ドブス・ザ・ライド 一章
飛行機編
ドーブズ・マクフライは修学旅行で初めて飛行機に乗ることになった。
「なかなかにヘビーだぜ」
飛行機の席に座ると、エコノミークラスであるせいか異様に席と席の間が狭く、息苦しく感じた。
隣に同級生たちは一人もおらず、孤独を感じ、次第にめまいも出てきてしまった。
そこでついにドーブズは緊張のあまり、吐いてしまった。
なんてことだ…
すると、同級生のタネオ・ビフが
「マクフライはやっぱりチキンだ」
と、罵った。
悔しくなったドーブズは、ビフに殴りかかろうとした。
すると、クラスのヒロインのロレイン・マックが
「ちょっとやめて!」
と、デカい胸を揺らしながら止めに入った。
そこでドーブズはこう思った
「全てが憎い!!」
*
しばらくすると、とある老人が慌てた様子でドーブズの席すぐそばにまでやってきた。
老人は走った影響で、息が切れ、汗がたくさん出ていた。
「ドーブズ!君だよ!君はこんなところで待ってちゃいけない!いまは君の子孫達の危機なんだ」
「はぁ、子孫?そして、あなたは誰?」
「ああ、紹介が遅れたな。私は阿知波毒男。毒って呼んでくれ」
「はぁ…」
「ほら、いまから君はタイムトラベルに行くんだ。席を立って、研究所まで来てくれ」
「え?ちょっとちょっと待って」
ドーブズは阿知波に無理やり、席を立たされ、発射寸前の飛行機から降りた。
ドーブズはこの流れに少しばかり新しい冒険へ期待を持ち、ワクワクしてきていた。
「さぁ、ドーブズ君。これからが大冒険だ。この阿知波おじさんについてくるんだよ。分かったかい?」
「うん、仕方ない。分かったよ。その代わり後で理由を教えてくれよ」
「あぁ、当然だとも、必ず分かりやすく説明するよ」
そして、二人は改造されたとある車に乗った。
と同時に、二人の姿をタネオは密かに追いかけていた。
車編
阿知波はドーブズ・マクフライを乗せ、とある車を走らせていた。
「阿知波さん、僕の子孫が危ないってどういうことなんですか?」
「それはこの次元転移装置を含んだタイムマシンの説明の方が先かもしれん。まず、この世にタイムマシンは3つある。一つはこの車と、もう一つは君の子孫が、さらにもう一つは私の倉庫の中にある。そして、君の子孫のドブス・マクフライ4世はタイムマシンの製造に成功し、一部の歴史を改変して、某国の王になった。つまり、マクフライ家はタイムマシンの力で皇族になったわけだ」
「なるほど。よく分からないけど」
「まぁ、とにかく遠い未来で革命が起こりかけていて、そのターゲットとして君と君の子孫の一部が狙われてるって言うことだ。」
「ちなみに狙っている敵の正体は誰なんだい」
「それが未だにわからん。予言だと、研究所に置いてあるもう一つのタイムマシンを誰かから奪って革命を起こしたことになっとるが、私はその説を信じとらん」
「ちなみに向かっているのはその研究所なのかい?」
「ああ、そうだ。もうそろそろ着くぞ」
研究所に到着した二人。
その影を追う男が一人。タネオだ。
だが、阿知波とドーブズは気づいていない。
「このプラグを差して、電源を入れると、ほら動いた」
車型のタイムマシンを起動させた。
その様子を陰で伺うタネオ。
「なるほど、こうやってマクフライの野郎は未来で好き勝手やったのか」
「毒。いや、阿知波さん。もうひとつのタイムマシンをここに野ざらしにしていいのかい。」
「大丈夫だよ、この時代の人々はこれがタイムマシンと知らないんだから。それに車のロックの解除方法も誰も知らない。ブレーキを三回押してからじゃないと動かないなんて、絶対知らないだろう」
全部タネオは見ていた。
「さぁ、早くタイムマシンで子孫を救いに行くぞ」
「OK!」
阿知波はタイムマシンを起動させ、未来へと飛んだ。
しかし、その姿を見て、タネオはもうひとつのタイムマシンを奪い、彼は過去へと飛んだ。
さてさて、未来はどうなることやら。
答えはだれにも分からない。
つづく→