
キャラバン(GK85)登山靴のワックス加工
登山靴を購入しました。

素の状態。
山登りではモンベルのマウンテンクルーザー600ワイドモデルを履いています。悩みどころはレギュラーモデルでは狭い、ワイドモデルでは広いことです。
色々試してもワイド過ぎる問題が解決せず、それでも今年は200km強の山歩きをさせてもらいました。
履き始めて1年を迎えようとする9月ころから、ソールの剥がれやサイドステッチのホツレがヒドくなり更新を決めました。(自分なりに直して今でも履いてます)
悩んだ末にフィット感が良かったキャラバンを選んでみました。
2022年7月に早池峰山でお会いした新潟の方の足元の20年来の革登山靴との出会いも頭の片隅に有ったのかも知れません。そういうお付き合いが出来ればなあ。
そしてもう一つの思い出。
高1のとき、同級生のAくんからもらった編み上げの革靴。最初は足が痛かった。捨てようと思ったくらい。それが履き込んでいくと痛みも無くなって、さらには靴紐を締めた時のフィット感が良くなってたっけ。あれ以来、そんな革靴は履いてなかったな。楽チンなジャングルモックばっかだった。
そんなことを思い出してました。
GK85、ヌバックのサラサラした表面や色合いが暖かみを感じさせます。
この風合いは失われてしまいますが、長く使いたいと考えているので今回はワックス加工することにしました。
進めるにあたって、バックカントリー穂高様の《ホームページ》や《動画》を参考にさせて頂きました。
対象としている登山靴が異なりますので、同じ工程、同じ分量で同じように仕上がるか未知数です。まず実践、やってみます。
ワックス加工1回目(2024/11/16(土))
ワックス加工前に、ヌバックの触り心地を堪能しておきます。
①靴を水で入念に濡らす。
この工程がとても大事なんだと思います。時間を掛けて入念に。水の浸透も場所により異なるので、焦らずじっくり行いました。
②コロニル レザージェル
2プッシュ。
靴全体にざっと塗りつけたら、ジェルが馴染んで見えなくなるまで手早くブラッシング。
③コロニル 補色ローション
色はブラウンにしました。
本来は『靴の色に近い色』を選ぶのが良いということですが、参考にさせて頂いたサイトの方がブラウンを使用していたので、何も考えずブラウンにした次第です(汗)
トントンスリスリ、たっぷり塗りつけます。
④コロニル レザーワックス
5センチ程度。
人差し指の先端から第二関節までを目安にワックスを取り、靴全体に塗ってブラッシング。革が乾いてきたらブラシ先端を少し濡らしてさらにブラッシング。
油分が見えなくなってブラシの抵抗が軽くなってきたら、次は手で揉みこむようにならします。
摩擦熱でワックスの油分を溶かしこみ、浸透させやすくする目的のようです。スベスベしてきたら終了。


乾燥中。
ここで失敗談。
補色ローションの使い方がわからなくて、一気にドバっと吹き出して風呂場の床がブラウンに染まりました😁
1回目の施工をしてみて、ヌバックレザーの表面が少しサラッとしました。ヌバックの触り心地もまだ少し残ってます。
ハッキリとした色ムラがありますが、このまま1週間寝かせます。
日に日にワックスの香りが落ち着いてきて、皮もサラリとしてきました。
ワックス加工2回目(2024/11/23(土))
①水を付けたブラシで軽くブラッシング
②ローション塗る
ローションは使用前によく振るってことを知りました(汗)
そのせいか?色ムラがあるので、丁寧にトントンサラサラしていきます。バックル付近はペネトレイトブラシで塗り込みした。
ペネトレイトブラシ、アマゾンで安いのを買ったのですが毛が抜けてダメですね。学び。
革も、場所によって染み込み方が違うんです。学び。「物」というより、「生き物」なんだなと実感。
慌てずにブラッシングして、馴染ませてみようと試みました。
③レザーワックス塗り、ブラッシング
④手で馴染ませる
⑤ベタつき無くなったら乾燥。
手で馴染ませたあと、馬毛ブラシを軽く当てながら、丁寧にブラッシングしてみました。
表面がスベスベしてテカリが出て来ました。

