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成年後見制度

◆弁護士 飛田 博

2022年11月3日 日経新聞朝刊41頁

「成年後見進まぬ利用」「『報酬一生』『手続き煩雑』で敬遠」「柔軟な選任・交代必須」との見出しの記事から

認知症などで判断能力が低下した人を法律的に支援する成年後見制度の利用が進んでいない。高齢社会を支える制度として2000年に介護保険とともに導入されたが、成年後見人に支払う報酬や煩雑な手続きを敬遠して利用をためらう人が目立つ。法務省などは6月に有識者研究会を設置。財産の処分時など必要なときに柔軟に利用できるよう制度を見直す検討を始めた。

(飛田コメント)
 私の経験からも、声援後見制度を利用するのは、親の不動産を売却するときや、親を親のお金で施設に入所させるようなときに、不動産屋や施設側から勧められて、という場合がほとんどです。
 これは、親の預金をおろすことなどは、親のキャッシュカードを預かってしまえば事実上できてしまうからで、成年後見を選任する実際上の必要性が乏しいからでしょう。ただ、それはそれで問題があるのですが(例えば相続の際に親の預金額が通常の生活費以上に減っていて、相続人間で争いの種になる)。しかし、多くの場合には、相続人間で何らかの話ができており、あまり問題にはならないでしょう。
 そうだとすれば、この記事中で言及されているように、不動産を売るときだけ利用されるスポットの成年後見制度というものがあってもよいのでしょう。
 議論の行方に注目したいと思います。

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