きな音で鳴る自分のギターの音を客観的に聴く事ができる。 こうやって自分のギターの音を聴いていつも思うのは、普段聴いているままの音だなぁということだ。アンプ含む会場の音響設備は普段家で弾いている状況とは異なるけど、結局出音はいつもどおりなのである。 その昔ライブに出た際に、他の出演バンドのギターボーカルのギターの弦が本番中に切れたか何かして、私のギターを貸し

          エレキギターの持つ音

          真空管ギターアンプ パワー管の交換

          20240831追記 この記事の表示回数だけ妙に多くて不安になってきた(なお「スキ」はされていない模様)ので、恐れ入りますが念の為、はじめにお断りを入れておきます。 この記事の内容は真空管アンプの正しい修理方法などでは全くなく、知識のない素人が壊れたアンプを勝手にいじってなんとかしましたということを書いてあります。 そういう冒険譚として読んでいただければ幸いです。 追記以上  以下本文 6年ほど使っているLaney CUB12Rという小型の真空管アンプから出る音にノイズがの

          真空管ギターアンプ パワー管の交換

          機材紹介 YAMAHA SB1200S

          新しいベースを買った。 YAMAHAのSB1200S 音が良い。4弦を弾いたときにドンと響く感じは、手持ちのFUJIGEN製プレシジョンベースにはない。それからハイポジションの高音がきれい。カーンと鳴り響く感じが好みだった。 試奏の後で「スルーネックは材の硬さや楽器自体の重さの所為でドンシャリ傾向にある」という噂を聞いたが、確かにそうかもしれない。 広いナット幅(42〜43mm)やネックの厚みからしてずっしり感はある。 あとは肘の触れる側のウイングがぷっくり膨らんだ形状をして

          機材紹介 YAMAHA SB1200S

          ある種の人間は楽器屋を巣立ちリサイクルショップへ向かう

          いつからか普通の楽器屋さんよりもリサイクルショップで楽器を見る方が楽しくなってきている自分に気づいた。それがなぜなのか、考えてみれば納得であった。 誰かの手放した楽器には調整・修理が不可欠 一般的に、楽器は人が自らの体で弾くものであるがために、また表現のための道具であるがために、個人に合わせた調整が大なり小なり必要とされる。 とりわけ中古楽器は、元の持ち主が手放した時点で何処かしらコンディションを崩している。その持ち主好みの調整がなされていることも理由としてはあるが、そも

          ある種の人間は楽器屋を巣立ちリサイクルショップへ向かう

          ロックバンドのライブがつまらない

          先日、好きなロックバンドのライブに行った。 今をときめくバンドだ。私が好きな音楽は、私が好きになったときには既にそれを作ったバンドが解散、あるいは下手するとミュージシャンが亡くなった後であることが多いので、今を全盛期として活動しているミュージシャンの音楽は、プレイリストの中に多くない。 この度は貴重な”今の音楽”が聴きたくて、珍しくライブに足を運んだ。 若かった頃と比べて、私はあまりロックバンドのライブに足を運ばなくなった。それはロックバンドの音楽が、ライブで聴くよりも

          ロックバンドのライブがつまらない

          エレキギターと音の良し悪し

          エレキギターなんて見た目が違うだけでどれを使っても同じ音がするだろうと思っていた時期が僕にもありました。 しかし今では、「良い音」と「良くない音」を隔てる要因は、ギター本体にも少なからず存在すると思っています。 ギターを始めてから数年間くらいは、エレキギターのことを手の動きを電気信号に変換する道具くらいにしか捉えていなかった。音色の良し悪しに関与しない、パソコンで例えるならキーボードやマウスと同様、単なるインターフェース。それが私のエレキギターに対する解釈だった。 従ってエ

          エレキギターと音の良し悪し

          思い出と音楽

          思い出のない音楽はないと思う。 聴覚情報というものに、頭の中の何処かにしまい込まれた感覚を呼び起こす作用がある限り、音楽にノスタルジーはつき物だからだ。 これは聴覚に限ったことではないと思う。絵画や文章、季節の花の匂い、あるいは誰かの作った食べ物の味。それらの知覚情報は独特な感覚を私の頭に去来させる。その感覚の快・不快が、その知覚情報を与える刺激の好き・嫌いを区別する。 感動を覚えない曲であったとしても、その中の何処かに、今まで聴いてきた何かしらの音楽との共通点があり、そ

          思い出と音楽

          GARNET CROWは秋に聴きたくなる

          子供の頃、よくテレビでアニメを観ていた。その頃の夕方から夜にかけての時間は、民報のアニメ作品が豊富だった。特に犬夜叉からの名探偵コナンにかけての1時間は、おっさんになった今でも思い出深いものがある。 というのも、この間立ち寄ったスーパー銭湯の湯船の前に大きめのテレビがあり、犬夜叉の続編(半妖の夜叉姫)が放送されていたのをたまたま観た。 懐かしい気持ちとともに、子供向けのアニメの幼稚さに少し恥ずかしさも感じた。 犬夜叉が終わるとこのまま名探偵コナンが始まり、相変わらず麻酔銃

          GARNET CROWは秋に聴きたくなる