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一貫性の法則

以前の投稿に続きになります。一貫性の法則とは一度決断したりコミットメントすると自分の内外からコミットメントと一貫した行動をとるように圧力がかかるという法則です。よく1年の目標だったりダイエット宣言を自分の中だけではなく友達や周りの人に言いましょうというのを見たことがあるかもしれませんがまさにそれです。一度宣言するとそれを達成しなければ恥ずかしいという気持ちになり行動が変化するのです。そもそも人間の本能として一貫した行動が望ましいとされています。普段の生活で言動不一致な人や支離滅裂な人はどう思いますか?裏表がある人、嘘をつく人などという印象を受けると思います。反対に言ったことと行動が一致している人は信頼を置ける存在になりますよね。

身近な例で言うと、人が荷物をその場に置いてどこかに行くシチュエーションを想像してみてください。この時ただその場から離れた時に泥棒がその荷物を持っていこうとします。この場合だと近くにいた20人中4人しか泥棒を注意しません。ただ、荷物の近くにいる人にこの荷物を見ていてほしいと頼んだ後に泥棒が荷物を盗もうとすると20人中19人が泥棒を注意しました。この時荷物を見ていてほしいと頼まれた人はその荷物を見るという決断をしたためそれが圧力となり泥棒を注意したのです。

基本的にコミットメントが効果を発揮する要素は以下の4つが挙げられます。
・行動を含む
・公表される
・努力を要する
・自分の意志で選ぶ

私はこの中でも公表されることと努力を要することの掛け合わせたものが一番効果を発揮すると思います。周囲に公表した場合必然的に努力が必要となるからです。3カ月後に10㎏痩せると公表したら否が応でもジムを契約してそこから通いますよね(笑)。そんなイメージです。

この一貫性の法則はよく使えば自分を律することで目標達成を促すものとして強い効果を発揮するので良いものなのですが、これを利用して色々なものに転換させてくる人がいることを忘れてはいけません。一貫性の法則をうまく利用しようとする人は相手にYESを言わせること、自分で契約書にサインさせることなどに非常に注力しています。なぜかというと、人間は自分でしたことについて一貫して行動をとろうとする傾向が強いためです。これの恐ろしいことは一度YESと答えてしまうとその後に少し不利な条件を提示されたり別のお願いをされたときもYESと答えてしまう点です。

例えば車のディーラーが分かりやすい例です。車を買おうとしたとき、まず車の良さを熱心に説明されます。その一つ一つにいいですねとYESの答えを伝えます。値段も安く様々な魅力が伝わり試乗まですることでこの時点で買う気満々にさせます。契約書やローンの取りまとめなども済ませたところで店員はこう言います。エアコンの値段を加算し忘れていましたと。この時エアコンの値段を加算したところで元々他店よりも安く提示されているため定価の値段に戻るだけです。ここまでで買う手続きを進めており自分でもYESを何回も言っているためたとえそのミスがあってもそのまま買ってしまうのです。結果としては他店と同じ定価で車を販売することに成功するのです。たとえ後から不利な条件を出されてもその前に買うという決定を下してしまっている以上そこから戻ることはないのです。

別の例で言うとガス節約の協力運動です。例えばガスの節約をしてくれたら省エネを実践している市民として新聞に載るというように話します。そうすると節約率が上がったのですがこの後に理由をつけて新聞に載せるのが厳しくなったと伝えます。すると面白いことにより節約率が下がったのです。つまりこの時点でコミットメント力が働き続けていることが分かります。

コミットメントの力は一度YESと答えてしまうとその後不利な条件を突きつけられても発揮してしまうほど強力なのです。そのため普段の生活で安易に物事を引き受けたりYESと答えないことをおすすめします。

最後に
一貫性への強いこだわりは50歳を超えると最も強くなり以前したコミットメントとの一貫性を保とうとする強い傾向が見られます。このような人たちが詐欺の標的になりやすいのはもうお分かりですね。
身の回りの人にもぜひ共有してあげてください。

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