手術は手と目と少しの頭で遂行される

全身麻酔のオペでは、術中に音楽を聴いたり、術者が会話している事もしばしばある。

しかし、局所麻酔では患者さんが聴いているので関係のない会話はNGだ。
患者さんからすれば、手術中に会話をされると、自分の手術が適当になるのではと不安になるのもわかる。

そこで今回は、手術のパフォーマンスは、会話する事によって落ちるのかについてお話しする。
あくまで個人の意見である。

私は高熱が出ていても、コロナの時以外は必ず出勤して予定のオペを行ってきた。

そんな時、頭はボーッとして体はダルくても、自分でも驚くほど指先は正確に動く。

目はルーペで3倍に拡大しているので問題ない。

頭(思考や判断)に関しては、何百何千回という反復の結果、手術中に頭を使う事はほとんどなく、パターンに対応して体が反応して動いている。

ということで、手術はほとんどが体が勝手に反応している状態に近く、皆さんが車を運転しながら助手席と話しても事故らないのと同じで、会話はパフォーマンスに影響しない。

私にとって、ただ一つ手術のパフォーマンスに影響を与えるものは、
「同日の筋トレ」だ。

筋トレ後は針を刺すときに手が震えるので、縫うのにやや手こずる時もある。
縫い上がりには差はないが時間がわずかにおそくなる。

ちなみに、手術前に患者さんやご家族に金一封を頂くこともあるが、すべての手術において必ずベストを尽くしてるので、贈り物があろうとなかろうと手術のパフォーマンスは変わらないのである。


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