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本当の友達って何だろう

先日、息子たちが課外活動しているところにたまたま出くわした。

授業参観や運動会とはまた違った日常の学校生活を垣間見て、

「そうかぁいつもこんな感じなのね。楽しそうで何より。」

と思ってしばし眺めていた。

息子は大好きなお友達と連れだって、あっちいきこっちいきしながらニコニコしている。

うれしそう。楽しそう。

眺める中で、大好きなお友達の○○くんが一緒に行動してくれているから成り立っているアレやこれやが多いのだろうと想像し、心のなかで「○○くん、いつもほんとありがとう」と手を合わせる。

そうして、息子氏も○○くんに何かを返せているといいなと願う。

助けられるばかりでなく、別の形ででも、何かを返せているといいな、と。


ダウン症に限らず、こどもの成長に心配事を抱えている親御さんは、支援校にするか、支援級にするか、普通級にするか、、、、小学校にあがる際の選択に頭を悩ませる方が多いと思う。

私もダウン症のある長男の就学にあたってはずいぶん悩み、いろいろな不安ごとについて考えた。

考えたいろいろのひとつに、「本当の友達」のことがある。

幼稚園のお友達だってもちろん「本当の友達」ではあったんだけれど、なんというか、幼稚園~小学校低学年くらいまでの「みんな友達。わぁわぁきゃあきゃあ」という関係は、小学校に入って学年が上がってくると変わるんだろうというのが気がかりなのだった。

ある程度学年が上がると、気の合う「本当の友達」同士でグループができてくる感じになるはずで、そうなった時、うちの長男氏はどこかのグループの成員になって、対等な立場の「本当の友達」ができたりするのだろうか、と疑問に思ったのだ。

たとえば普通級に入れて、彼が「対等」に扱ってもらえるのだろうか、と。どうしたって周りより一段どころか三段くらいできないことが多くなる。そうすると助けてもらう立場が定位置になるのではないだろうか。そんな相手を私なら「対等」の友達としては扱えない気がする、と。

ダウン症のある子供は周りのことを本当によく見ていて、マネがとても得意だと言われている。だから、よい見本の中に入れてあげることが一番の成長の鍵なんだと長男0歳の頃からことあるごとに専門医に言われてきた。そのため、子供の成長を考えて普通級を希望するダウン症の親御さんは多い。我が家もそうだった。でも、普通級を希望しながらも、普通級という選択は長男から「本当の友達」を作るチャンスを奪うことになるんじゃないか、と恐れてもいた。支援級や支援校の方が「本当の友達」ができる可能性があるんじゃないか。

でも「本当の友達」って何だろう。

今も正解はわからない。

あれから10年余り、就学前のアレやこれや色々を経て、いろいろなタイプがいる普通級に所属している現在、五年生になった長男氏は無事グループの成員になり、毎日そのグループの仲間たちと休み時間に遊ぶことを楽しみに学校に行っている。(私が)夢見ていた「息子に本当の友達がいる生活」が適っているんじゃないだろうか。

蓋を開けてみれば、数年前に涙を流しながら想像していた未来よりずっといい日常になっている。そのことがただただ、ありがたい。

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