最近遊んだゲーム雑感【2024年6月号】
あっという間に1年の半分が終わった。今月遊んだ中で面白かったのはシンプルなUIで紡がれる表現に圧倒された【In Other Waters】、シンプルなスルメゲー【Shogun Showdown】、別途記事を書いた写真撮影ゲーム【Umurangi Generation】。それはそうとファスナハトなので やろう、Fallout76!
In Other Waters
調査スーツに搭載されたAIとして、未開の星の海洋を探索する生物研究者:エラリーに寄り添う、テキスト主体のアドベンチャーゲーム。エラリーは かつて恋人のような関係性を築くも、己を裏切るような形で消えた人物を追ってこの星に来た。彼女の痕跡を追いつつ、未開の星が持つ謎を解き明かしていく…。
Citizen Sleeperが面白かったため購入した。プレイ時間はクリアまでで5時間、調査終了まで遊んで+1時間。
画面デザインはほぼ2色で構成された非常にシンプルなものである一方、システムは一見とっつきにくく「シチスリと同じ製作者の作品だ…」と感動した。ポイントからポイントを移動し、周囲をスキャンし、生物のデータを取ったり次のポイントを探したりする操作は 慣れれば直感的だ。
ストーリーはポイントに付随するテキストベースで進んでいく。テキストは簡素だが、質が高く、ゲーム体験に没入感や緊張感を与えてくれる。時にエラリーの発言に対して相槌を打ったり、否定や肯定をする局面もある。会話に時間制限があるのが絶妙に好みだった。
スキャンした生物の分析をエラリーが喋ってくれる。プレイヤーは言葉を聞いて「どんな生物なのだろう?」と想像することになる。この分析を最後まで進めた報酬が「生物のスケッチ」というのが、プレイヤーの想像力に依存したゲームシステムとかみ合っていてよかった。
(ネタバレ)
とにかく「人間の身勝手さ」と「侵略されても泰然自若に適用していく自然」を描いたストーリーが好みだった。また本当に怖いところは怖く、終盤は逼迫した心境でスキャンを進め ひとつひとつの文章を噛み締めていた。
スキャンをして、「人間」という文字を見たとき、「彼女だ」というシンプルな言葉に息が詰まった(その後の「すべてを見せてくれない」変容も含めて)。テキスト芸でいえばエラリーの日誌を盗み見てるのがバレるのも好き。
ほんのりと希望を感じさせるエンディングと、名前を呼ばれるという体験が非常に後味が良く クリア後の惑星探索モチベーションに繋がった。
それはそうとブルームの難易度は絶対におかしい(設定的には間違ってないが 終盤の酸素が減るステージは穏やかなのに…)。どこかでスーツに解毒効果がつくと予想していたのに全くなかった。
Umurangi Generation
破滅が迫るクソみたいな未来で写真を撮る"だけ"のゲーム。サウンドとグラフィックがいい!かつて詰んだゲームのリベンジプレイだが、一対のネックレスのせいで忘れられないゲーム体験となった。
↑ 記事を書いたので読んでもらいたいが、なんと 特に最新作でも今話題になっているわけでもないこのゲームを、たまたまに同時期に遊んでいて、たまたま同じところで詰まって、ジャストタイミングでこの記事が攻略の参考になった というnoteがあった。
ゲームを遊んでいて 偶然がもたらす経験ほどいい経験はないと思う。
We Become What We Behold
「撮影するだけ」ゲーム繋がりで よくウムランギと一緒に語られている作品。プレイヤーの撮影した写真に、メディアが脚色した見出しを付ける。それによって市民が扇動される様を描いたショート作品。日本語サポートはないが、内容が平易なので翻訳に頼ることなく遊べた。
何も説明されなくとも、何をすればいいのか分かるゲーム性が素晴らしい。しかし分岐がありそう!と感じ2周したが、展開を変えることができなかった。
Zet Zillions
ノリが独特なデッキ構築型ローグライク。基礎のフォーマットがありふれているゲームジャンルの中で、作品を売り込む際に 何を差別化し勝負するかと言えば「独自性」か「世界観」かになってくるが、このゲームは後者が強烈だ。
なんとストーリーはボイス付き。とにかくノリとグラフィックがいい。強コンボへの誘導が作中で示されているのがとっつきやすく 好感が持てる。ストーリーの進行というゴールがあるため、ローグライクジャンルの終わりのなさが苦手な人にもオススメできる。ジャンルの入門編としていいかもしれない。
