Inscryption 地獄の三丁目
この記事はInscryptionのネタバレを含みます。
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この記事の要点
→ACT3序盤で詰まっている初心者へのアドバイス
デッキの枚数をこれ以上増やさない
カードゲームを遊んでる部屋にあるパズル棚から入手できるアイテムはどちらも有力なので取る
ロボマネーの使い道は ナノアーマー(26)→カード削除
アイテムを惜しみなく活用してウェイポイントを目指す
ボスはギミックバトルなのでデッキが終わってても何とかなる
右下のボスが特にオススメ
ボスを倒せば空き容器が強化されるので楽になる
(負けそうになったらスタート画面に戻れば戦闘前からやり直せる)
本物の地獄は三丁目にあった
Inscryptionで一番難しいパートはどこか?個人的には「負けると最初から」のACT1が最も難しいと考える。ACT2は敗北によるデメリットがないし、ACT3はチェックポイント方式+ボス戦がほぼイベントバトルであるためだ。
ところが、Inscryptionにおいて実際に「詰み」が存在するのはACT3なのだそうだ。
デッキ強化のやり直しが効かない、どう頑張っても勝てない、金も貯まらず解決の手段がない。負けることにメリットがない。ACT3単位でリセットすることもままならない。
カードゲーム文化に馴染みのない友人にこのゲームを勧めたところ、ウーバーボットに辿り着けず死を繰り返すサイクルにハマっていた。
DCG経験者であれば、デッキ圧縮の有用性を分かっているし、(いわゆる)マナカーブの重要性、つまり「このデッキは回るか?」を考えてカードを取捨選択できる。
デッキの枚数が多くなるほど重要なカードが引けなくなるし、コストの重いカードは召喚をケアする必要がある…とわかっているのだ。
こういう考えがあるプレイヤーは、やがてカード入手マスを無視するようになるし、ファッティを無計画に増やしすぎぬよう気を配る。
しかし、カードゲームに馴染みのないプレイヤーはそうではない。すべてのカード入手マスでカードを入手し、5-6コストの攻撃力の高いカードを「強いカード」と捉えてバンバン採用する。
結果としてこういうデッキが出来上がる。
これでも第三者が勝てるように手を加えた後らしく、以前はダブルガンナー4積みだったらしい。確かにダブルガンナーは強いのだが…。
突如このデッキを渡され「筆者がクリアできないなら諦めて、はじめからやる」と告げられ…この記事が出来た。人に見られていることもあり、緊張感のあるすごい経験だった。
Inscryptionを何周もして楽しんでいる諸君も、ためしに激重デッキでACT3の序盤を乗り越えてみよう。
デッキを分析する
改めてデッキの中身を分析する。
全19枚のうち1-2コストのカードが8枚、5-6コストのカードが8枚とそれぞれ入っており、それがデッキの大半を占めている。一見すると低コストと高コストのバランスはいいが、そんなデッキが回るわけない。
意外と低コストが多く、改造を施した人の苦労が偲ばれるが、最初の手札に2コスが2枚くるのと6コスが2枚来るのでは大違いだ。手札で最長5ターン腐るカードが初期から手札に2枚あるのは絶望的だ。
これが相手も同じルールでやっているのであれば勝機もあるが、相手はコストを無視して召喚してくるので、序盤を凌げないと6ターン目に突入することすらままならない。
多分バランス的には、低コスト:高コスト=3:1 ないし 4:1 くらいでちょうどいいのではないかと思う。
以上を念頭に入れて1枚1枚カードを見ていこう。
コスト1 (1枚)
・セントリードローン
強いカードだが引けた記憶がないのでデッキに入っているのを知らなかった
コスト2 (7枚)
・エナジーボット
追加の印はオオカミ変身。出た時点で壁以外の仕事がなくなるこいつにオオカミ変身を付けるのはとても強いムーブ。このデッキだとエナジーセルが生命線なのでかなり重要なカード。
・コゥフ
追加の印はエナジーセルと不死。
追加の印の組み合わせが強い。とりあえず毎ターン出せるのは、手札事故で何も出来なくなりがちなこのデッキにおける生命線。6コスの着地も早めてくれる。スプリンターは上手く使えば「相手を一体減らして、その後壁になる」といった役割もできる。不死とスプリンター、不死とエナジーセルの組み合わせがどちらもいい。
こんなに強いコゥフは見たことがない。
・ギフトボット
攻撃ができないこいつ自身は間違いなく微妙なカードなのだが、ギフトボットからシールドボットとかが出てきてくれないと戦えないデッキなので割と重宝する。
・孤独なウィズボット
追加の印はセントリードローンの。任意で移動させられるウィズボにセントリー印は強いと思うのだが上手く扱ってやれなかった。とにかく2コス2パワーが強いので強い。
・エグゼスケルトン×2
「とにかく2コス2パワーが強いので強い」理論で好きなので自分で遊ぶ際は採用しがち。ただこいつの真髄は2点ダイレクトなので、このデッキだとあまり…。もしくはヤマアラシなどの処理係か。
