ワニスキー

サメさんが好きです。でもワニさんがもっと好きです。

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最近の記事

ありがとう、東京国際映画祭2024

6日に閉幕した第37回東京国際映画祭、会期が家族の用事と重なったので、わたしが観られたのは4本。そのどれもティーチインがつかない上映だったので、映画祭体験としては寂しいものになってしまった。ただし、映画鑑賞体験としては極上だった。個人的な年間ベストに入れたい作品が2本も見つかってほくほく。 それと客席が心地よかった。エンドロールでスマホを光らせる人が(少なくともわたしの周りには)皆無。いつも、それやるぐらいなら出て行ってくれたらいいのになと思っていて、今回その棲み分けができ

    • グレープフルーツゼリーの迫真

      トークイベントに行って、会場の書店のドアを開けるなり、店主さんより早く「イベント(を観覧する人)ですか?」と、その日のゲストさんから朗らかに声をかけられ、展示や物販を案内されて10月の夜だというのに汗が止まらなくなった。気さくな人ってほんと気さくだ。 ライターの朝山実さんがノンフィクションの書き手に話を聞く「インタビュー田原町」シリーズ、キッチンミノルさんの回に行ってきた。わたしはどこかから注文を受けて何字×何行の原稿を物するライターなので、このシリーズに登場するライターさ

      • 父の遺書がちょっと多い

        いま、リビングのテーブルに父の遺書がある。リモコンや新聞やダイレクトメールでごちゃごちゃしているところに遺書もある。普通、遺書はそういうところに置きっぱなしにされないと思う。ちょっとすまないとはわたしも思っている。 「この遺書、あんた読んだ? 持って帰って読んだら」 「この遺書は多分まだやったかも。じゃあ、うん、持って帰るわ」 先月、出張のついでで帰省したとき、母とこんなやりとりをして、遺書はここにやってくることになった。 そうなのだ。父からわたしたち宛ての遺書は何バージ

        • Still Love Him

          「柳井さんへの気持ちは今も続いているんですか?」 この質問、まるで別れた人に恋情がまだあるかどうか聞いているみたいで、ちょっと笑った。むろん、本当はそういう話では全然ない。「柳井さん」とは、ユニクロの柳井正会長のことだ。質問は、ルポライターの横田増生さんに、ライター/編集者の朝山実さんが話を聞く公開インタビューの一幕。 横田さんはアマゾン、ユニクロ、「トランプ信者」などへの潜入取材で名をはせた人だ。ユニクロは取材を終えて本が出て(『ユニクロ帝国の光と影』『ユニクロ潜入一年

          コツボとシッポ

          昨日は新宿西口の京王百貨店でやっていた「ドールハウス展」へ行ってきた。7階の催事場を「鉄道フェスティバル」と分け合って使っていて、なかなかの活気。ハリーポッターっぽい世界感(世界観は誤用なんだっけね)もあれば、三丁目の夕日っぽいのもあったり、コンビニやスーパーで買える食品パッケージの精緻なミニチュアもあったりで見飽きない。 主催者や出展者にはいささか恐縮ながら、わたしは数万円から数十万円するドールハウスを買うつもりはなくて、本棚にちまちま飾れるような小さいものたちをちょこち

          コツボとシッポ

          「光る君へ」を聞きかじる

          大河ドラマ「光る君へ」(作・大石静)にはまってからというもの、滋賀や京都を旅行したり、関連のトークショーや講座を見つけてはあちこち出かけたりするようになった。主催者も登壇者もテーマもいろいろだけど、だいたい最初に皆さん「平安文学なんて、ずっと日の当たらない研究だったのに、まさか大河のおかげでこんなことに」とおっしゃる。ずっと紫式部や清少納言を愛していた人だけが味わえる感慨。それを見てインスタントに感動するわたし。 三田村雅子「紫式部と清少納言」 一番最近行ったのは、国文学

          「光る君へ」を聞きかじる

          藤原定子が亡くなったとか信じられない

          ああ、定子さまがもうこの世にいないなんて。と本気で一瞬思ったけど、よく考えたら、わたしが生まれたときには彼女もう死んでた。 大河ドラマ「光る君へ」(作・大石静)、第28回ではついに、定子さま(高畑充希)が身罷られた。わたしはこのドラマ以前は『枕草子』が好きで清少納言が好きで、したがって定子も好き、というフローで定子を好きだったのだが、本作を見続けるうちに、気がつくと定子の限界ヲタクになっていた(ヲタクを名乗れるほど詳しくないのに)。 高畑定子の表現が本当に細やかで、例えば

          藤原定子が亡くなったとか信じられない

          6月の佐倉、自由旅

          最近は、自宅からある程度遠い場所で仕事や気になるイベントがあるとき、よさげなホテルが近くにあれば旅行にしてしまう。今回は、DIC川村記念美術館でやっているカール・アンドレを見たくなり、佐倉旅行を計画してみた。行ってみてわかったけど、梅雨入り目前のよく晴れた日、つまり6月初旬とかに空が広めの街へ行くのは、めちゃくちゃいい。 佐倉の宿泊施設でこれと思ったのが古民家の一棟貸しで、7~8人泊まれるサイズだった。金額的にも寂しさ的にも、さすがに一人では泊まれない。寝室が3つあるから友