図鑑などのフレーバー要素も充実しており読み応えがありよかった。
Rhythm Doctor
7拍目あるいは2拍のリズムを叩くワンボタンリズムゲーム。
4-3で止まっていたが、Muse Dashで超・東方不眠症を遊んだら 本家もやりたくなったのでやった。
しかし超・東方不眠症は4面ボスであり…つまり 本家→ミューズ(高難易度)→本家(高難易度)という変なルートを辿った事になる。あとDeckで起動したらPCのデータが消えたので2周目もやった。
過去にレビューを書いた際どこを推したかは忘れたが、設定が絶妙で リズムによる心臓病の治療を行う病院の 人手不足による限界感がとてもいい。ペイジ先生の「医学部なんて行くんじゃなかった」という悲痛な叫びが昔よりも身に染みた。
あと改めて見てグラフィックがいいな…と思った。試しに貼った画像の 前景にネットがあるのも、背景の空の雄大さも素晴らしい。静止画としてすばらしいばかりではなく、演出にも遊び心が溢れており、ヒット時に心電図が揺れる描写なんかも気持ちいい。
ACT5は高難易度と公式発表があり、ACT4でボコボコにされた身としては構えていたが 結果として譜面が1レーンしかない曲がメインであり 昼面は簡単だった。5-1はかなりリズム天国で 東方不眠症以来の初見パーフェクトに湧いた。
そして5ボスがこのゲームの全てを詰め込んだような内容で本当にすごい!!のでもし遊んでいない方がいたら リズムゲームが好きな方がいたら PCで 絶対に見て欲しい。今すぐ買って!遊んで!
ストーリー的にはペイジが好きだが、雑念を含んだ好みは不眠症患者。全く出番がないので報われてほしい。
せっかく心臓を破壊されたのだ、今後8分の7拍子のリズム難ステージで脚光を浴びる日が…!来てほしいような ほしくないような…。
Illusion Carnival(Demo)
実はリリース時に触っていたが、日本語訳が来たので改めてプレイ。前回デリリーニ(このゲームのナビゲーター?)が登場した直後 という奇跡的なタイミングで止めており気付けてなかったが、不思議な遊園地を探索するホラーアドベンチャーだった。
2Dオブジェクトを散りばめたようなグラフィックで 雰囲気がとても良い。ロードを挟む際に幕が降りる演出が挟まれる等 世界観の構成も凝っている。パズルあり、クイズあり、鬼ごっこあり、バグ演出ありの豪華なゲームで、Demo版では一章(1ステージ分)を遊ぶことができ、70分程度のボリュームがあった。
Demoは詳細は控えるが、かなり先が気になる幕引きをしているため、製品版が楽しみだ。
ホラー演出は苦手な人は苦手だろうが、悪意が根底にあるわけではなく、ハッピーエンドで締めてくれそうな気配を感じた(Demo版の範囲では)。
インベントリを開いている最中に時間が止まらず 戦闘中は回復アイテムを選ぶ余裕がない。そのため回復量の軽いアイテムは使い勝手が悪い。本作の難易度を引き上げている要因であり これが意図した設計なのかは気になるところ。被弾はしまくったが回復アイテムは豊富なのでまあなんとかなる。
筆者は故郷がチートバグ界隈なので、こういうバグ演出に湧いた。お好きな人はぜひ。
SAEKO: Giantess Dating Sim(Demo)
なぜか身体が小さくなってしまった主人公は、冴子という女性に拾われる。「巨大な女の機嫌を損ねたら殺されるアドベンチャー?俺は媚びずに己を貫くね!」と思っていたが…
これが想像以上に怖い。もちろん反抗的な発言は即死に繋がるし、相槌が多くても少なくても死のリスクがある。冴子の発言、沈黙、指の動きのひとつひとつが怖く、身構えてしまう。
Demoでははじめの1日を遊ぶことができる。あらすじだけ知っており「まあ機嫌を損ねなきゃいいんでしょ?」と甘くみていたプレイヤーは、さっきまで話し相手になっていた女性が冴子に食べられる描写を見て背を正すことになる。
「正しい選択が決まっていて 相手の顔色を窺い続けるゲーム」と評すると「それって面白いのか…?」と思ってしまうが、今のところ 緊張感をもってゲーム性が保たれているとは思う。
冴子は小人を食すのが趣味で、作為的に小人を作っているらしい。そして主人公は彼女に「管理人」として任命された。このゲームはおそらく、どの小人を冴子のエサとして捧げるかの管理パートと 冴子の機嫌を損ねずに1日を乗りきる会話パートで構成されており、誰を生かすか?により分岐するドラマにも期待が持てそうだ。
Hookah Haze(Demo)