色ムラというか塗り残し目立ちますね。
②③の工程は2回実施しています。1回目の施工後に色ムラが顕著に出てしまったため、3時間くらい乾燥させたあとに水で濡らさずに②の工程を実施。
ペネトレイトブラシや馬毛ブラシで伸ばして、ローションが革に染み込んでいくのを確認しながら焦らず丁寧に。
最後にもう一度ブラッシングして、全体を軽く濡らしてから③。最後の最後に入念にブラッシング。
それでも靴のベロの部分が薄いです。まだ足りないのかな。でも登山中に外部と接触する外側や内側の革は左右の靴とも同じくらいに施工でしたと思うので良しとします。
はて、乾燥したらどうなるやら?
24時間経過後の状態は、


場所により浸透具合が異なります。これはこれで良いかもだ。なんでこうなるのかな?ま、このまま進ましょう☺️
ワックス加工3回目(2024/12/06(金))
出張があったので、前回から2週間開けてしまいました。
工程は2回目と同じにしました。
①水を付けたブラシで軽くブラッシング
②ローション塗る
③レザーワックス塗りブラッシング
④手で馴染ませる
⑤ベタつき無くなったら乾燥。
ひと晩開けてこんな感じになりました。

渋めのブラウンになってきました。ワックスのなじませ方が良くなくて表面に少し浮いてしまっています。
仕上げ加工(2024/12/14(土))
いよいよ最終工程です。長いようであっという間の1ヶ月でした。
①軽くブラッシング(水濡らして)
②シュプリームクリームをペネトレイトブラシで全体にまんべんなく塗る
③軽くブラッシング(余分な油をとる)
④ナノクリーム2cm程度を靴全体にざっくり。ブラシ、ペネトレイトブラシでしっかりつける。
⑤ブラッシングし、ベタつきがあればポリッシングクロス(古い綿の靴下)で磨く。
はて、ヌバックレザーの革の質感は、購入当初と比べてまったく異なるものになりました。

磨いていくと表面に光沢が出てくると同時に、革がスベスベになり『ハリ』が出てくる様子を感じ取れます。
こんなにピカピカさせてしまって、山で履くのがもったいなくなってきた・・。
ワックスが落ち着くまで1週間寝かします。2日くらいしたらまた磨いてみるとツヤが増すようです
以上で、ワックス加工は完了としました。この一ヶ月とても楽しかった。
本格的にお山で履く前に、普段履きで慣らしたいと思います。でも季節は雪なんだな。
メンテナンス
ポイント:
洗っている中で状態を判断して措置をする。
①まず水洗いする。
ブラシで砂や泥、石などを取り除いて、水で洗い流す。
②革が水を弾いているとき
ワックスが残っている良い状態なので、ツヤの無い場所へ補色ローション→ナノクリーム→磨きでOK。
光沢やハリが戻るはず。
水洗いして水弾き、ハリ・ツヤに異常がなければ、そのまま乾燥させる場合もあり。
③革が水を弾かない、吸ってしまう場合
レザージェル→ローション(必要箇所のみ)→ワックス(必要箇所のみ)→シュプリーム(ハリが無い場合のみ実施。ワックス加工後一晩開けてから)→ナノクリー厶を、1回だけする。
④注意したいところ
1週間のインターバルで次のお山へ行く場合はワックスしない。乾かないので逆に汚れ着く。
しっかり時間置けるときにワックスする。ワックスしたら1週間以上おく。ベタベタ感取れなかったら乾拭きする。
ワックスの量は状態による。部分的に実施、とか。過剰なワックスは革を柔らかくしてしまうので注意。
水はじいてればレザージェル不要。
シュプリームクリームは、革に張りがなくなってきた際に実施。水をよく切ったブラシで、少量を塗る。そして水分がなくなるまでブラシング、乾いた布で磨く。
(履いてみて、メンテしてみて気づいたことがあったら、note更新していきます)
2025/01/24、初めてのお山歩きをしました。