【24日目】やばい景色と、やばい後輪 ※トランキーロ〜プエルトベルトランド
【アウストラル街道単発自転車旅日記㉕】
2024年10月31日 走行日のみ→15日目
天気→晴れ 気温 最低5度 最高18度
■トランキーロ〜プエルト・ベルトランド 67km
9時半〜17時半
3日振りの走行は天候も良くて最高な滑りだしでした。
噂通り後半になるにつれてアウストラル街道の景色がどんどん良くなっていくのを感じたそんな1日です。
(まぁ、良いことばかりではないのですけども…いや、大ピンチの始まりかい…)
最高な走行日和
2日間しっかり休めたので、今日はいつもより早く9時半にキャンプ場を出発です。(そんなに早くないけど)
最初こそ風が強かったですがすぐに止み天気も快晴かつ、「おぉぉ」という程のダートの坂道を登れなかなか快調なスタート。
今日は70km程なので、距離的にも「死ぬほどキツイ」というわけでもなく「めちゃくちゃ楽」という感じでもありません。※大体30km超えると疲労がたまりキツイのです。
まぁ、なんというか僕の「体調に天気に距離」にと全てが良い感じな一日が始まりました。
事前に10km程の登り坂からはじまると聞いていたのですが、なんだか調子が良くて5分の2くらいは自力で漕げたのではないでしょうか。
そう、たったの5分の2ですが未舗装路を5分の2も漕げるなんて個人的快挙です。
景色まで本領を発揮し始める
これまでも素晴らしかったアウストラル街道の景色が、更に素晴らしくなっていきます。
おそらく僕の頑張りにに呼応してくれたのでしょう。(いいえ、違います。)
無情にも僕の頑張りなどは関係なく、アウストラル街道は後半になるにつれて景色が良くなっていくのです。※それに比例するように道は険しくなっていくけど。
その噂は聞いてましたが「それでもすごいや」と感じてしまうような景色が広がり、調子よく漕げているのについ「きぃぃ!!」とブレーキをカマして写真を撮ってしまうそんな前半戦でした。
なので調子の割に進みが遅かったです。
遊戯王カードの全面キラのような高揚感
これまでの景色も最高なアウストラル街道でしたが、トランキーロ以降に訪れる景色はこれまでにない「高揚感」を感じさせてくれるようでした。
坂を下り突然現れる鮮やかな景色を見た時の高揚感を説明すると、なんというか小学生の時ガチャガチャで購入した遊戯王カードを開封したら「キラカード」が入っているようなそんな感じです。(分かる人には分かると思う笑)
レアカードではなく、キラカードです。もっというとスーパーレアではなく全面キラですね。
期待してたけど期待を越えてくるような、そんな高揚感とでも言うのでしょうか。とりあえず、間違いなく壮大な景色がそこには広がっていました。
気づいてたけど遂にか…
そんな感じで良かったのですが、その反面やばいことが身の回りで起こっていました。
それが、「我がチャリンコの破壊」です。
破壊と言うと大げさなんですけど、元々もあった後輪のカタカタの振れ幅がどんどん広がっていくんですね。
今日の前半、意気揚々と坂道を登っている時にちらちらサドルの下の方が視界に入るのですが、その視界に飛び込んでくる後輪の回り方が左右に触れていて危なっかしかったんです。
それが、3回くらいロングな未舗装坂道を下った時に遂に本体フレームと干渉するようになってしまいました。
幸い?1回転するうちに1箇所だけが当たるような感じで漕げないことはありません。
それでも、登り坂などでペダルを力強く踏み込むとチェーンが「ガギッ」となって半漕ぎくらい空漕ぎになってしまったり自転車の後ろ側の音が明らかに「変な感じ」になっていくんです。
とりあえず、30km地点までは頑張って漕いで昼ご飯食べてから考えようと思って40km地点まで漕ぎました。
なぜ、10km余計に走っちゃったかと言うとあれですよ、いつもの「座る場所が無かった」というやつ。まぁ、それだけではなくて、坂道を押してたらナイス欧米カップルが頑張ってくれって「プロテインと水」くれたりして、もう少し頑張ろうと思えたんです。
辛い時にお裾分けは貰った物以上に元気をもらえますな。
結構やばめな後輪
昨日ボイルしていたウインナー4本とゆで卵を食べて出発です。
太陽が照りつけ登り坂も割と漕いで登ったので汗を異常に掻いていたことに気づきました。
そんな感じで、始まった後半戦なんですが残り20km付近からアップダウンが始まり残り17km手前で「なかなかエゲツ目勾配の1km登り」が現れます。
ちなみに、この時点で後輪のガタガタがどんどん大きくなっていくことに気づき気が気じゃありまえん。
というか、平坦の道を漕ぐと後輪が毎回フレームと干渉してしまうので「ただの重くて遅いチャリンコ」に成り下がってしまっている我が相棒を罵りたいような謝りたいような「とにかく今日だけは死なないでおくれ」と祈る気持ちです。
フレームとタイヤが擦れる音が「ベインテ」「ベインテ」に聞こえてしまう僕は頭がおかしくなっていたのかも知れません。(※ベインテ=スペイン語で20)
とりあえず、そんな感じで坂を押しあがりガタガタの後輪を痛めつけるように下り坂を下り、無情にもまた現れる何回ものアップダウンを越えていきます。
