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悪夢を見て恋と知る

 大好きな人が出てくる悪夢を見た。

 どうしてか夢の中のその人はわたしのそばにいて、私の好意を知っているのか猫のように甘えてきて、だけどあるきっかけでその人は自分がとある人物(かつて私が好きだった活動者で、男女関係に問題があると噂されていた)であることを明かし、化けの皮が剥がれたように性欲をあらわにして迫ってくる。私は魔法が解けるみたいに気持ちがスッと冷めて、そういう目で見られていたのか、最初からそういうつもりだったのかと絶望する。そこで目が覚めた。

 泣きながら目を覚ますのは久しぶりで、私がどれだけその人のことを慕って、信用しているのかを思い知らされて苦しくなった。これを恋と言わずして何と言えばいいのか分からなかった。死にたかった。

 こんなにも想って泣いて、かわいそう。私。一分一秒眠っている時までも他人に狂わされて馬鹿みたい。いい夢を見てねといつも口にしているのに、そう伝えている大好きな人が悪夢さえ見せてくる。気持ちの悪い空想を並べて、どうせ救えないし隣に立てることもないと泣く。そんな日々を繰り返している。

 あなたと生きたいなんて言えたらどれほど幸福だろう。そうして手を握って生きることができたらどんなに幸せだろう。

 きっと言える日は来ないけれど、そんなことばかりを考えている。


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