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現代4コマ振り返り・作品セルフ解説(8/3〜8/13)

現代4コマオールスター展2024が終わってから10日が経った。
あの鮮烈な体験に大きな衝撃を受けて始めたこのアカウントも、モチベーションを落とす事なく無事に続けることが出来た。

そんなわけで、作品数もある程度溜まってきたので、備忘録とある種の区切りのために作品の纏めと簡単な解説を行いたい。

AS展の記事がいとととさんから結構高い評価されて調子乗ってる訳じゃねーからな!そんなんじゃねーし!

8/3 「頭ゆるゆる4コマ」


「頭ゆるゆるインターネット」はサイトの方だけどね

処女作。いきなり攻めたことをやる度胸は無かったので、分かりやすく、かつ元々興味があったパロディで作った一作。

元々オモコロが好きだから作った作品だが、現代4コマアカウントで行われたアンケートによると現代4コマ投稿者にはオモコロリスナー(オモカス)がやや多いらしいので、結果的にその層に伝わりやすい作品になったのではないだろうか。

「現4パロ」、せっかく概念を提唱したしもっと作っていきたい。

8/4 「Never コマ give you up」

センシティブ判定のせいでリンク先がプレビューされない

https://x.com/4_masayan/status/1820083091593101572

We're no strangers to love〜(見た目の割に声低い)

2作目。2作連続パロディなのはまあ良いとして、これ、2作目にやる事か?
元ネタは「リックロール(rick roll)」と呼ばれる海外の釣り動画に使われがちなリック・アストリーの楽曲MV。多分調べれば海外ミーム解説系の人たちの解説動画が出てくるだろう。

わりとこの手の「釣りでした〜」のやつが好きだから一度やってみたかったし、そのために偽タイトルをめちゃくちゃ胡散臭くした。
タイトルのしょうもないダジャレも個人的に気に入ってる。

8/5 「いただきます」


どうぞ召し上がれ

3作目。んぷとらさんの「現4お題」に参加させて頂いた。

どうせ他の参加者(とくに昔からいる方々)は色々ふざけてくるだろう、と予想して、思いっきり正統派で攻めた一作。お題を見てわりとすぐ浮かんだアイディアではあるが、こう見ると結構形になっている。

机との境界を表す線を書くかとか、せめて皿は書くべきかとか、どこまで表現を削るかで結構悩んだが、最終的に「割り箸と手」だけに落ち着いた。

投稿した後「シンプルすぎないかな…」と結構気にしていたので、雀100さんから高い評価をされてかなり安堵したのをよく覚えている。

8/6 「ポータルを通過したせいで4コマのようになってしまった、長い2コマ」


The 4 koma is a lie.

記念すべき4作目。正統派・古典的な作品を一度作ってみたかった。

シンプル故に説明するべき場所が少ない。ちなみに、このポータルはゲーム「Portal」に登場するもの。

8/7 「カツオの刺身美味しい」


物撮りが下手だからあまり飯テロにならない

トウソクジンさんの迷作にして、現4AS展でも物議をかもした(?)作品である「サーモン美味しい」のごとく、四枚並べられたカツオの刺身。

旬の時期だから脂が乗っていて美味い。カツオといえば叩きのイメージがあるが、個人的には刺身の方が旨みが凝縮されていて好みだ。

わりと味がしっかりしているので、叩きと同様にポン酢でいただくのがおすすめ。是非一度ご賞味いただきたい。

8/8 「今日(漢数字バージョン)」 ・ 「エチュラクラ現象」


別に八月八日に限らないじゃんこれ

この日は2作投稿。

「今日(漢数字バージョン)」は、んぷとらさんを筆頭とした方々が「8/8」の日付で遊び出したのに乗っかった作品。我ながらシンプルな発想だ。

実は一つだけネタを仕込んでいて、「月」と「日」の灰色で塗られた部分はカラーコード#888888を使っている。


なんという色気

「エチュラクラ現象」は、雀100さんの提唱した概念「現代えっち」に属する作品。

「ハートで隠れている=えっちで見せられない」という刷り込みをシミュラクラ現象に例えた作品だが、同じようなことを誰かが「逆バニー」というタイトルで既にやっていたような気がする。

ちなみに、「現代えっち」は現代4コマと本来無関係らしい。本当か?