VA-11 HALL-Aライクのシーシャ屋経営ゲーム。客のためにフレーバーを混ぜたり、店でかけるプレイリストを作成したりしながら客との会話を楽しんでいく。イラストや画面作りの質が高い。求められているものは全て詰め込まれているゲームだと思う。
地味な好きポイントとして、店全体のネオンを3色のパターンから選んだ上で照度の調整までできる(左上)。こういう細かすぎるこだわりには好感が持てる。
あとシーシャをやったことがない+文化自体にも興味はありながら詳しくないため 予想以上に没入できなかった。まあコーヒーも酒もほぼ飲まないが それにしても馴染めない。シーシャ屋というテーマは難しいかもしれない。
Kamaeru: カエルの楽園
可愛いカエルを集める農業シミュレーションゲーム。
カエル好き+シミュレーション好きで発売を楽しみにしていた作品だったが、あまり好みに合わなかった。いかにも「家具」という感じのオブジェクトにピンと来ず、自然物っぽいものを選んで購入していたが、カエルが寄ってくるのは基本的にベッドやソファーの家具類なので根本的に趣味と合わない。あとカエルの模様や色にリアリティがなく、ワンパターンなのもあまり趣味ではなかった。
好みだったのは、カエルの楽園となる庭の他に 湿地のマップがあり、その環境改善を行う事でカエルの餌となる虫を集めることが出来ること。こちらはいかにも保護活動という感じで楽しかった。
このゲームでは、湿地で育てた植物を加工し売ることで資金源とする。加工の過程がミニゲームなのだが 所持素材からデフォルトで最大値を作らせようとする割に、ミニゲームの成果により追加で得られる加工品の数は同じになっている。つまりひとつひとつ作った方が得なのだ。
まあそこは、時間効率と成果物効率のどちらをとるかとして割り切れるのだが、そんなのはどうでも良くて 複数個分の材料を使っても1個しか出来ないバグもあった。…まあこのゲームの経営面にシビアさはないので「損」を感じる程度ではあるが。
そんな感じ。まあ可愛いし、のんびりと楽しめるゲームではある。
ASMR Slicing
ASMRを知っているか?
ASMR…autonomous sensory meridian response……一般にはリアルな音声作品のことを指す。YouTubeとかでも触れることができ、ヒーリングからオタク向けまで様々な作品があるが、筆者はスライム関係のASMRが好きでたまに聴く。
それのゲームだ。
「それのゲーム」なので筆者がやらなきゃ嘘だろ、と思いプレイした。いろいろなものを、いろいろなブレードで切断して音を楽しむゲーム。たまにお題を設けることでゲーム性を出そうとしているが、しょせん「5回カットしろ」とかその程度なので難なくクリアできる。ステージはたくさんあるが30分で実績をコンプリートしていた。ブレード全開放は遠い。DLCは気が向いたら買う。
オススメはできないが、心の中にある「いろいろなものをスライスしたい」欲求が満たされたという点では良かった。やってみたいを実現できるのがゲームメディアの良さであり、自分の欲望にマッチしたソフトに出会えるのは素晴らしいことだ。
…これのRTA流行らないかな
Rise of the Ronin
面白かったと同時にダメな部分もはっきりとわかる作品だった。幕末フォトゲームとしては最強。難易度が幅広く、イージーゲーマーからコアゲーマーまで楽しむことができ、アクションゲームとしてのやり込みもすごい。オープンワールドに必要なものは全て揃っている。
それはそうと記事はかなりよく書けたと思うので読んで欲しい。
Sticky Business
実績コンプしていかにも最終回みたいな記事を書いた!にもかかわらず6月中旬にアップデートがあり懲りずに遊んでいる。まだまだシール道をやっていきたい。
今後は遊んだゲームの感想シールを毎回作るのはどうだろう。(地獄だろ)
(プレイ中)
Fallout: New Vegas
過去にPS3で遊んでいたが、宙に浮いた足場が描画されないバグに直面し断念。ドラマを受けて再プレイ。めちゃくちゃグラフィックを綺麗に感じるのと、過去1でヘルプが丁寧だと思った。3と比較して、難易度選択ができ 武器改造ができ コンパニオンの諸々が強化され……とにかく遊びやすいし 遊んでいて面白い。所有者のいないベッドがあちこちにあるのも有難い。あとクエストにだいたい変な分岐があるところも好き。ついセーブを分けて見てしまう。
その遊びやすさをカサドレスが全て破壊する。
