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付加年金とは自営業者の2階建て年金|FPがわかりやすく解説

今回は自営業者の2階建て年金、付加年金について解説します。
老後の生活資金について考えるさいは公的年金の存在は外せません。自営業者も付加年金に加入することで公的年金を2階建てにし、年金の給付をさらに手厚くすることができます。ファイナンシャルプランナーの筆者がそのしくみと加入方法を解説します。3分で読めます!


年金制度の基本をおさらい

会社員および公務員は国民年金と厚生年金の2階建て年金です。
65歳から受給できる老齢年金額は月15万5千円(老齢基礎年金+老齢厚生年金)になります。

一方、自営業者は国民年金のみの1階建て年金です。
65歳から受給できる老齢年金額は月6万5千円ですので、老後の生活資金が心配な方もおられるでしょう。


付加年金で自営業者も年金2階建て

付加年金は任意で加入する2階建て年金で、国民年金に上乗せすることで老齢年金の給付額を増やせます。

付加年金の加入条件

付加年金に加入できる人
自営業者、学生 (第1号被保険者)
20歳~60歳まで最大40年間
国民年金保険料 月16,590円(2022年度)に上乗せする
付加年金保険料 掛金月400円

加入できない人
会社員や公務員 (第2号被保険者)
第2号被保険者に扶養されている第3号被保険者

また、自営業者であっても付加年金と国民年金基金は重複して加入することはできず、どちらか一方を選択することになります。

付加年金の給付額

付加年金は65歳から老齢基礎年金と一緒に、終身給付されます。

付加年金の給付額は
年間給付額=200円×納付月数
となります。

付加年金保険料を40年納付した場合
納付 400円×480か月=192,000円・・・40年間の納付額合計

受給 200円×480か月=96,000円・・・1年間に受け取れる額
この額が65歳から死亡するまで受け取れます。

付加年金の保険料を納めた期間によって受給額は異なりますが、いずれにしろ受給開始から2年で元が取れるようになっています。

ここで勘違いしがちな点がありますので補足します。
月の納付額が400円受給額が200円×納付月数なので納付した半分しかもらえないじゃないかと思いがちですが、納付した総額の半分が1年でもらえる、つまり受給開始から2年で必ず元が取れて、死亡するまで給付が続くのです。
受給開始から2年経過すればそれ以降は納付額よりも多くもらえることになります。このようなしくみから、付加年金はお宝年金ともよばれています。

また、付加年金保険料も納付した全額が社会保険料控除の対象になり、節税効果があります。


付加年金の加入手続き

付加年金の加入手続きは市役所、町村役場の国民年金窓口、年金事務所で行います。


まとめ:付加年金は自営業者の2階建て年金

今回は自営業者の2階建て年金、付加年金について解説しました。
掛金は国民年金保険料に400円(定額)を上乗せすることで、将来受け取れる老齢年金を増額できるのですね。

65歳から年金の受給を開始し、その後2年で元が取れるものです。

老齢基礎年金の給付額が月6万5千円ですので、これだけでは老後の生活に心配な方もおられるでしょう。

自営業者の2階建て年金は

・付加年金
・国民年金基金

このいずれかから選択できます。
国民年金基金についてはまた別の記事で解説します。

家族と年金について話し合いの機会をもうけ、検討してみてはいかがでしょうか。


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