この旅最高勾配を押し上る
途中、対向車のイカしたアミーゴが停車して水をくれたことに元気を貰ったりしながら残りの15kmくらいはほとんど自転車を押してたのではという感じで無事18時前に街にゴールインです。※最後3kmは坂道
今回目的地にしていたベルトランドは、次の街コクラン(アウストラル街道2番目に大きい街)の前にあるとても小さな街です。
本当はすっ飛ばして50km先のコクランに行きたいところですが、我が相棒の正気とは思えない鳴き声を聞いているとそうも行きません。(チャリンコの後輪の擦れる音)
とりあえず、街の公園に座ってホテルを探します。(※僕は3日前に寝袋も無くしている)
アプリが言うには既に街に入る時に確認していた20,000ペソの宿と200mくらい坂を下ったところにある13,000ペソくらいの宿が良さげだったので、まずは安い方から行こうと思い下り坂の方に行きます。
(お、おい…この坂急すぎねぇか…もしホテルが空いてなかったら…登れねぇ…)
目の前にはめっちゃ未舗装でめっちゃアホみたいな急降下な坂があって、一瞬い、いや5分くらい迷いましたが「えいやっ!!」と下っていきました。(ブレーキ全握りでスピードがでないようにだけど)
宿に行くと、他のチャリダーの自転車が置いてあります。
(おぉぉ助かったぁぁ!!)と内心ガッツポーズしながら母屋のベルを鳴らします。
家の中から出てきたセニョリータの顔はなぜか申し訳なさそうで、これから起こり得る現実を知り僕は絶望する思いで立ちすくしてしまいました。
「アミーゴ、ごめんよ。今日は満室でベッドがもう無いのよ。坂の上のホテルに行って頂戴」
(うぉぉぉぉぉぉぉお)とは言えず、なんとか食いつきましたが入れてもらえませんでした。
おっちゃんの手助け
仕方ありません、さっき下ってきた急勾配坂を押し上がります。
その時に気づきましたが、この坂明らかにこの旅で一番の急勾配でかつ砂利も大きく足が滑りまくりました。
さっきホテル前で出せなかった「うぉぉぉぉお」と言う声をここで思う存分出しながら登っていきます。というより、声を出さないと今にも後退してあっというまに坂の下まで押しやられそうだったのです。
目的地に着いてからこんな事をしている自分にとても虚しくなってきたところで、近くにいたおっさんが後ろから自転車を押してくれました。
まじで助かりました。あれがなかったら僕は下まで転げ落ちていたかも知れません。
素敵なホスペーダ
結局街の入口にある20,000ペソ朝食付きの「Dona Ester Bed &Breacfast」にしました。
アウストラル街道の村ではどこでもそうですが、ここのホスペーダセニョリータもものすごい穏やかでとても良い人で、よかったです。
丁度チェックインしたタイミングで、仮装した子ども達が10人くらい押しかけてきて忙しそうにセニョリータマダムがお菓子を配ってあげていました。「こんな50人もいるかいないか分からない街」でもハロウィンを子供たちが楽しんでいるのに少しほっこりしました。(完全にハロウィンだということを忘れておりました)
僕は胸ポケットに入っている2つの飴を取り出しましたが、10人もいると思いそっとポケットにまた仕舞ったのですが…
街行く人(まぁ、2〜3人だけど)も「ハッピーハロウィン」って声をかけてくれるなかなか良い街で、気持ちが穏やかなになりました。
こんな感じの一日です。
禁断のワープを決意
とりあえず、自転車はこれ以上のこのダート道を漕いでしまうと本当に壊れてしまいそうなので明日は50km先のコクランまでヒッチハイクをしようと思います。
禁断のヒッチハイクです。
いわゆる、チートのワープというやつです。
仕方ありません。
コクランは一応コジャイケに次ぐ、アウストラル街道第二の都市なのでそこで修理が出来ないか賭けてみることにします。
これで。治らなかったらどうしましょう。分かりません。そうなってから考えます。
(後半に来てなかなかなピンチだで)
プチ情報まとめ
◆トランキーロ〜プエルト・ベルトランド
・最初の10kmは登り多めのアップダウン
・20km以降は多少アップダウンがあるがフラット
・40〜45km地点から激し目のアップダウン開始。(え、またあんの?という感じだった」)
・最後の3kmくらいは下り
・景色は総じて良いから覚悟したほうがよい
◆プエルト・ベルトランド宿
・Dona Ester Bed &Breacfast
・20,000ペソ/泊 ※空いてなかったホテルも含めて13,000ペソの宿あり。キャンプ場もありそう。
・ホットシャワーあり,部屋はベッド3つを一人で
・Wi-Fiなし。でもすぐ近くにある街の中心の公園には無料Wi-Fiがとんでいるよう。面倒でパスワードを聞かなかったけど、聞けば教えてくれるはず。
・夕飯は13,000ペソで結構豪勢なやつを出してくれる。僕は食べてないが、他の客が食べてた。
・商店は一つだけあった。(坂を下ったところにも一つあると思う)
品揃えはこれまでの街と変わらないが小さいの少ないかも。
ビールは冷蔵庫にはないが、言えば出してくれる。冷えてないけど。
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