2022-09-07 河原の坊コース徒然
早池峰山に行くといつも、河原の坊コースから登れないさびしさを感じます。2016年の崩落以降、河原の坊からは入山禁止になってるんです。
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2009年6月27日の第一回目の登山から、河原の坊コースから登って小田越コースで降りることをルーチンのように繰り返してきました。崩落以降は小田越コースのピストンがもっぱらの工程です。
早池峰山は、氷河期から気候が変化して多雪化が進み、それも含めて降雨量が増えたことで岩塊が侵食され谷を形成、その谷を囲む斜面(遷急線)が崩落するという歴史を繰り返してきたお山。
小田越もかつての大崩落により森林限界を押し下げ現在の地形になりましたが、早池峰山は元来そういう性質を持っていることも理解しなければ。いわるゆ、今が永続的なものではないかもしれないと。
きっと何億年という山の長い歴史の中で、私が過ごさせてもらう数時間はほんの一瞬。その一瞬の中に、いろんな感動あるんだよなぁ。
北上山地の僅かな範囲に氷河期の遺存種や固有種をたくさん育む特異性、私がまだ知らない神話や伝承などの宗教観。何回登ってもいつも魅力的。
河原の坊コースって何が好きかというと、いくつかの渡渉、コメガモリ沢沿いに歩く爽快感、目の前にデーンとそびえる山頂。あそこを目指して登るんだというシンプルさ、そして岩稜帯の開放感。
ゴロゴロした岩を一段一段登る。あー!辛い、ヒー!苦しい。肩で息をしてパっと前を向いたときに視線が合う可憐な高山植物、ほっこり心が洗われて。
2011年3月の東日本大震災後は何年も沿岸に行けなかった。2011年の6月か9月の、早池峰山登ってて見えた宮古湾か大槌湾か、震災後初めて三陸の海が見えたときは、涙が出た。
辛いとか楽しいとか感じて、私はいま生かされてるんだなぁと。
河原の坊から登れなくても、かつてここから登ったんだと思える経験や、その時感じた感動を、写真を振り返って忘れないようにしよう。
その昔作った登山動画です。3分の恥ずかしい内容ですが、河原の坊の懐かしい風景が思い出されます。