不完全な人生に完全な愛を。
分からないことが多すぎるこんな世の中では
賢い振りをしても傷ついたりする。
失敗を避けるのに、成功を繕うのに、
笑顔でいるのに、誰かを救うのにムキになって、
自分のあるべき姿、いるべき場所を見失った。
あなたのために私がいるわけではない。
でも、私があなたのためにできることを
探してしまっている私もいる。
人のため、世界のため。
そういうのが嫌いで仕方ない。
笑顔を振りまいてるあいつも、
思わせぶりをしてくるあの子も、
みんな嫌になって潰れて欲しい。
そうやって思ってるけど、嫌いな訳では無い。
一生涯誰にも僕の人生の手綱を握られたくない。
文法のおかしな小説だったり、
味のしないロールケーキのような、
何か足りない、私の不完全な人生が愛おしい。
寝静まらない都会で夜を明かすような日々も、
文化祭の居残りをしたあの思い出も、
ネオンに包まれて踊ったひと時だって、
私を語るにはどこか物足りない。
誰も愛せないはず、こんな苦しい毎日じゃ。
まかり通った私利私欲も、もう置いて歩こう。
君に愛されるために、きらびやかな日々を
偽って繕って、見栄を張っていたい。
僕が呪いになる前に、君を愛し切って、
抜け殻になってしまいたい。
僕は呼吸も忘れて、服も脱ぎ捨てて、
全てを捧げてみたい。
誰も愛せない自分を愛してくれるあなたが、
愛の実感が、生きていい実感が、
私を彩って、形作っていく。
不完全な人生に完全な愛を。