ゲストが来なくなった宿ー女将日記🖋ー
昨年9月にゆるっとオープンし、様々な地域・年齢層のゲストと【119泊分の思い出】を共にしてきた民泊。
3月の予約は14名分キャンセル、4月からはクローズということで、こちらから予約のゲストさんへごめんなさいの連絡を入れました。
(2部屋しかない2階建の古民家なので、14名分はかなりのボリュームです…)
女将自体は、フリーランスとして、PCカタカタの仕事に本腰を入れて、民泊は完全にそのための「仕事場」と化しました。
在宅型の民泊といえども、オープン中は予約が入れば、
広々寝室や景色の良い部屋はゲストにゆったり使ってほしいので、女将は居間か玄関近くの日の入らない部屋に引っ込んでいました。
キッチンは、自分の使いたい時間にゲストが使っていたら、もちろん順番を待ちますし、お風呂も然り。
でも、
この1ヶ月は、ぜーんぶひとり占め!!
予約は数ヶ月先まで入っていたので、
こんな事態にでもならなければ、ひとり占めなんてありえない話で、
私は、この民泊(の建物)の素晴らしさを本当の意味で堪能できないまま、一生を終えるはずでした。(一生は大袈裟かも)
篭っている気にさせない立地
宿の最大の魅力として、ゲストにもはずれなく好評だった「川を見下ろすラウンジ」。
下流の方から日が昇り、上流の方へ沈んでいく。24時間、川のせせらぎと虫の声が絶えず聞こえて、時々水遊びをする子どもの笑い声も。
流れの向こうを見上げると、山々が、日に日に桜色から新緑の青に変化していきます。
夜は、水面に踊る月影をいつまでも眺めていられるし、風呂上がりの火照った顔を涼しい風が冷ましてくれる。
お酒の好きな方は、たまらないでしょうね。
…と、こんな場所で一日中仕事ができるわけです。
窓を開け放していれば、外も同然。公園の東屋でPCを広げている感覚。
(ここで好きな音楽を聴いて、コーヒーを落として…)
「これは…一泊の観光のための滞在では、もったいないなぁ。。」
最近はこんなことを思うようになりました。
その感動をシェアできない淋しさ
とはいえ、
「良いものはみんなにも伝えたい!」
という欲がむくむくと湧いてくるのは女将の性。
宿の中で、
「この時間のこの窓から差し込む朝日は、最高だなぁ…」
とか感じたときに、やはり淋しい…というか、もったいないと思ってしまいます。
もともと、建物の造りからして、大人数はお泊めできないので、
・1ヶ月くらい田舎暮らししてみたい
・のんびり自然に癒されたい
・誰も知り合いと会わずに、じっくり自分と向き合いたい
なんて方を、半分家族のようにお迎えすることはやってみたいですね。
宿のゲストは、自分が友達の友達をたどっていっても、到底出会えないような方ばかり。その会話の中には、いつも新しい発見があったし、あまり近い仲ではないからこそ相談できることもありました。
多くの人が、新しい世界のあり方を思い描いている今だから、そんなゲストとの会話を楽しみたいなぁ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?