最近遊んだゲーム雑感【2024年8月号】
「ゲームに圧倒されたい、驚かされたい」という思いがある。
そういうモチベーションで、普段インディー作品をプレイしている。というわけで大作のレビューはあまり求めてないんだろうが 今月遊んで面白かった作品、勧めたい作品は「ファークライ5」「ファークライ6」「フォールアウトニューベガス」だ。FPSを一度もやったことないよ…!という方、ぜひ ファークライ6から初めてみませんか?
やってほしいのは 高難易度リズムゲーム「Rift of the NecroDancer」と自殺を考える少女を主人公とした短編ADV「this morning I decided to die」。
this morning I decided to die
動機:ディスカバリーキューから
プレイ時間:40分程度
自殺を決意した少女の最期の1日を追う、一周20分程度のショートテキストADV。起動時の言語から、異文化で作成されたゲームであると推測されるが、問題はない。メンタルヘルスを題材とした少女の鬱屈とした語り口は非常によく翻訳されている。短編ながら引き込まれるものがあった。
筆者は2つ目の選択肢で趣旨を把握し「自分が今日死ぬとしたらこういう行動を取る」を意識して選択肢を選んでいった。結果少女が自殺を思い止まったため、真逆の選択肢を選んで自殺を見届ける2周目がはじまった。
逆であった欲しかった(はじめ自殺を止められず周回をしたかった)が、別パターンを見たがるのはゲーマーの性なので仕方ない。
これにより見えてきた、「死ぬ気で物事に対応していると 意外と自分の人生も悪くないんじゃないか?と思えてくる」塩梅がいい。この感想は筆者が真剣に選択肢と向き合ったがための報酬だろう。
少女の重たい悩みを生々しい語り口で描く、印象的な作品だった。
和階堂真の事件簿 TRILOGY DELUXE
動機:ミステリー欲を刺激されたため
プレイ時間:3時間程度
和階堂真という警察官を主人公に添えたミステリーアドベンチャーの4本セット。情報は足で稼ぎ、得た情報を装備し相手にぶつけることで更なる情報を得ることができる。シーンの合間合間に推理シーンを挿入して情報を整理してくれるため、事件の全容を把握しやすく、まあ詰まることはないと思う。
アニメーションのためのあれこれによりドット警察に怒られるかもしれないが、とにかく背景グラフィックが良かった。
この色数でこの表現力!!これに加え、殺人現場では鮮やかな赤が用いられてメリハリがある。
1→2→3→4(ナンバリングが付いてないもの)の順でプレイすべきなのだが、筆者は4を最初に遊んでしまった。3がイレギュラーな事件なのと、4は作品の集大成的なネタが詰められているので3がラストだと消化不良を起こす。
全編通して、最後にプレイヤーを驚かせようという工夫がなされておりミステリしていて良かったが、筆者は1のオチはどうかと思う(優しい嘘で済まされないだろ)。
4は舞台が新本格でワクワクした。一番【推理モノ】している2がスルスル解けたのが嬉しかった。そんな感じ。
ムーンレスムーン
動機:noteやXでのレビューを目にして
プレイ時間:3時間程度
ミュージックビデオが主体の新感覚テキストアドベンチャー。夜になると別世界に迷い込む少女が、世界との関わり方を独白していく。
テキスト、背景、イラスト含めた雰囲気が高水準であることが一目でわかると思う。ミュージックビデオ主体と紹介したが、遊ぶ分にはテキストアドベンチャー部分の比重が大きく、そこもきっちり面白い。分岐はないが、「話を読み進めるためにキーワードを選択する」といったちょっとしたミニゲームはある。
少女は様々な異世界へ足を運ぶ。最も多くいく場所が月の砂漠なのだが、その砂の匂いや輝きを想像させられる。
クリア後のエピローグが豊富だったり、シーン選択が容易だったりするのが嬉しかった。
◆
せっかくなのでMVをひとつ共有しようかと思う。一番好きなのがよりによって最後のMVなのでちょっとアレだが…映像を見て、そこから興味を持つという動線でもいいと思う。というかテキストであれこれ説明するよりガツンと魅力が伝わるはずだ。
↑ 改めて見て、新鮮な気持ちで「いいな〜…」と思った。
孵道
動機:「奇天烈相談ダイヤル」の作者による新作だから
プレイ時間:1.5時間程度
何があっても振り返ってはならない、ポイントクリック+QTEのホラーアドベンチャ。
