動植事典(増補) 1
ヤミ【やみ】
古来、真っ黒で大きな鼬の姿で描かれることが多いヤミだが、もちろんその正確な姿は誰にもわからない。光を食う(掃除機が塵を吸い込むように食うというが、これも通説にすぎない)ヤミの輪郭を光学的に捉えることは不可能だ。
ヤミの姿で唯一はっきり視認できるのは肛門(あるいはそれに似た排泄器官)である。ヤミは14日と6時間ごとに一度、排泄をする。これは一見その輝きから無数のカットが施されたダイヤモンドのように見えるが、表面は滑らかで完全な球体をしている。直径3〜5㎝ほどのそれ