第43話 五章 五月八日 日曜日
混み合うバスセンター内。無意味に広く、絶え間なく人の往来があるこの場所でも、俺はアイツらを一目で見つける事が出来た。直ぐに判った。アイツらだ。嫌でも判る。ただでさえ目立つというのに、なにやら大声で言い合っているのだ。でも直ぐに近寄って声を掛けるのは、ちょっと……。
「へぇ、関心関心。なかなか似合ってるじゃないか、サクヤ。いつものボーイッシュなダメージジーンズにタンクトップはどうしたんだよ。まあ良いけど。今日は草色のカワイイ系で纏めてみました、って感じか? それ、今年の春の