8/9 「渋沢たつみの現代4コマ教室」


印刷元データ

7作目にして、結構こだわりを入れて作った自信作。
めちゃくちゃ語りたいことがあるのでここだけ長くなるぞ。

元々コラ画像の類を作るのが趣味なので、過去に趣味で「UNDERTALE ニンテンドーDS版」を作った事があった。

裏面が「いせき」風なの、結構いいデザインじゃない?

で、その時に自作したDSソフトのパッケージデザインをテンプレート化して残していたので、表紙・裏表紙のデザイン以外はそれをそのまま流用した形になる。

DSパッケージ素材、読者の皆さんに特別プレゼント!
CERO表記とかは自分で入れてね

表紙のデザインは「脳を鍛える大人のDSトレーニング」を参考にしていて、赤丸に「4」が配置されたデザインや右下の渋沢たつみの位置はほぼそのまんまだ。
奇しくも顔だけのやつと顔がないやつの対比になっている。
背景にずらりと並んだ純粋4コマは本家がマス目なののオマージュだったりする。

帯の「四角いフレームの奥深く」は彼の著書「劣情を煽る現代4コマ」のキャッチコピーをまんま引用している。

実はこのゲームには「クオリティ不足および当時の現代4コマの知名度の低さのせいで全然売れていない」という裏設定があるのだが、その設定の片鱗はパッケージ裏にも現れている。

渋沢たつみの解説、役に立つかなあ

収録作品数「70作品以上」は微妙に物足りないし、

一番右のツールは「絵文字スタンプ機能」、アイコンはベートベン。
作ろうとしているのは「運命を思い付いた瞬間」

キャンバス機能は微妙に描画ツールが少ないし、

DSソフトに搭載できる程度の、しかも2008年のAIなんて、絶対高性能なわけがない

三段階評価はどれも基準と表現が曖昧だし、

実は右の画面、ちゃんと本家DSと同じ解像度で作っている

ナビゲーターのうち2人(コマ人間、現代四齣)は人語を喋らなそうだ。

実は最初から「当時はまるで売れなかったけど、後年謎の脚光を浴びるソフト」としてデザインしているのだ。その甲斐あってか(?)、自分がこれを遊んでいたかのような謎の幻覚を見る人が多くて嬉しかった。

ちなみに、パッケージデザインのどこかに「隠れ4コマ」を忍ばせている。是非探してみてほしい。

8/10 「ミシン目で切り取れば4コマ」

地味すぎる

駄作、とまでは言いたくないが、正直シンプルすぎる作品。

渋沢DSの制作と雀100さんの 「現代3コマ」を推す記事の執筆で結構疲れてるなか、とりあえず何か搾り出そうとして出した作品。
宣伝:好きな作品語り、ぜひ読んでください。

まあ、あれだ。この作品があんま評価されてないってことは、逆にいうと今までのはちゃんとした作品ということになる。疲れてる時に無理してもしょうがないってことだろう。この反省を次に活かしたい。

8/11 「同時に4本映画が見れてお得」 ・ 「あれっ、何かいい4コマを思い付いてたはずなんだけどな…」


劇場部分はフリー素材だけど、座席が多すぎる気がする

「同時に4本映画が見れてお得」はシンプルかつネタよりの作品を目指して作った。
ちょうど映画館に行く用事(「劇場総集編 ぼっち・ざ・ろっく!Re:Re:」の鑑賞、劇場で初めて泣いた)があったのでそのタイミングで投稿。

んぷとらさんから「同時上映ってそういうことじゃないんよ」と引用が来たり、リタ伯爵さんに「同時照英」にされたりしたが…

実はこれ、「同時上映」をネタにして作った作品ではないのだ。
なんかこう…スクリーンが4つあって、しかも小さかったら面白いかなって。
まあ、結果オーライってやつかな。

ジャジャジャ…この後の音何だっけ?