          6月の佐倉、自由旅

          1時間だけデザフェスの空気を吸ってきた

          また2週間ぐらい前の話になるけど、「デザインフェスタvol.59」(2024年5月18日~19日、東京ビッグサイト)に行ってきた。会場に着いたのが16:30ぐらいで、屋内なのに会場には夕方っぽさがちゃんと漂っていた。出店(出展)している人も見に来た人も“あー、よく頑張った”“そろそろ帰ろうかね”のムード。それぐらいがしかし、わたしには心地よくて、会場のごく一部を駆け足で回ったに過ぎないけど、楽しかった。 1年前と同じように、購入できたものをキャッキャ自慢する。 そういえば

          1時間だけデザフェスの空気を吸ってきた

          『正義の行方』を観たり聴いたり読んだりした

          ライターの朝山実さんの「インタビュー田原町」シリーズを毎回楽しませてもらっている。銀座線・田原町駅の近くにある書店「Readin' Writin' BOOKSTORE」を会場に、朝山さんがノンフィクションの書き手に公開インタビューする企画。月1回ペースで各2時間(休憩あり)。生配信やnote記事もあるので、現地に行ったり、配信を見たり、記事だけ読んだり、自分の都合や興味に合わせて濃淡つけつつ追っていける。 取材する人のことを取材する、その様子をじかに見られるって、ライターに

          『正義の行方』を観たり聴いたり読んだりした

          約35年ぶりに「まんがで読む枕草子」

          80年代の終わりにNHKで放送していた「まんがで読む枕草子」という20分番組を子どもの頃、欠かさず見ていた。わたしの平安時代好き、清少納言好きは、これで始まって、氷室冴子「ざ・ちぇんじ!」「なんて素敵にジャパネスク」で決定的になったので、今でも思い入れがすごくある。 大河ドラマ「光る君へ」で今また平安熱がぶり返してきて、こうなったらNHKに掛け合って映画館で「まんがで読む枕草子」上映ナイトができないかしらと妄想していたところ、なんと今、NHKオンデマンドで配信しているのだっ

          約35年ぶりに「まんがで読む枕草子」

          ネクタイ買って熱が出たひと

          ゴールデンウィークは後半に帰省した。近所の魚屋さんでお刺身を何パックも買ってきて手巻きずし大会を開催したり、母の引っ越しに備えて家具を見に行ったり、平穏な連休。 家具屋の帰りは、急行にあえて乗らずに鈍行にして、三人並んで座った。家に着いてから、実は三人とも車中ずっと向かいに座っていたおばあさんのことが気になっていたのが分かった。母が「すらっとして姿勢もよくてきれいな人やったよねえ」と言い、わたしは「いまどき、本を読んでるのがいいやんね。『豊臣秀長』やったわ。あの日焼けの感じ

          ネクタイ買って熱が出たひと

          京都「光る君へ」旅

          大河ドラマ「光る君へ」にすっかりハマっているもんだから、学生さんが開いた“紫式部と和歌”がテーマのワークショップにまで押しかけてしまった。新歓イベントを兼ねた企画だったのに、よくもそんな迷惑行為を。 まあでも、自分が学生の頃、サークルの活動で全国大会に行くと(全国大会にはエントリーすると予選なしに出場できた。競技人口が少ないため。だから「出ると」というより「行くと」の感覚)知らない中高年の方々も応援してくれたりして、それに対してわたしたちは「ああどうも」というフラットな気持

          京都「光る君へ」旅

          何も何も小さきものは

          清少納言は「雛の調度」などを「うつくしきもの」に挙げ、「何も何も、小さきものは、みなうつくし」と書いている。まったく本当にその通りだと思う。 小さきものがここ数年ますます好きだ。生活雑貨や食べ物など日常よく目にするものがリアルなフィギュアになっているタイプに目がなくて、いくつか自室の本棚に飾っている。最近は地震が多いけど、小さいから倒れたり転げたりしない。『犬ヶ島』のフィギュアだけは安定性に問題を抱えていて、彼らは震度3でも倒れる。 今日は映画を観がてら吉祥寺パルコの4階

          何も何も小さきものは

          大河ドラマ「光る君へ」のファンミに応募した人みんなにNHKからメールが配信されてきて、中身は【会場に来られなかった皆様へ】4人それぞれ一言ずつのメッセージだった。8倍の応募なら7/8が当選しなかったわけだもんね。意気だなあ。

          大河ドラマ「光る君へ」のファンミに応募した人みんなにNHKからメールが配信されてきて、中身は【会場に来られなかった皆様へ】4人それぞれ一言ずつのメッセージだった。8倍の応募なら7/8が当選しなかったわけだもんね。意気だなあ。

          3月の仙台は人人人

          仕事で仙台に行くことになり、後泊が許されたので、ちょっとのんびりしてきた。正確には、のんびりしようとした。東京から行ったわたしたちでも驚く人出で、そうのんびりとはできなかったのだ。でも、楽しかった。仙台は人生で2度目だけど、地元の人もひょっとすると知らないかもしれない名所・名店を見つけてしまった気がする。隣町の多賀城のスポットも含めて(長文を読みたくない人は見出しがそのまま、おすすめスポットなのでご参考までに)。 おでんと酒 つみれや 仕事を終えて仙台駅まで戻ると18時過

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