苦労は買ってでもしろの昭和世代

私が研修医時代は、年休1日(労基の指導で無理やり有給申請したが、実際は出勤してサマリを書いた1日)、時給は換算すると500円台でした。

大学病院からの給与は14万円で手取りはもっと低くバイトもない状態。
看護師の初任給は35万円なのに、なぜか研修医が奢る謎のパターン。

昼飯はトイレに籠ってオレンジジュース一気飲みで、すぐに次のオペの搬入。

パワハラされて、ロッカーに帰って悔し泣きすることもありました。

それでも私たち研修医は最後まで病棟に残り、「前向き!」の合言葉で、お互いを助け合い、疲労と眠気の中で、笑いながら乗り越えました。

形成外科に入ったら、毎週のカンファでのプレゼンでしごきにあうので、そのための準備勉強。
その他に英語論文の輪読会、英会話、夜中からの再建オペ介助をこなしつつ、土日は安い寝当直へ。
道中赤信号で停まる度に意識を失ってました。

こうやって一見無駄にツラい思いをさせられてるのですが、この経験で、基礎となる知識と技術が身に付き、諦めない心が養われました。

乗り越えた自信は成功体験となり、アイデンティティの形成に役立っています。

経験したことがある昭和世代はそう思ってる人が多いと思います。

これからの世代が、このようなパワハラや過酷な労働に合わない方がいいとも思いますが、それと引き換えに、得られたはずのものが得られなくなるデメリットもあると思うから、いまだに私のような昭和タイプが、若者をみて、「苦労は買ってでもしろ」と言いたくなるのでしょう。

どうでも良ければ何も言わないのでしょうが、世代は違っても同じ日本人として誇りをもって、強くあって欲しいのです。


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