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ぼくは音楽で稼いで、食べて、生きていきたかった
音楽とぼく
ぼくはミュージシャンになって、音楽で稼いで、食べて、生きていきたかった。
ベースやギターを弾いたり、詞や曲を作ったりアレンジをして、アーティストや作家、あるいはゲーム音楽等のクリエイター等として一人前になりたかった。
そのために20代の多くを捧げてきて、
「プロになれなかったらどうするの?」
と親に聞かれたときに
「死ぬ、、」と答えて親を悲しませて、
夢は叶わなかったけど死ぬこともなかった。
目標に近づいてるかな?と思えた時期もあったけれど、
29歳の時の勤務先の倒産もあって、
割り切ってぼくの「できること」の中から「やりたいこと」じゃなくて「求められること」を仕事にすることにした。
そして40歳か50歳かわからないけれど、いつかセミリタイア(当時はFIREなんて言葉は無かった)でもした暁には、
「好きなだけ音楽をやろう」
そう思っていた。
一時音楽から離れるだけ、必ずまた帰ってくる。
そんな気持ちで音楽から離れて、人より遅れた分のキャリアを取り戻そうと真面目に、猛烈に働き始めた。
買ったのに弾かれないギター
そこから早20年が経った。
コロナで世の中が止まって、リモートワークで時間ができたからギターを買っても、
病気をきっかけにリストラされて、
52歳で突然サイドFIREして仕事がなくなっても、
ぼくが音楽を再開することはなかった。
突然ライブにたくさん行き始めたくらいだ笑
壁に掛けられているギターを毎日見るたびに、
そして押し入れに閉じ込められているベースのことを思い出すたびに、
勝手に責められてるような気になって
「今日も触らなくてごめん」
と罪悪感に苛まれ続けた。
「仕事で忙しい」とか
「病気になってメンタル的に大変」とか
前まではそんな「やらない」理由のせいにして気がつかなった。
でも、FIREしたら、何をやってもいいはずだ。
やらない理由なんて無いはず。
言い訳が無い分、やらない自分を責めたくなる。
ぼくは何で音楽やらないんだろう?
どうしてぼくはFIREしてヒマになった時間を
・SFC修行や
・ゴルフレッスン、
そしてマンガを読むことに費やして、noteもろくに書かずに、
あれだけ寝食を惜しんで情熱を傾けていた楽器の練習や音楽制作活動を一切やらないのか、自分が何とも不思議だった。
「年齢と共に、創造したい、という情熱がもう枯れてしまったのかな」
とか、
「昔は、世の中の音楽がクソみたいだから、もっと良い音楽を作ってやる!みたいに思ってたけど、今は世の中の音楽に満足してしまったのかな」
とか、人と話すたびに、いろんな「やらない」理由を挙げていた。
自分でもうまく説明がつかずに困っていた。
きっかけ
3月末に、さして乗り気でもない、何ならドタキャンしようかなーとすら思っていた飲み会に行ったところ、
「6月のライブイベントに、バンドを組んで出てみませんか?ベースがいなくて、、」
と誘われた。
最初は「あー、その翌日に大阪でプロレスがあるので、その日は大阪に泊まる予定なのでちょっと無理かも、、」と話したら、とてもガッカリされた。
でも、SFC修行で学んだから今のぼくは知っている。
「3月に6月のフライトをキャンセルしても大してキャンセル料はかからない」ことを。
「あ、でもいいですよ、翌朝大阪に向かえばプロレスは見れますから、フライトはキャンセルしますよ。出ます出ます」
ひょんなことから飲み会に行ったら、6月にベースとしてコピーバンドに参加する予定になった。
本当の「やらない」理由は
押し入れからベースを引っ張り出して爪弾いて、ぼくは気づいた。
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前みたいに音楽を「やらない」のは、
かつてのように音楽が「できない」からだった。
約20年のブランクで、ぼくが培った演奏技術の多くは失われていた。
自分がヘタになりすぎていて、その現実とかつてのイメージとのギャップに耐えられず、楽しくないから楽器を手に取らなくなっていたのではないか?
作曲も同様だ。
当たり前のように、呼吸をするようにできていたことが、できなくなっていた。
昔できていたことができないから、楽しめずにやらなくなった。
「できなくなったこと」に直面することすら辛かったのだろう。
そして、ぼく1人で音楽をする場合には、楽器を弾かなくても、曲を作らなくても何も困らない。だからその山を越えられなかった。
「継続は力なり」。
趣味でもいいから続けていれば、こんなことにはならなかっただろうに、、
熱しやすく冷めやすいぼくは、やることが少し極端すぎるのかもしれない。
再開に最適なのは「他人を巻き込んだ〆切」
でも、もしこれが本当なら、ぼくにとっては朗報だ。
音楽への情熱や創造力が失われたからじゃなくて、
「技術が失われた」がやらない理由なら、
再び技術さえ身に付ければ再開できるかもしれない。
もしかしたら一生。
ライブに出る、といった「他人を巻き込んだ〆切を作る」ことで、やらざるを得なくなる。
現にその日からぼくは、修行等で家にいない日以外は、毎日過激にベースを弾き続けていて
ヤワになってた指には何度も水脹れができてボロボロになった。
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