実話をベースにした作品。実はこれを作る少し前、「それなりに面白そうな4コマのアイディア」を思い付いていたんだが…シャワー浴びたら完全に忘れてしまった。

で、なんか悔しいし作品に昇華。
「運命を思い付いた瞬間」に追随する作品群は「瞬間」の部分を弄りがちなので、逆に「思い付いた」の部分を生かした。

8/12…? 「みんなの投票率を比率にして、『運命を思いついた瞬間』を作ろう!」 → 「最初の音を鳴らしすぎた」

この日は現代4コマの投稿をしていない。
いや、厳密にはしようとして、準備はしていたんだが…

このツイートをしたのが夜遅かったし、投票期間をミスって12時間にしちゃったしで、この日中の投稿は叶わなかった。

カツオで誤魔化してまで続けた連続投稿が途絶えた。まあ別に連続させることが目標だったわけでもないんだけど。

ジャージャジャジャーーン

投票結果をもとに作ったのがこちら。
割と本家に忠実な結果ではあるが、一音目がオリジナルより長くなってしまった。

投票で要素の大きさを決めるタイプの投稿をイラストレーターの方がよくやっているので、それを真似る形で作った実験的作品でもある。次はもっとオリジナル寄りのでやりたいな。

8/13 「キーボードのここ、4コマ」 ・ 「あなたは枠の外にいて、」

こっち見んな

作業中、「これ4コマだな」と気づいたので作った作品。
元々はキーボードの「8」だけで投稿していたのだが、流石に地味すぎるので考え直し「見てここ、4コマ」のパロディとして再作成した。

本当に「気づき」をそのまま投稿した作品なので、これについては語ることが少ない。

最後にこちら、「あなたは枠の外にいて、」

この作品は、鑑賞者に大きく解釈を委ねる形の表現を取っている。

深く語るのは野暮なので控えるが、「枠の外」という言葉、タイトルを読点で終わらせた意味、伸ばした手、逆光のシルエット。どれも意図的に、見方によっては真逆に見えるように作っている。
逆光の中のシルエットがこちらを向いているようにも、背を向けているようにも見えるのは分かりやすいだろうか。

これらの意味を語ることはしないが、「この作品を作った動機」のヒントと言える要素は、後書きに少し書くことにする。それが「正解」だとは言わないし、無論読み飛ばしても構わない。

伸ばしている手の表現が「白黒の上にハーフトーン加工」で、思いっきりなむさんの「指紋が二つ少ない人」の手法をパクっ…引用しているのはナイショだ。

後書き

現代4コマのアカウントを始め、作品を投稿し出してはや10日。
ただの現代4コマファンだった自分も、「現代4コマ作家」の仲間入りをした…と言うには、まだ早い気もするが。とりあえず作家の条件は満たしたと言えるだろう。

そんな自分には、今まで「ただのファン」だった頃には気づかなかった、現代4コマの創作を始めたことで気づけるようになったことがある。

それは、現代4コマ作家一人一人の凄さだ。

さまざまな物から4コマを見出す視野の広さ。一つのものに複数の解釈を見出す着眼点。時にルールをも超えたように見える並外れたアイディア。それらを華々しく演出する表現力。そして、精一杯の力でふざける遊び心。

「才能」とか「天才」とか安っぽい言葉では表せないし、そう表すことは失礼だとすら感じられる一人一人の長所。
私が努力を重ねても、その境地に辿り着くには果てしない時間がかかりそうに感じられるほどの強み。

そういったものが、前よりは見えるようになってきたと自負している。

先立ちである創作者の方々にはまだ遠く及ばないと思っているし、活動を続けてもその感覚は消えないかもしれないが。

私も何か、そういった強みを見つけたいと思わされた、最初の10日間だった。


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