【18日目】祝100km超え。辛風 ※コジャイケ〜セロ・カスティージャ
【アウストラル街道単発自転車旅日記⑲】
2024年10月25日 走行日のみ→11日目
天気→曇り・強風 気温→最低2℃ 最高10℃
■コジャイケ〜ビージャ・セロ・カスティージャ
11時20分発〜20時半着
コジャイケでの4日間の休養を経て遂に出発です。今日の目的地は次の大きな街ビージャ・セロカスティージャ。
初の100km超えなので「絶対いくぞ!!」ではなく、「途中で折れたらキャンプしよ…」という感じで出発です。
おい。どうしたんだよ天気
4日間もユックリしていたため、なかなか夜寝付けず今日も寝坊(確信犯だけど)してしまいました。
とりあえず、焦らずゆっくりコーヒーを飲みながら準備をしていると11時過ぎちゃったので急いで出発です。
コジャイケ生活の4日間はギャンギャン晴れて「おいおい天気良すぎだぜやっほーい!!」という感じだったので油断していましたが、外に出るととんでもなく風が吹いてました。
【とんでもなく風が吹いてました。】
つい二回言ってしまいました。
「あ…昨日出発するべきだった…」そんな事を思いつつ、どうすることも出来ないので出発です。
いざ。向かい風。
なんでなんだよ向い風
4日ぶりの荷物を積んだ走行は最初こそ少しゆらゆらとなってしまったけど、すぐに坂道も漕げるようになりました。
「へっへっへ。意外といけるじゃねぇか。出発の遅れを取り戻せそうだぜ。」と気持ち悪い笑みを浮かべて進みます。
しかし、そんな事も続かずどんどん風が強くなってきます。
最初こそ進んでいた自転車がどんどんと進まなくなってきます。
いわゆる、とんでもない逆風というやつが襲いかかってきたんです。
コジャイケに到着した日もなかなかの向かい風で漕ぐのに大変苦労したのですが、今回の風の強さはその比じゃありません。
「パタゴニアは風が強い」と聞きます。それにしても「おいおいおい、こりゃ強すぎだぜ。兄ちゃんよ。」という感じです。
いよいよアウストラル街道の後半に入ってきた証拠なのか、僕がコジャイケでグータラしすぎてしまっていた罰なのか分かりませんが、今日は本気で風に悩まされました。
風が一番大敵かも知れない
「右から風が吹けば」路肩を走ってるにも関わらず右に向かって漕ぎます。
「左から風が吹けば」左側を車がビュンビュン走っているにも関わらず左に向かって漕ぎます。
「正面から風が吹けば」んもうぉぉ。とか気持ち悪い声を出して自転車から降ります。(たまに戦うけどさ…)
「後方から風が吹けば」いやっほー。何これ電動自転車?と思いながら坂を登ります。
まぁ、何がいいたいかというと【今日は四方八方から風が吹きすぎ】でめちゃ辛かった…
70%以上は正面からの向い風でしたが。
そんな走行をする中、思ったことは「自転車乗りにとって風が一番大敵じゃんよ」ということ。
普通に風をずっと浴び続けるというのだけでも体力めっちゃ奪われるし寒いし、そして一番は「下りなのに進まないやんけ…」という絶望ですね。
雨も雨で辛いけどさ。でも、風にあっちこっち振り回される方が個人的に辛い気がします。(程度と状況にもよりますが)
今日は峠が2つあるんですが、その登り坂に加えてフラットの道も大分歩きました。フラットの道でも連続で漕ぎ続けられるのはせいぜい2kmくらいなもんで、ほとんど歩いてしまいました。
もう、今日は「ずーと向い風」が強く吹き荒れていて「俺の身体ぶっ飛ぶんじゃないか?」という感じです。
普通であれば自転車に乗っている道も全く乗れず、後半15km程ずっと歩いてしまったほどです。
というより、何故なのか知りませんけど【乗った瞬間に強風が吹く】のですね。何なのでしょう。あれは。いつも僕が自転車に乗るタイミングで、船出に出る主人公がいるのでしょうか。(男の船出を邪魔する理由がどこにある。とかいうあれです。)はい。
風の感じを察知しながら、「今だ!!」と思って何回もチャレンジして乗ります。でも、ほとんど【ぶはぁっ!!無理やぁぁ!!】となって降りてしまってましたね。
挙げ句の果には下りを立ち漕ぎでめっちゃ漕ぐという分からない事をしてました。
なんとか100km到着
まぁ、そんなこんなで後半は「押し歩きスタイル」で風に向かっていきます。
ちなみ、今日はめっちゃ寒いです。出発時が遅れたのもあり、残り20kmを残し19時を回ってきて焦りました。
もうこの時点でほぼ歩き状態で、4km進むのに1時間掛かっていたのでこのままだと22時回るなーなんて、ぼーっとした頭で考え出します。
幸い、野宿できそうなポイントはいくらでもあったので「これは暗くなる前にキャンプ場所探さねば」と思ったのですが、ある重大なことに気づきます。
「あ、俺のテント1,200円だ。こんな風の中木で風よけとかにしても一瞬でぶっ飛ぶやん…」
