終身生命保険をわかりやすく解説|保険選びに役立つ基礎講座
今回は終身生命保険について解説します。
家族の中で働いている人に万が一のことがあったとき、遺族の生活資金を確保するために生命保険があります。
しかし生命保険にもいくつかのタイプがあり、その選択に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
この記事でわかること
終身生命保険の全体のしくみ
終身生命保険料と保障の具体例
終身生命保険はどのような人に向いているのか
この記事を読めば終身生命保険のすべてがわかり、あなたの保険選びに役立ちます。5分で読めます。
終身生命保険の全体像
終身生命保険は、保障が一生涯つづく生命保険です。途中で保険料が上がることがありません。
保険料は、払い込みが一生涯つづく終身払込みと一定期間で終了する有期払込みがあります。
満期保険金はなく、途中で解約した場合に返戻金が受け取れる、貯蓄性のある保険となります。
また、保障中は一定の範囲内で保険会社からお金の借入れができる契約者貸付制度があります。
終身生命保険は、解約返戻金があることと、保障が一生涯つづくことから、定期生命保険よりも保険料は高くなります。
では終身生命保険の保険料と保障の構造について詳しくみていきましょう。
終身生命保険の保険料と保障の具体例
保険タイプ 終身生命保険
性別 男性
契約時の年齢 30歳
この条件で、終身払いと有期払いの2つのパターンを解説します。
終身払いの商品
保険料 月7,300円
契約時から500万円の保障が始まります。保険料の払込みと保障は一生涯つづきます。
いつ解約しても解約返戻金は受け取れますが、払い込んだ保険料より少なくなります。
また、経過年数が進むにつれ、払い込み保険料の累計が保障額に近づきます。
有期払いの商品
保険料 月7,900円
こちらも契約時から一生涯、500万円の保障がつづきます。
契約後、一定時点(60歳など)で保険料の払込みが終わります。
保険料の払い込み中、解約返戻金は払込み累計より少なくなっています。しかし払込み満了後は払い込んだ保険料よりも解約返戻金のほうが多くなります。
上記のように、同じ保障額であれば終身払いより有期払いのほうが保険料は高くなっています。
終身生命保険のメリット・デメリット
終身生命保険のメリットとデメリットを把握することで、保険を選ぶさいの判断材料として役立ちます。
終身生命保険のメリット
1. 途中解約した場合に解約返戻金が受け取れる
老後の生活資金や住宅の修繕などに活用できます。
2. 保険料が変わらない
定期生命保険では更新のたびに保険料が上がりますが、終身生命保険では保険料が上がる心配がありません。
3. 契約者貸付制度を利用できる
カードローンよりも金利が低く、審査なしでお金を借りることができます。
終身生命保険のデメリット
1.定期生命保険と比べて保険料が高い
終身生命保険は保障が一生涯つづくことと、解約返戻金があるという理由から、保険料が高めになっています。
2.解約返戻金の元本割れ
終身生命保険は解約時に返戻金を受け取れるものの、払い込んだ保険料より少なくなるケースがほとんどです。
3.保険の見直しがしにくい
終身生命保険は満期や更新がなく、長期にわたって継続する設計になっているため、ライフステージごとに見直すには不向きといえるでしょう。
終身生命保険はどのような人に向いているのか
では終身生命保険のしくみと特性から考えて、どのような人に向いているのかをみていきましょう。
貯蓄が苦手な人
終身生命保険の保険料には貯蓄分が含まれており、これが解約時に返戻金として受け取れるわけです。保険をかけながら貯蓄もできるのです。
老後の生活資金を用意したい人
定年後に解約し、受け取った返戻金を老後の生活資金とします。年金と合わせればますます有効な活用法ですね。
葬儀費用を用意したい人
満期がなく、保障が一生涯つづくので死亡時に確実に保険金が受け取れます。自身の葬儀費用の準備として役立ちます。
まとめ:終身生命保険は保障が一生涯つづき、貯蓄もできる保険
今回は終身生命保険について解説しました。
終身生命保険は保障が一生涯つづくもので、解約返戻金が存在するため、貯蓄性のある保険です。
ライフステージを考慮して、長生きした場合に解約し返戻金を受け取ることを前提に終身生命保険を選択するという考え方もあります。
保険料は定期生命保険と比べて高い傾向にありますが、死亡保障を持ちながら貯蓄ができる点においては独特のメリットといえるでしょう。
今回ご紹介した終身生命保険の特徴を押さえ、ぜひ保険選びに役立ててください。
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