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コノシロ酢〆/Marinated dotted gizzard shad@埼玉県草加市-夕やけ小やけ

2020年11月訪問

コノシロはニシン科に分類される魚で約30cm前後まで成長し、寿命は3年程度。漢字で書くと「鮗」「鰶」「鯯」「鱅」。

魚体の成長とともにシンコ、コハダ、ナカズミ、コノシロと呼称される出世魚です。関東特に東京での寿司ネタとしては、6月頃の6㎝前後の初物のシンコにキロ数万円と極上マグロ顔負けの値段がつきます。それに対し、成長したコノシロは価値が無いに等しい値段しかつきません(25cm位で1匹130円で魚屋で売られたりします)。出世魚なのに利用価値で言うと全然出世しません(>_<)

なぜ価値が下がるかというと、成長したコノシロは皮が硬くなり骨が太くて多く食べづらい。臭い、などと言われます。

江戸時代に遡ると、東京湾にはコノシロがいっぱいたようで大量に漁獲されたそうです。ところがこの魚は煮ても焼いても生でも、どうやっても食えた物じゃなく、ことに焼くと死人の臭いがしたと言います。

『日東魚譜1736年』によると、“焼いて屍の臭気あり、神代に赫屋姫の難を救うために焼く。故に、子の代と命名した“。とあります。

※「日東」とは日本の別名。中国から見て日が昇る東の国ということ。
※「魚譜」とは魚の図鑑という意味。

そんな訳で、寿司ネタとしてのシンコ、コハダは好まれてもこれを一般メニューに載せる寿司屋や居酒屋はほぼ無いと言えるのではないでしょうか。

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そんな中、この店は出してましたので迷わず入りました。

冬の時期のコノシロは脂が乗り、調理の仕方を上手に行えれば旨い魚として食うことが出来ます。評価の悪いコノシロですが一般的にはその時期が旬と言えるかもしれません。それ故に、冬に旨い魚として魚へんに冬「鮗」なのでしょう。

しかし私は個人的に「鰶」←こっちの字の観点でコノシロを味わうのが好きです。

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「鰶(コノシロ)」は最も神様と縁が深く、今でも地域により神事奉納に使われたりしてます。

神事、奉納する色々な祭に由縁がある所から魚へんに祭なのでしょう。そして何故「コノシロ」と呼ぶのか、その由来も古代から江戸時代にかけて色々な伝承があります。

例えば、富士山山頂にある「コノシロ池」は祭神木花咲耶姫(コノハヤサクヤ)の眷属(けんぞく)であるコノシロが棲んでいるのとの説があり、姫神に言い寄る風神の求婚を欺いた魚として登場し、弥生時代?から下野に伝わる有名な神話ではこうあります↓

「孝徳天皇の皇子である有馬皇子が都を追われ、下野国(今の栃木県)の村落に落ちのびた時、その土地の郷士の家の娘に恋をし、娘は懐妊までしてしまいました。しかし娘はすでに常陸国(今の茨城県)に嫁ぐことが決まっていた為に、困った両親が娘は急病で死んだことにし、死体を入れる棺の中に、人の焼く匂いがするといわれる「コノシロ」を娘の代わりに入れ葬式をし、そのお棺を焼いて常陸の国からの使いを納得させました。それ以来、”子(娘)の代”で「コノシロ」というようになった。」と言う。

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そんな神話を念頭に置きながら早速食ってみましょう。

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独特のクセはありますが旨いです(^o^)。なによも、古代より神様に縁の深い貴重な魚がこれなんだなと思うと、一般的に店には出回らない「コノシロ」を食べる事が贅沢で幸せに感じました(^o^)

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