これまではわりかし遅くとも20時前には寝床を確保できていたので、急にとてつもなく心細さに支配されました。
まぁ、色々考えた結果「もう、進むしか無いやん…」と開き直るしかな無かったのですが。笑
マリカーみたいな坂道
そんな向い風の中、2個峠を超えたところで急激な坂が現れます。※2個目は峠といえないかも。
ここは、過去アウストラル街道を走行した人のブログにも出てくる超ロングな坂。
通称「マリカー坂」です。※マリカーのルートみたいにクネクネしてるから。
「あぁぁ、助かった。」
と思いながら下っていきます。確かに、15km程坂道が続きそのまま街にイン出来たので助かりました。
でも、その間もとんでもない風が吹いていましたし、なんといっても「寒すぎ」で手が凍るようでとても複雑な坂道でした。
今日はキャンプ予定でしたが、あまりの寒さと向い風による体力消耗で街の入口のホテルにそのまま入りました。(こんな風のなかテントで寝たらぶっとんじまいそうで…)
このnote書いている時も外の風の音がすごいので、この選択は間違っていなかったはずです。
少し最近キャンプしてナすぎて「おい!!甘えんな!!」とか自分に思ってしまいますが、外は4℃で僕の寝袋は5℃用なので仕方ありません。
(風が吹いてなかったらそらやるけどn。)ふかふかベッド最高です。
いい景色が割とぶっ飛ばしてくれる
正直、今日は「終始辛かった」です。
でも、なんですかね。最後の下りに現れたセロ・カスティージョのアンデス達が夕日に照らされてる姿を見た時に思いました。
「あぁ、最高だなおい。」
やっぱり景色が「そこまでの辛さもひっくり返して感動にしてくれる」というものは存在しいているのでしょう。
ということは、辛さが多いと感動が増えるということかも知れません。今日はそんな事を思った一日です。
とりあえず、祝初100km超えです。あざした。
エクセレンテな女性サイクリスト
1つ目の峠の途中、対向車線から女性サイクリストが降りてきました。
必死に向い風の登り坂を自転車を押している僕に近づいてきます。
そして、僕の横に停まりこう言ってきました。「私の鞄を知らない?1時間半前の休憩で落としてしまったの…」
彼女の自転車の前輪を見ると、左側に着いてるはずのバッグがありません。
「ごめん、道中見なかったよ…」
話を聞いてるとどうやら彼女は、僕と同じく今日コジャイケから出発してセロカスティージョを目指していたようです。
「分かった。ありがとう。またセロ・カスティージョで会いましょう。」
彼女はそう言って、1時間以上前に向い風の中登ってきたはずの坂を下っていきます。
僕はそれを見送り、また自転車を押していきました。
(あ、チョコレートでも上げれば良かったかな。)
帰ってきた女性サイクリスト
それから、1時間経ち、2時間経ち、3時間経ち、4時間経った頃。
未だに風は止まず、僕はひたすらに自転車を押し続けながらこう思っていました。
「あの女性サイクリスト、流石にこの風の中鞄を見つけて帰ってくるのは無理だろうな…」
そんな事を思いながら、坂の頂上に辿り着き最後の坂を下っていきます。
すると、坂を半分ほど下ったあと声がしたのです。
「へい!!私鞄見つけたわ!!」
横を見ると彼女がすごいスピードで並走していました。
僕はびっくりして言葉がでません。この向い風の中、また登ってきた精神力にとてつもない精神力を感じ、横を走る彼女が何故か誇らしく感じてしまいました。
それを、伝えようと思ったら彼女はあっという間に僕の横を過ぎて見えなくなってしまいました。
本当のチャリダーはまじですごいです。何がすごいって、精神力がやばいですね。
とりあえず、殴り書きになってしまいましたがこんな一日でした。
プチ情報まとめ
◆コジャイケ〜ビージャセロ・カスティージャ
最初こそ車が多くと気を使うが、道自体はいつも通りのアップダウン。
峠が2個あると言われている。1個目は50km地点から10km弱?2個目は70km地点から不明?
2個目は峠なのか?という感じの道。ずっとゆるい登りは続く。確かに山は2つ超えるっちゃ超えるのかも。
ラストの坂道は急な坂が6km。降りきってからもそのままの勢いで乗り切れるアップダウンが10km弱続く。マリカー坂は最初の急な坂の途中で出現するので写真を取りたいなら止まる必要あり。
後半はキャンプが出来そうな河原や広場や木の中などいろいろあった。
◆ビージャ・セロ・カスティージャ
宿 Residencial y Resutaurante Jnito
15,000ペソ/泊
キッチンなし、ホットシャワーあり、Wi-Fiなし、朝食あり
街について最初に左手に現れる商店の人に聞いたら隣のレストランに宿もしていると紹介してくれた。ホテルという看板はない。
一人部屋なのでそこでガス使って調理はできる。
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