5. 郵便配達おばあちゃん
「ハイカーをもてなすようなお茶屋さんを開こう!」と思い立った動機のひとつに、清水咲栄さんの存在があります。
『雪国 89歳の郵便配達おばあちゃん』
10年以上前に他界されてしまった清水咲栄さんがそのおばあちゃんで、冬の間だけ涌井集落(とその隣の堰口)の郵便配達を請け負っていたそう――というのも、豪雪でどこが誰の家だかわからないうえに渡辺さんだらけの集落だから、表札が見えたとしても新人さんはお手上げなのだとか――雪の斜面をソリで滑りおりる姿は、幾度となくテレビでもとりあげられたようです。
写真の赤い屋根が故・咲栄ばあちゃんのお家。信越トレイルを歩くハイカーから自然と目に入る場所にあり、立ち話をしたり水を補給してあげたりといった交流があったそうで……
「信越トレイルに足りないのは、これだ!」
そう直感した私は、手始めに「トレイルマジック」を仕掛けてみることにしました。
(つづく)
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