2022-12-16 小説『楽園の真下』荻原浩
何年か前は、海外作家のコーナーにひと目でそれとわかる位に棚を埋めていたジェフリー・アーチャーの小説ですが、時代の流れか、あっても数冊、最悪は在庫なしなんて書店が増えました。
アーチャーの最新作は、やはりアマゾンでポチったほうが早いかなぁと、書店で思う。
本は店舗で欲しいタイプの私。買って家に帰って読み始めるまでの間のワクワク感。ありますよね。
ま、お目当てのものがなくても、店内プラプラモードで歩くだけでも目の保養できます。
気持ちを切り替えて、最近の荻原浩さんはどうかと、探索モード変更。
そこで見つけたのが『楽園の真下』。
黒い背景に、表紙いっぱいにカマキリの絵。
萩原浩さんの著作は、感動作『愛しの座敷わらし』からのお付き合い。最後の最後で、やられた!って大感動しました。
切ないけど暖かい、人の感情の揺さぶる、ハートウォーミングな作風の作家さんで、好みです。
さてこの『楽園の真下』。
まさかのパニック・ホラーです。
荻原浩さんじゃなかったら読みません。
怖いから。
でも読み始めてちょっと後悔。
萩原さんが書くと、やたら怖い。
簡単なあらすじは『天国にいちばん近い島で起きた、多発する自殺者と発見された巨大カマキリの謎を追うフリーライター藤間』
ハートウォーミングな情景もありながら、恐怖がひたひたやってくる、その落差っていうか、振れ幅が大きくて。
活字から映像が見えてくる臨場感、最後のほうなんて手に汗握って、怖いけど、もー止まらない。。537ページの分厚い小説をほとんど一気読み。
荻原さんらしく、ホラーはホラーでも、軽快な文面の中に根拠があって、現実味があって、クライマックスに掛けてそれらがひとつになっていく手法はさすが。
冬に読めて良かったな、って思うんです。
夏に読んだら、
たぶん山行くの怖くなるので(汗