'Tain't Nobody's Business
コロナ療養中のホテルのオンデマンドTVで、
映画 「ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ」を見ました。
映画のレビューは専門の方にお任せするとして、その中で印象的だったのはこの曲です。
ビリーホリディさんが歌っていたことを知りませんでした。
1920年代の曲。
ジャンルで分けるなら、ジャズというよりブルースでしょうか。
冒頭の歌詞は以下の通り。
There ain't nothin' I can do or nothin' I can say, That folks don't criticize me
But I'm going to do just as I want to anyway, and don't care if they all despise me
「非難されてもできることなどないけど、やりたいようにやる!」
という強い意思表示にも見えますし、見方を変えれば、
「仕方ない、まあ、いいか」という諦めとも解釈できると思います。
100年前も今も悩みの本質とは、そう変わらないものですね。
最初にこの曲を聴いたのは、約30年前、エリック・クラプトンさんがブルースアルバムを完成させた後のツアーでした。
ピアノのみをバックに朗々と歌い上げ、フルコーラス歌い終わると、ステージを踵で3回大きくキックしてのカウントでバンドを呼び込み。
そのまま火を吹くようなギターソロでこの曲のラスト、そしてライブのラストを大いに盛り上げました。
アルバムにない曲だったので、自分で調べ、ベッシースミスさんの歌唱が有名とわかり、CDを買いました。
この曲と、クラプトン氏がアンプラグドでとりあげたNobody Knows You ばかり聴いていたような気がします。
クラプトンさんの話が続きます。
同時期に某飲み屋で偶然居合わせたシンガーさんが、ご自身がUKにレコーディングに行った時のことを私に語ってくれました。
・スタジオのドアあけたまま演奏してるやつがいたから文句言いにいったらクラプトンだったので言えなかった。
・クラプトン氏は毎朝9:00頃自分で車を運転してスタジオにやってくる。
・セッティングが終わると、同じブルースの短いフレーズをひたすらくり返す。
・1時間くらい経つと、別の短いフレーズに変わり、またひたすら繰り返す。
・これを1日続け、17:00頃になると帰る。
・その姿はまるで勤勉な公務員のようだった。
・それを約1ヶ月繰り返してやっとレコーディングを始めた。
真偽のほどは不明ですが、その方が私にそう語ったことについては、正しい記憶と思っています。
だいぶ話がそれました。
すみません。ビリーホリデイさん。
ビリーホリデイさんの唄うブルース。
是非お聴きください。