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(一次小説 ・ ダークファンタジー )奈落の王 その十七 深き森の砦。照葉樹林も深まった人間支配領域の最前線。向かうも一行の前に何かが現れる。
木々が密集している。 昼間でもなお、暗い森。 森が動く。 道の悪さのためでなく、明らかに森の枝葉が動いた。 うん。 ──確か、不自然に揺れたような……。 そう。ロランの目には霞んで見えた。 「ん?」 見直す。 うん、今度も枝葉の動きがやはり変である。 ロランはもう一度凝視する。木立が確かに揺れている。 そしてその陰。 ロランは黄ばんだ二つの目を視認し。 彼は彼自身『銀仮面卿』がこの補給隊一行のリーダーであることを思い出し。 ロランは一度つばを飲み込み、次の瞬間、