マシンライブ用ミキサーとしてのRoland MC-707
2023年12月29日追記
Roland groovebox MC-707を愛用しています。
Rolandから類似機種のSH-4Dも発売されたり、elecktronやAKAI、その他のメーカーからのグルボが出たりとなかなか激戦区のグルボですが、実はこの機種はマシンライブの外部ミキサーとしてもかなり使える機材です。
OCTATRACKが4入力ミキサーとしてもかなり使えるということで定評のある機材です。MC-707も同じように4入力ミキサーとしての役割を果たせます。
以前MC-707の記事について書きました。
MC-707について色々思う事 良い点とか注意したほうが良い点とか|しがらみ (note.com)
こちらの記事でも少し触れましたが、MC-707、実はマシンライブ用のミキサーとしてもなかなかいけており、ミキサーとしても愛用しています。
当初は機能がなかったのですが、ver1.30からミキサーとして大幅に機能強化されました。EFFECT RETURNやINPUTのルーティングが大幅に強化されて、ステレオもしくはモノラルの外部入力として各トラックにアサインできるようになりました。
最大4入力のアナログミキサー(+4trackの内蔵音源)を利用することができます。
特筆すべき点
各入力それぞれ別々の膨大な種類のMFX(マルチエフェクター)とイコライザーがかけられる
さらにマスターエフェクターとリバーブとディレイがかけられます。
外部入力にスキャッターもかけられて相当自由度の高いプレイができます。
なお、OCTATRACKのミキサー機能についてはマシンライブの大先達RYOTA氏の記事をご覧ください。
OCTATRACK Tips14「OCTATRACKでのミキシング」 – JunkYardMachineMusic (rudeloops.jp)
ミキサーとしてのスペック
MC-707には以下の入出力端子がついています。
アナログフォーン
外部入力:4 input (INPUT L/R:RETURN L/R:)
※INPUT Lはダイナミックマイクも接続可能
※実験したところ、モジュラーシンセの音源とも直接接続できました。
外部出力:6 out (L/R:SEND L/R:ASSINABLE L/R)
USB入出力
USB入力:2 input
USB出力:20 out
※MC-707のUSBの参考 ROLANDのFAQ
USB入出力はDAWと併用する人には良い機能ですが、当方あまり利用していないのであまり触れないことにします。iOSデバイスとそのまま入出力できるのは非常に便利ですね。(USBのケーブル変換が多少めんどいですが)
使い方例
4input アナログミキサー
4台の機材を外部から入力することができます。本体のスライダーにアサインして、やつまみで音を加工して、MC-707本体の音とミックスしたり、スキャッターをかけることが簡単にできます。(4台の機材を使ったら本体音源 4track + 外部4trackで使えます)
TRACKの図解
■ ■ ■ ■ □ □ □ □
■が本体音源 □が外部
モノラル2input ステレオ1input アナログミキサー
設定次第でこういうセッティングも可能です。
その場合は本体音源 5track + 外部3track(ステレオ x 1 モノラル x 2)で使えます。
TRACKの図解
■ ■ ■ ■ ■ □ □ □
■が本体音源 □が外部
8trのトラックすべてで、外部入力のどれを使うかも自由にルーティングできます。(INPUT LR EFFECT RETURN LR USB LR) ステレオもしくはモノラルでアサインできます)
仕様として変わっているのが、普通にTONEやリズムといった、内臓音源の設定をします。そことは別に、TRACKのSETTEINGで[AUDIO INSERT]という項目があり、そこで外部入力を設定すると、外部入力の音が出力されます。
(OCTATRACKだと音源設定をする際に選ぶらしい)
この機材はEFFECT SEND RETURNとして、外部入力と外部出力が実装されていますが、EFFECT SEND RETURNとして使うやり方は正直ちゃんとできるのか謎です(やったことがない)
EFFECT RETURN は単なる外部入力として使うことが多いです。
改めてsend returnの仕様を調べたところSHIFT+INPUTで入れるINPUT設定でsend returnの設定をすることができます。
モノラル2input ステレオsend return付 アナログミキサー
TRACKの図解
■ ■ ■ ■ ■ ■ □ □ ◇
■が本体音源 □が外部 ◇がsend return
本体音源 6track + 外部2track(モノラル x 2)+ send return
外部入力と併用して外部エフェクターも楽しく使うことができます。
外部入力にかかるエフェクターとイコライザー
MC-707の仕様で面白いのはTONEで設定したMFXの設定も外部から入力した音で使えるところです。また、トラックで設定したイコライザーも使えるので、外部入力で超強力なMFXとイコライザーがそれぞれ別の設定で使えます。(マスタリバーブやディレイ、マスターエフェクターとはまた別に使える)
Assinable knob(各トラックについている3つのつまみ)にMFXのパラメーターを色々アサインできるので、外部入力に好きなエフェクターをかけてグイグイ言わせることもできます。ただし、イコライザーはつまみにアサインできないみたいです。
ただ一点注意点がありまして、最終段全体にリバーブやディレイをかけるというのはこの機材苦手だったりします。(各トラックからsendで送る使い方がメイン)
また各トラック設定のMFXにもリバーブとディレイはなく、各トラックでリバーブやディレイを使いたい場合はエフェクトセンドで調整してあげましょう。
終わりに 他注意点
ROLANDの縦フェーダー持った機種は、マシンライブ中に楽しくスライダーがいじれます。MC-707のミキサー機能も非常に楽しいので、ぜひ試してみてください。
スライダーと3つのつまみで、エフェクターをぐりぐりいじって、通常のミキサーと同じような使い勝手で楽しくマシンライブができます。
ただし、この機材はやっぱり操作性が非常に煩雑なところがあるので、向き不向きがあるのは違いないですね…. 人によっては非常にハマることも間違いないです。