【批判覚悟】日本にはアートは根付かない
まさかこんなタイトルで記事を書くとは数日前までは考えもしなかった。
ここ数日のインプットがこんな考えに至る事になった。
そのきっかけは、
①アーティストとしてアートフェアに出品した
②Weekly OCHIAI-京都編-を見た
③「2030年世界地図帳」の結論に触れた
④アメリカ、中国、イギリスが現代アートをけん引している事を再認識
このあたりのインプットを頭の中でぐちゃぐちゃとやっているうちに、日本にアートは根付かない事が、確信に近い形で実感した。
その理由としては、日本は文化大国だからだ。
ここで整理しておきたいのが、
アート(芸術)と文化は別物だということ。
その証拠として深い文化の無い
(または受け継がれていない)地域が
世界のアートをけん引しているという事だ。
もう一つ整理しておきたいのが、ここで言うアートとはいわゆるアートマーケットを原動力とするデュシャン以降の現代アートを指す。
また文化とは長く続いている遊びを指す事にする。
アートと文化が別物だという事が一番わかりやすいのがアメリカだ。
アメリカがイギリスから独立宣言をしたのは1776年だ。
日本は江戸時代で第10代将軍徳川家治が国を治めており、政治的にも文化的にも結構成熟した国だった。
その頃にアメリカは誕生し、国として文化を持つ必要があった。
しかし文化を成就させるには長い時間が必要だ。
そこで文化を発明する手段としてアートが用いられたのだ。
そしてその発明した文化を裏付ける手段として、資本主義のシステムに基づいたアートマーケットを確立させていったのだ。
つまり、"文化が無いなら作っちゃえ"の発想。
これがニューヨークを中心として発展していった現代アートの正体だと思う。
2020/12/27追記
↓昔の映像で草間さんが証言してくれてました!
では中国やイギリスはどうか。
もちろん中国はウン千年の歴史があり、
イギリスは世界のあらゆる地域を植民地として多様な文化を培ってきた。
しかし両国とも日本とは比べ物にならないぐらいの様々な文化が交錯し、言ってしまえば"ぐちゃぐちゃになっちゃった説"があると思う。
差しで話せばすぐに解決する事が、たくさんの人が集まって会議する事で訳が分からなくなるアレだ。
それに比べて日本は島国であること、
イギリス規模の植民地支配はしていない事、
識字力が高く、他国の文化を"日本風"にする術を持っていた事、この辺りが文化を長く継承してきた理由ではないか。
が故に、文化を発明する手段としてのアート"現代アート"が必要とされないのだ。
ちなみにデュシャン以降の現代アートを持ち出している理由としては、それ以前のヨーロッパで培われてきたアートは全く違った性質を持っているからだ。
ヨーロッパ各国は深くて長い文化の歴史がある。
その中で宗教や王制、民主化をきっかけにしながらアートが形成されてきた。
どちらかと言えば日本と相性が良いのはこの文化と密接に関わっているヨーロッパ式アートではないか。
そして文化と芸術(美術)を同一のものと考える日本には、文化を作る手段としてのアメリカ式アートがハマらないのは当然だと言える。
もし日本にアメリカ式アートを根付かせようとするなら、
・ヨーロッパ式をアート作品
・アメリカ式をアート製品(商品)
という言葉で区別するとスッキリとするのではないだろうか。
日本の中ではこの2つが整理されずに、すべてまとめてアート(芸術)とするからアートの発展が進まないのではないか。
僕としてここの認識、整理、再定義が日本をアート大国にするブレイクスルーになるのではと考えている。
真夜中に思い立って書いたので、
いやそれは違う、ここは間違ってる等あれば
ぜひコメントが欲しい。