しっかりとしたホラーゲームを久々に遊んだが QTEで焦らせ、ジャンプスケアが豊富で、立体音響で語りかけてくる作品であり、めちゃくちゃ怖い。
伊藤潤二系のホラーイラストは、それだけでクラシックな怖さがあるが、そこにホラーゲームのお約束が乗るとかなりキツくなる。
恐怖の世界も奇天烈相談ダイヤルも普通に遊べたが、これは怖すぎる。ホラーゲームとしては大正解だ。
開始時に難易度が選べるのだが、「難易度でエンディング変わらない」と親切に教えてくれるのにも関わらず、変なプライドが邪魔をし普通難易度でやってしまった。プレイヤーが愚かなせいで、マウスですべきQTEをトラックパッドで操作する羽目になったのだ。みんなは自分に合った難易度でプレイして欲しい。
まず間違えないだろ、という余裕がある分旗上げゲームがキツかった。残暑のお供にどうぞ。
Far Cry 5
プレイ時間:28時間
アメリカの片田舎でイカれたカルトとレジスタンスが銃でシバき合うFPS。再プレイなのであっさり遊んだがこれがめっっっちゃくちゃ面白い。まずトレーラーを見て欲しい。
(トレーラームービーは何種類かあるが全ていい)
アメリカの広大な田舎町というロケーション、イカれた敵集団、イカれた仲間たち、破壊力のある個性的な火器やビーグル……とにかく全てが優れていることがわかる。
発売から5〜6年経つが、その力強さは今もまるで衰えていない。
さて、このゲームには大きな欠点が2つある。ひとつは「何をしていようと急にストーリーイベントで強制連行される」こと、もうひとつは「エンディングが過酷」なこと。
当時はこの2点を強烈に非難していたが、再プレイするとなかなかいいんじゃないか?と思えた。
君は思うだろう、「強制連行と言っても**してる時は連行されないでしょ?」と。普通に考えれば 車の運転をしている時や会話中に連れ去られるわけがないだろう、と。その答えはファークライ5の中にある。
後者に関してはnoteの構成上ネタバレが発生するので、もし5が気になったらこの先を読むのをやめて今すぐクリアまで遊んで欲しいのだが、端的にいうとバカとスリラーのメリハリが凄まじく、この脱力感を味わえるは一つの魅力かもな…と思う。
バカな仲間とバカなクエストでドカドカ大騒ぎできる楽しい作品であり。それはそうとストーリーはスリラーでしっかりと怖い。別の目的があってプレイしていたので単独noteがいつか上がる。作品ファンはそちらを楽しみにしていてほしい。
保安官になって、広大な畑に火を放とう。
◆
我慢できずに好きな曲も共有する。このゲームのボスを称える曲で、いろいろなアレンジがいろいろな場面で流れる。カントリー調で聴いていて楽しいこのアレンジが好きだ。
Far Cry New Dawn
プレイ時間:19時間
5の続編的立ち位置の作品。核爆弾投下後のホープカウンティでイカれた双子と銃でシバき合うFPS。非ナンバリング作品だな…という出来でそこまで面白くはなかった。マップが狭くてもいいとは思うのだが、同じ拠点を何度も攻略させるゲームデザインはつまらないと思う(強制でなければまあ…)。レベル差がはっきりしすぎているので稼ぎが必須になる。
メイン敵の双子に魅力がないのが致命的。核投下後の世界という感じもあまりしない。宝探しクエストが本格的で楽しかったが、数は前作から激減している。まあ5のその後が気になるなら楽しめる。
ただ犬を車に乗せられるので最高のゲームかもしれない。
Fallout: New Vegas
プレイ時間:90時間
DLCをすべて遊び、ハウス・イエスマン・リージョンの3ルートをクリアした。ハウスの分岐データからNCRルートを進めていたが、ハウスルートで暗殺を阻止したはずのキンバル大統領の暗殺を阻止しろという命令が下り……進行不能に陥った。ファストトラベルもできない。いつか挑戦するかもしれないが、それは今ではない。こうして運び屋の冒険は幕を閉じた。
モハビの荒野は刺激的だった。イタズラ心をくすぐられる選択肢、渋くてイカしたNPC、こだわりの武器たち、突拍子のない展開、正解のない会話、煌びやかなカジノ…いろいろなものがあった。一度は挫折したゲームだったが今になってちゃんと遊べて、きちんと楽しめて本当に良かった。
この先「DLC+各ルートの雑感」と「ジョシュア評を集めた資料」が投稿されると思うため敬愛するリスナーの諸君は楽しみにして欲しい。そして!次はFallout4だ!!
