NASのドライブ選択について考えてみる
最近、NAS用にできそうなドライブを揃えることができたので、NASへの増設を検討しているのですが、ふとオーバースペックになっていないかと思い、考えてみたことをまとめます。
考えてみるきっかけ
サーバーダウン後のハードウエア構成を変更したことによって、同容量のHDDとSSDを揃える事ができました。NASに転用しようと考えたのですが、SSDの速度がNASに必要なのかという思いが湧きました。
よく見かけるNASストレージの高速化
よく見かけるNASストレージの高速化ですが、ちょっと憧れます。
(SATA SSDだったり、NVMe M.2だったりと)
自分の運用に即してみると、そこまで高速化が必要なのかとも思います。
大容量ファイルの移動は、稀です。メディアファイルの再生等も特に途切れることもなく、読出してくれています。生成AIで画像を保存する時は、ちょっと時間(といっても数十秒)が掛かりますが、許容できる範囲です。
YouTuberのように動画ファイルを頻繁に転送するといった場合は、高速化というのは、作業効率といった観点から必要かもしれませんが。
現状のNAS速度にそこまで不満がないのも事実ですが、いくつか高速化しても恩恵が受けられないかもと考えたからです。
NAS高速化の恩恵を受けるためには
NAS高速化の恩恵を受けるためには、いくつか要素があると思います。
その要素について考えてみます。
ネットワーク環境
最初に思いついたのは、これです。そして、最大の理由になると思います。
ストレージを高速化しても、ネットワーク環境がこれに対応していないと、その恩恵を受けられないのです。
例えば、SATA SSDやNVMe SSDに換装した場合、ストレージ性能を発揮するため単純に求められるネットワーク環境は、
SATA HDD
ストレージ性能 : 約150MB/s = 必要ネットワーク環境 : 約1Gbps
SATA SSD
ストレージ性能 : 約500MB/s = 必要ネットワーク環境 : 約4Gbps
NVMe M.2 SSD
ストレージ性能 : 約1000MB/s = 必要ネットワーク環境 : 約8Gbps
ネットワーク環境は、全ての機器 (ルーター、ハブ、PC、NAS)で対応している必要があり、機器を接続するLANケーブルも対応する必要があります。
(Wi-Fiも同様です)
どれかが欠けてもその性能を享受することは、できません。
自身の環境も1Gbpsネットワークカードを使用したりしていますので、アップグレードしたところで、性能を享受することは、できません。
特に型落ちPCでNASに転用している場合、ネットワークカードをより性能が良いものに変更しない限り、ストレージのアップグレードによる性能向上は、難しいかもしれません。
NASのキャッシュメモリー
もう一点、注目したいところは、NASのキャッシュメモリーです。
これがあるかないかでも、NASをより快適に使用できるかがキーになるような気がします。
True NASを使用している自身の環境では、メモリーを増設しています。
この増設したメモリーは、何に使用されているか調べるとキャッシュで使用されています。
HDDでのNAS構成でも、キャッシュがあると、よく使用するファイル類は、キャッシュに保存され、読出速度に違いが出てきます。
市販されているNAS機器は、こうしたメモリーが少なく、そのメモリーの多くは、NASソフトを動作させるのに使用されると思います。そうなると、読出は、都度、保存してあるHDDへアクセスすることになりますので、必然的に遅さを感じることになるのかなと思います。
まとめ
SSDの増設は、速度が速くなったことを体感できないかもしれないということで、一旦、保留にすることにしました。メモリーを積んでいない状況であれば、選択にもなりえたかもしれませんが、現状のストレージ状況からも、急ぐ必要がありません。(まだまだ、空き容量がある)
特にネットワーク環境を高速化しなければ、意味があまりないということがはっきりしたので、しばらくは、HDD構成で運用していこうかと。
高速ストレージのNASは、ロマンあるのですが…。