好きなカードなので覚えているが、2枚も入ってるくせに全然引けなかった。
・防御入力ボット
攻撃力がないのでどうしようもない上、このデッキだと壁としてこいつを出さなければいけないけど出せる後続がいないので敵にナノアーマーを献上する…というシナリオが見える。
コスト3 (3枚)
3ターン目にエナジーチャージのアイテム使ってコスト3を2枚出せる状況なら結構勝てるんじゃないか感はある。3枚しかいないんだが…。
・シールドボット
追加の印は不死ともう一つは不明。
少なくとも1ターン耐えてくれるので、序盤は防御に徹しなければならないこのデッキでは守りの要になる。
・スナイパーボット
追加の印はカラス変身と接死。接死はかなり正解だと思うが変身してしまうのはどうなんだろう…と思ったが障害物の前に置いてもいいし、素出ししても1ターン耐えるしでアリな気もしてきた。
・コウモリ
獣のコウモリも「骨4か…」という感じだしこちらのコウモリも「3コスか…」という感じ。自分なら取らないというか獣カードは1枚も取りたくない。
コスト5 (1枚)
・ヤマアラシ
カード絵は好き。針毛は敵にいると嫌だが自分で使うぶんにはあまり…。
コスト6 (7枚)
コスト6が出ても別に強くないという問題もある。
・ダブルガンナー×2
追加の印は忘れた。
6コスに恥じないエースカード。4点取ってくれるダブガンさんは実際強いし最序盤はこれを引けないと膠着し続けてしまう。
・ボルトハウンド
生贄2で2/3のハウンドドッグすら微妙だと思っているので、弱体化して6コスなこいつの評価は低い。2/4でも弱い。
・スワップボット×2
片方はクロック。
ピックアップした事ない、敵が使うとやや面倒枠。ロマンはあるが攻撃力が上がるかは相手依存だし、出たターンは攻撃力1、高火力を発揮できる最初のターンは敵のブロックを受ける…と とにかく遅い。
ボルトハウンドもそうだが、防御は低コストでも出来るので高コストは攻め手がないと弱い。
高コストにクロックつけて破壊して圧縮したいところだがそんな余裕は基本的にない。
・グリズリー
弱いと思う。2ターンに一度4点ダメージは冷静に考えるとウィズボと効率変わらないし、出たターン攻撃力0なので扱いに困る。せめて変身前が1/4なら…。
体力の高さは一見魅力だが、高コストが着地する局面になると敵の召喚も弱まっているためそんなに1箇所を集中攻撃されることもないと思う。5レーンあるし…。
・ウロボロス
自分で遊ぶと育ちきったウロボロスを起用してしまうが正直強すぎても弱すぎても困るカード。3/3というスペックは微妙だが、不死印が強いのでここからウロボロスと歩むルートもアリかもしれない。
いかがだろうか。
このデッキで勝てるのか?
結果として、アーカイビストの道中の敵に2敗した。
ただ引き運次第で、「絶対に勝てない」「詰み」という絶望感はなかった。ドローが事故ると本当にどうしようもない。最初の手札に6コスが2枚いたりすると重々しい気持ちになる。
普通に自分のために遊ぶと安定感重視でデッキメイクをしてしまうため、ザコ戦でアイテムを使いきる、1戦1戦が緊迫したバトルはなかなか特異な体験だった。というか「自称Inscryptionが好きな人」のInscryption力を目の前で試されたのでかなり緊張した。
みんなも他人のデッキでInscryptionをやろう。ACT2ならデッキレシピ公開できるので実際楽しいかもしれない。
というわけで筆者が①アーカイビストとフォトグラマーの手前のウェイポイントまで辿り着き、②26ロボマネー貯まったのでナノアーマーを買ってもらい終了。その後はよどみなく進めたらしい。ACT3は勢いがつけば後は惰性だからね…。
さて、筆者はそれが善行だと信じて、Inscryptionをとにかく勧めまくっていたが、実際には非カードゲーマーにとってこのゲームは想像以上に難しく、面白さの分かりにくいゲームだ。
ACT3の多彩でメタ要素の強いボスギミック、それらが「大いなる超越」に収束する構成、そのネタばらし…。ここらが非常に面白いと思うのだが、ゲーム部分で引っかかりを覚えた人が、果たしてそこを楽しめるだろうか。
マイナーな廃版カードゲームを、クソゲーメーカーがデジタルゲーム化したデモの中に、現実世界を脅かすおぞましいデータが眠っている…。
一方で、そのデータに影響を受けたゲームキャラクターは意志を持ち…という、ストーリーも、ゲーム性も、キャラクターも、筆者は全部好きなのだが、果たしてこれはカードゲームが苦手な人が味わえるものなのだろうか?
インスク地獄で考え中。
おまけ
普通にACT3を遊ぶならこんな感じ。
2:42:30頃から、アーカイビストの実績解除のためにACT3を急いでプレイしている。
そんな感じ。
この記事をInscryptionを愛し、Inscryptionを誰にでも勧めてしまう…バカで、アホで、間抜けの典型的ゲーマー諸君に捧ぐ。