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90年代の音楽好きが2021年のバンドを聴く、その4(Black Midi)

2日間noteの執筆をお休みしていましたが、今日からポツポツ復帰します。今回は一昨年、鮮烈なアルバムでデビューしたBlack Midiの新譜『Cavalcade』を取り上げます。それでは早速レビューさせて頂きます。

イギリスの期待の新星Black Midiが、本年、Rough Trade Recordsよりリリースした2ndアルバム『Cavalcade』。1曲目『John L』の目が覚める様なドラムの音で、幕を開けるこのアルバム。この曲は、まるで『Discipline』の頃のKing Crimsonの様な緊張感に、度肝を抜かれる。シリアス一辺倒では無く、何処かしらユーモアが感じられるのが、このバンドの特徴だろうか。2曲目『Marlene Dietrich』は嵐の様な1曲目と変わってムーディーな弾き語りの様な優しい曲だ。バンドの牧歌的な側面が出たナンバーである。3曲目『Chondromalacia Patella』は鋭いギターのリフで始まり、途中初期のBoredomsの様な展開も見せる、バンドの音楽的器の大きさを感じるナンバー。独特なリズム感が印象的だ。4曲目『Slow』は音の迷宮と言う言葉がぴったりと来る、色々な音楽の要素が緊張感を伴って放たれる1曲。5曲目『Diamond Stuff』はアコースティックな響きのギターから始まる幽玄なオープニングが印象的、徐々に色々な楽器が入って来て、終盤近くにジャム・セッションの様な盛り上がりを見せるインストゥルメンタルのナンバー。6曲目『Dethroned』はギターのカッティングが小気味良い、彼らからした普通の構成の楽曲だが、中盤からトリッキーな展開を見せる。7曲目『Hogwash and Balderdash』は、音の質感が珍しい楽器を使って、約2分30秒疾走するロック的ナンバー。アルバム、ラストに当たる8曲目の『Ascending Forth』はアコースティックなギターとボーカルのみによる弾き語りと言っていいサウンドで始まる、曲の終盤近くまで、その演奏が続き、ラスト色々な音が重なり曲はエンディングに向かう。トータル・タイム、約42分19秒の、聴くと言うよりは体感すべき音楽が、ここにある。音楽好きなら、ここにある音楽に触れないと勿体無いだろう。聴き込めば聴き込む程、新たなる発見がありそうな、本年度の間違いない重要作、傑作である。是非多くの方に聴いて欲しい。刺激的な1枚である。

以上Black Midiの『Cavalcade』の紹介でした。次回取り上げるアーティストは未定です。よろしくお願いします!

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#ポスト・パンク
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