ドブス顔面キモ人間 The Final Season #4
前回までのドブス
革命軍に身柄を助けられたドブ川は、そこに自身も関与したドブス革命の鱗片をみる。
自身を救世主と崇められたドブ川。
さてさて、今度はどんな仕打ちが彼を待っているのだろう。
それは誰にも分からない。
デーン♪
第四話「キモ人間計画」
「あの方は、あなた様を救世主と申しております」
突然、翻訳機越しにこう言われた。
「俺の何が救世主なんだ」
「それは、その体、全身であります」
「はい?」
「あなた様は捧げものとなり、我らを救うのです」
そう言われ、突然両手に手錠を付けられた。
おいおい。一体どういうことだよ。
「”あの方”はあなた様の脊髄のビジョンを夢の中で確認しました。あなた様の脊髄でなければ、我々は”あの方”のことを救えないのです」
「知らねぇよ!!そんなこと!!」
「全ては”あの方”のおかげであります。”あの方”に任せておけば全てが良くなるのです。”あの方”はガラス玉を通じて、あなた様の先の革命時のご活躍を大変よろこんでいらしました。そして、今回の計画を成功させるためにも、あなた様の脊髄は必要不可欠なのです」
「とにかく、だれなんだ!”あの方”って!」
「ここで名前は直接言えませぬ。しかし、今回の計画を支える最も大きな存在であることには間違いありません。今、”あの方”は酷い大病を患われています。それにはあなた様の脊髄がどうしても必要なのです!!」
「そんなの知らねぇよ!!」
なんて、皮肉だろうか。自分がかつて革命に加わり、今やその革命のために命を捧げられようとしているのだから。
綱の繋がった首輪をつけられ、だいたい5時間くらいひたすら歩いた。
すると、ついに”あの方”のいる城が見えてきた。
辺り一面はマグマに沈み、とても暑く、周りを黒ずんだ雲に覆われていた。
城の中に入ると、そこはいわゆる人体実験場で、化け物にされた人間の人体の一部がそこらじゅうに散らばっていた。
「これがお前らの言うキモ人間計画か」
「これが計画のすべてじゃありません。すべてはあなた様の脊髄ありきです。そのパーツが埋まらない限り、この計画は成功しないでしょう」
そして、ついに俺は”あの方”の目の前まで来た。
”あの方”は人型のドラゴンで、いわゆる獣人だった。
「わしわ、わしわぁ、」
”あの方”がゆっくりと口を開いた。
「また、すべてが憎いなんて臭い台詞は吐かせんからなぁ、ドブ川。わしはお前が来るのを10年間待ち遠しにしとったよ」
「知らねぇ!そんなことよりも、今すぐ俺を元の世界へ返しやがれ!今すぐだ!バカ!」
「残念じゃが、それは無理なお話じゃ」
😨
つづく→
次回予告
さぁ、ついに脊髄を差し出すことになってしまったドブ川。
彼に助けの手は訪れるのだろうか。
キモ人間計画の全容とは。ドブス革命との違いは何なのだ。
ドブ川の命が持つまで、あと3時間40分。
彼は持ちこたえるのだろうか。
それは誰にも分からない。
次回「ドブスの覚醒」
~終~