小さい!素早い!狙撃難易度高い!群れる!そして毒!毒!毒!うっかり数発食らったらアホみたいにスリップダメージくらい続けてスティムをアホみたいに消費させるので本当におかしい。エネミーアイコンの動きが特徴的なので 遠くからでも発見して嫌な気分になれるところが面白い。ドロップがいいのが憎めないところ。こんなすごいアボミネーションがいたなんて…。
20時間程度プレイしハウスと対面したところ。ドラマ版でのまさかの登場もありハウスへの熱が高まっていた。ロブコのロボットのファンであるため、偉人との対面という緊張感が強い。
というわけでハウスルートとイエスマンルートをやるつもりだったが ノーマークのシーザー・リージョンが気になる。アンチ薬物でスティムを使わないとか、ローマを意識した組織名等の設定が面白い……のだが、現在シーザー兵に襲撃されるランダムイベントが発生しており 既にルートは詰んでいるかもしれない。
Shogun Showdown
ドットが特徴的な シンプルデザインの和風ターン制ローグライクバトル。手持ちの行動カードを選択し使用する。見た目に反してハードなデザインであり、ウェーブ戦闘では一定ターンごとに敵が召喚されるため、常に攻め続ける必要がある。敵の行動はシンプルであるため、手を止めて最善手を考えることが重要となる。
ローグライクらしく、ターン経過なく使用できるアイテムは強いし、自機の行動強化も強い。
まず左右移動がLRという操作難易度に面食らい、真っ先にキーコンフィグした。しかし遊ぶうちに 誤操作のリスクの高さに直面しデフォルト操作に戻した。判断を間違えてダメージを喰らうより、誤操作によりダメージを食らう局面が多く(スキルを選ぼうとして移動してしまうとか、攻撃してしまうとかだ)、操作難易度を上げることが遊びやすさに繋がっているゲームデザインがおもしろい。
敵の遠距離攻撃をどう捌くか、CTをどう埋めるか、どう効率的に敵を倒すか…?手持ちのカードに応じた臨機応変な判断が求められる。
かなり直感的にゲーム性のスルメの部分と 難しさの部分を理解できるゲームで、Demo版があるので試しに遊んでほしい。気持ちいい瞬間は敵の攻撃を別の敵に押し付けた時!
日本語タイトルは「将軍対決」……ダサい!
Distopika
自分だけの未来都市を作って眺めることのできるゲーム。
起動時に毎回「ゴールなどのないダークで心地いい世界を楽しんでください」という趣旨のメッセージが出るが、制作者の提供しようとするゲーム体験が100%で再現されている素晴らしいゲームだ。落ち着く音楽を聴きながら、建物とネオンを配置していく。雑に配置してもそれなりのものができて楽しい。操作面で言うと 建物を高くするために屋上を引っ張るような動作をするのだがこれがたまらなく気持ちいい。
製品版ではネオンサインの文字を変更できたり、ビジョンの映像をインベントリから選択できるようになり更に「自分だけのまちづくり」に特化した内容になった。電脳アイドルのファンタウンのようなものを作成している人がおり面白かった。
また撮影時には時間帯などを細かく操作し 自分の街のまた違った一面を眺めることもできる。
ネオンはアンロック方式で増えていく。いつか最強の地獄・ディストピアをお見せしたい。
Fallout76
ファスナハトの新作マスクが欲しい!ので、7/10までのイベント期間はやっていくつもりだ。
レアマスクのドロップ確率は5%で一番欲しいのは光るロボットマスク。ただ普通のロボマスクも結構良かった。レアマスクだとフィーンドが出たが、光らないマスクだと今更レア感ないな…。
ELDEN RING
DLCセットで購入。Bloodborneはクリアしており世界観も好きだが 他のフロムゲーは遊んだことがなく、フロムライクのローニンでボコボコにされ自信喪失している。ゲームが下手でもELDEN RINGはできるのか?とりあえず開始5時間くらいひたすら雑魚狩りとレベル上げをしておりかなり遊び方を間違えている。
レベル上げの甲斐あって洞窟ボス数体は倒せた。円卓にも行けた。
その他
サマーセール、何買った?
筆者はとりあえず【INDIKA】【In Stars And Time】【Viscera Cleanup Detail】を買った。他の方のオススメを見て追加購入を考える。
あと最近ヴァルプロをやっている。楽しい。目標やネタはあるため ヴァルプロであと1記事くらい書きたい。
そんな感じ。めちゃくちゃ長くなってしまったので終わる。