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侵略者 第三章

"A Burger in Side River Port "

12月 16日、金曜日。
バイト終わりに、俺はマクドナルドへと駆け込んだ。
時刻は15時42分。黄昏時の海岸線を見つめていた。
思えばここは、今は海であるが、以前は港であった。
俺らにとってはとても馴染みの深い、ファーストコンタクトがあった港である。
あの偉大なる港町にこの足で立つことができている自分を、俺は誇りに思う。

そう、一人でぶつぶつと考えながら、無我夢中でハンバーガーに噛り付く。まぁ、美味いのなんの。口の中でバーガーのひき肉とコーラが混ぜ合わさると、もうそれは故郷の味。
そこに、この美しい夕陽を重ね合わせりゃ、もう格別ってもんじゃない。最高だ。もはや、至高の領域と言える。

そうやって独りで もぐもぐタイムを楽しんでいる内に,
俺はふと店のハッピーミールに目を向けた。

くまのパデ〇ン〇ン


そう書かれたトイをいくつか見つけた。

そこには、メスのクマが3体、オスのクマが1体だけ置いてあった。そして、その中でセンターはメスだけで、オスのトイは棚の端に落っこちて、埃を被って眠っていた。

俺が知ってるのはオスが主人公のだったけどな… 
俺は不思議に思った。
だがら、店員のねぇちゃん共に聞いてみることにした。
「おい、なんでパデ〇ン〇ンがよぉ、オスからメスに変わっちまったんだ~?」ってな。

そしたら、
「はい! 今は絶賛公開中の映画からそうした設定に変更されましてぇ~。はい、そ~なんですぅ。今流行りのッ、多様性ブームってやつでしてぇ~。はい、申し訳ございませんッ。ご理解の程、誠にお願いしたしますぅう‼」

だとさ。

なに 舐めたことほざいてんだ、このアマッ。
と、内心思ったところだが、さすがにそこは顔には出さないようにした。それがこの国での紳士ってもんだろ?

まぁ、そんな感じで俺自身は納得も理解も全くできなかったが、もうなんだかその場にいるのが辛い空気感になってしまったので、俺は店を出た。

そして、エスカレーターの前で少し深呼吸をして考えた。
「これは俺が世の中に原作の設定改変問題を改めて定義をするためには、もう直接本部に殴り込みに行くしかないのではないだろうか」と。

だっておかしいじゃないか ! くまのパデ〇ン〇ンは男だろォ‼
そう、心の奥で叫んだ。

そんでもって、その怒りを俺は丸め込むことができなくなって、激しく悩み始めた。それは寝るためにベッドに入っても尚続き、ついには、その殴り込みに行く場所をどこにするべきか目を瞑りながら考え続けた。
眠らずに、独りで、じっくりと。
コトは祖国で起こすか、それとも、この国でやるのか、本気で考えた。
考えて考えて、俺はついに答えを出した。

俺はこう選択する、

来たる 12月24日、
聖夜に俺は新宿の映画館で抗議テロを決行する、と。


そう心にしっかりと誓った。


To be continued…→

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