(プレイ中)
Gourdlets
動機:Steamのおすすめから
プレイ時間:3時間
アイソメトリックなドットビジュアルの街づくりゲーム。目標や制限などはなく、ただ街をつくるだけなのでゆるく楽しむことができる。
パーツは少ないがカラーバリエーションは豊富。具体的なビジョンがないとなかなか街を作っていくのは難しいが、適当においてもそれっぽくなるのがいいところ。削除や再配置も手軽にできる。
住民の動作が施設や家具ごとに用意されているため、それを楽しむのも一つのモチベーションになる。価格が手軽なので、とりあえず買ってみていいと思う。
DREDGE
動機:Steamサマーセール
プレイ時間:5時間程度
クトゥルフ的怪異が釣れちゃうアドベンチャー。海を夜に支配するのは名状し難いものたち。そんな海に面した薄暗い港町を舞台に、プレイヤーは漁船を走らせる。
すこし欲張れば日が沈む。日が沈んでしまったらそこからは恐怖の時間だ。
船の移動は3Dで釣りはタイミング目押しゲーム。そしてインベントリ管理パズルゲームの側面ももつ。
目押しについて、1周するやつは簡単なのだがイカなどのバーが2つあるタイプが難しい。筆者は目押しが下手なので今後詰むかもしれない。あと地図を見てなお方向感覚がなすぎてしばしば拠点に帰れず終わる。このゲーム向いてなくない?
変異した魚の図鑑もしっかりあるところと、時間が進行するのは船の移動時と釣りをしている時だけ、というゲームデザインが好き。あと読書でスキルがアンロックされるのもいい要素だ。
Sticky Business
お馴染み「最強のシールを販売して顧客の人生を最強にする最強シミュレーションゲーム」。発売1周年を記念してDLCが販売された。このDLCで追加されたパーツは可愛いものが多く、最強のシール作りの一助となるだろう。台紙のパターンも大幅に追加された。また顧客シナリオも大量に追加された。知人同士の繋がりが強く、今までとはまた一味違った物語が楽しめる。
というわけで筆者は再びシール作りの道に打ち込んでいる。一緒にどうだろう?
Far Cry 6
プレイ時間:48時間
癌治療の効能が見込める「ヴィヴィロ・タバコ」を権力の象徴とするアントン大統領。しかしその製造過程には多量の毒物が用いられており、現地の貧困層の犠牲の上に成り立つものだった。そんな中、抑圧された人々は打倒現政権を掲げ蜂起する。キューバ革命を下地にした、狂気と毒と血と死のFPS。
シナリオもゲーム性も非常に面白い。探索あり、レースあり、闘鶏あり、アミーゴあり、カニの行進あり…様々な楽しみがここにある。
noteを書くにあたってSteamの評価を見てたら5が9/10でNDが7/10(これは分かる)、6がNDと同じく7/10だったのだが 今の所5と同等に楽しめている。よくUBIは70点のゲームを作るのが上手いと評価されるが、ファークライって95点くらいのゲームじゃないか?
