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私の好きなカバーソング(86)「Estate(エスターテ)」ミシェル・ペトルチアーニ、ジョアン・ジルベルト、ブルーノ・マルティーノ、イリアーヌ・イリアス、ジョイス・モレーノ
暑い日が続きます。北海道ではお盆の頃には朝晩の涼しさを感じますが全国的にはまだまだ盛夏なんでしょうね。estateという言葉は英語なら土地とか私有地という意味ですが、イタリア語では「エスターテ」と読み、夏という意味だそうです。ゆく夏を惜しむような哀しげなメロディーを持つとても美しい曲です。
イタリアのピアニスト・作曲家・歌手のブルーノ・マルティーノさんが1960年に書き、歌っています。昔日の夏の日を恨む(夏はあのひとを思い出させるからキライ)という歌詞のようです。
フランス人ジャズピアニスト、ミシェル・ペトルチアーニさん(1962-99)の初期のアルバム「Estate」(1982)でこの曲を知りました。このアルバムはポップで明るい曲が多くとてもスキですがこのタイトル曲は印象強烈でした。ペトルチアーニはこの曲を気に入っているようで、ライブ盤にも多くの演奏を残してます。
ボサノバの創始者のひとり、ジョアン・ジルベルトさん(1931-2019)がこの曲を知り、取り上げてから、イタリアのローカルヒット曲が世界中に広まりスタンダードとなったようです。1977年のアルバム「Amoroso」です。唯一無二のジョアン・ワールドになっています。MVではライブ映像もあり、生ギター1本でつぶやくような弾き語りで侘び寂びを感じます。
曲の作者ブルーノ・マルティーノ(1925-2000)のオリジナルバージョンです。ジョアン・ジルベルトと異なり、朗々と歌い上げます。
ブラジル出身のジャズピアニスト・シンガーで米国で活躍するイリアーヌ・イリアス(1960-)さんのアルバム「私のボサ・ノヴァ」(2008)からです。
2021年のコンピレーションアルバム「João Gilberto Eterno(永遠のジョアン・ジルベルト)」ではこちらもブラジルの歌姫ジョイス・モレーノさん(1948-)が歌います。このアルバムには日本のボサノバ姫小野リサさんも参加しています。