ファークライでありながら、スパイミッションや情報戦も盛んでウォッチドッグスっぽさもある。ただしあちらの勧善懲悪なシナリオと異なり、いつでもプレイヤーサイドの正義が問われる、不穏さを抱えた作りになっている。特に中央エリアでの女優の顛末(これ民衆にはゲリラの悪い部分だけが焼き付いてるよな…)や化学者との攻防はとんでもなく面白かった。
難易度:ストーリーは過去作と比較しても本当に低難易度なので、FPS初心者にも安心して勧められる。いつでも装備を変えられるのでもう対空のためだけにロケランを持ち歩く必要も、ステルスでしか使えない弓でひと枠潰すこともない。"こういうゲーム"をファークライ6から始めてみませんか?
銃自体のカスタムも見た目から性能から弾薬から…非常に豊富に行うことができ楽しかった。特に本作から導入されたチャームが最高で、集める楽しみ・眺める楽しみをもたらしてくれる。FPS視点で揺れ動くカニ爪やワニやサメを想像してみれば、その良さがわかるだろう。
そしてこの作品には、「この世のものとは思えない気の狂い方をしている鶏」ことチチャロンがいる。狂鶏のコケコッコーをBGMに銃を撃ちたくない人間なんていない。
(Demo)
Rift of the NecroDancer Demo
(Demoが6月に出てたのにあろうことか気付いてなかった)
ネクロダンサーというゲームを知ってるか?
ネクロダンサー……ランダム生成される地下墓地ダンジョンを、ノリノリのディスコミュージックを聴きながら駆け抜ける、ローグライト・リズムアクションの大名作だ。
これは本当にシンプルかつ奥深いゲームの最高傑作なので遊んでほしい。十字キーだけで完結した操作感…幅広いゲームモード…ZONEごとにガラッと変わるダンジョンと曲調…いろいろなビルドがどれも強い、最強のゲームだと思う。
それの、リズムゲームだ。
そもそもネクロダンサーの曲でリズムゲームが出来る時点で最高であり、実際ゲーム性が独特かつ高難易度で面白い。
操作は3ボタン※!非常にシンプル!…と見せかけて、いろいろな敵の特性を頭に入れる必要があり、かなりの判断力を求められる。
ただこの高速で視覚以上の情報を処理するゲーム性が、「早指しチェス」と例えられる本家ネクロダンサーっぽくてなかなかクセになる。とにかくDemo版だ!3曲を好きなだけ遊ぶことができるのでぜひ遊んでみて欲しい。日本語訳はないがまあ音ゲーだし大丈夫だろう。
あとこのゲームに適したコントローラはDDRコンだと思う。
inZOI: Character Studio
高精度シムの体験版であり キャラメイクができる。本編が発売されたらプレイしたいのだが、体験版の時点でマシンスペック的にギリギリなので厳しそうだ。
とてもすごい。
鼻や口などはパーツから選択するのではなく、既存の形状から粘土をこねるように変形させていくため、キャラメイク自体の難易度はやや高いかもしれない。服もバリエーション豊かで、アイコンの右下にカラーマーカーのあるアイテムは 色を変えることができる。
プレイを勧める文章を書いていたが体験版は8月26日までの配布だったようだ。これを見て触ってみたい!と思った方は製品版をチェックしてほしい。
TCG Card Shop Simulator: Prologue
人間として生まれたからには誰もが一度は夢見る「カードショップ店のオーナー」を体験できるシミュレータ。まあよく見るスーパーマーケットシミュレータのTCG版だな…とは思うのだが、カードショップ店であることの価値はある。ただ操作がキーボードに依存しておりDeck環境では厳しかった。ストアページのスクショを見るに、レアカード販売なども取り扱えるなど非常に面白そうではあるので、誰か骨を拾ってほしい。
初日の客からして異臭を放っており、客のために消臭をする必要がある。…カドショが臭いというのは全世界共通のミームなのか?
その他
MOTHER2の誕生日記念のネスのソフビが来た。本体も可愛いのだが、写真の外のパッケージも可愛いのでぜひ手に取って欲しい。
9月はFallout4とラスアスをやる
この2タイトルを選んだことからわかると思うが、他のゲームをやる余裕がほとんど失われると思う。ただ気になるゲームもいろいろあるので、余力でやっていきたい。
そんな感じ。
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