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Hazy Rye IPA / 2nd Story Ale Works

2nd Story Ale Works は徳島県徳島市の郊外で営まれるブルワリー。地元の農産物を使ったビールや、セゾン、ファームハウスエールに定評がある模様。自分は今まで飲む機会がなかったが、Twitter である方に勧められて通販の六本セットを購入。



Hallertau Blanc フィーチャードなHazy IPA.  以前は Citra が使われたようだが、今回のリリースでは Mosaic, Idaho 7 を使用とのこと。

パイナップル、マンゴーの南国系アロマ。フレーバーも第一印象はトロピカルだが、白ワイン感が後から来る。ヘイジーで白ワインがやってくるのは珍しい気がする。旨い。

こちらのブルワリーは副原料にしばしば自家生育のスダチを使うらしい。このビールにも使われており、(発酵によるものもあろうが)程よい酸味と仄かな柑橘感が全体を綺麗に締めている。

潤い感も高し。濃厚に走らず少々苦味も残したタイプの、4, 5年前に見られたような国産 Hazy の雰囲気も感じた。私はそういうのも好きです。コンディションのよさもあるだろうけど、大変にクリーンで美味しいと思います。

Abv. 6.5%

アロマ :★★★★☆
→ パイナップル、マンゴー、レモン
フレーバー :★★★★★
→ パイナップル、マンゴー、白ワイン、すだち
テイスト
→ 苦味 :★★★☆☆
→ 甘味 :★☆☆☆☆
→ 他 :若干の酸味
炭酸 :★★★☆☆
ボディ :★★☆☆☆

私は岡山出身者だが、一応近隣県と言える徳島には残念ながら一度しか行ったことがない(通過はあるかも)。山がちな地方では隣県は遠いのだ。ちなみに岡山南部民にとって唯一香川は近いが、広島や明石以東の兵庫も遠い。

徳島市の話でなく恐縮だが、唯一の来訪のときは鳴門市の大塚国際美術館に行った。ポカリスエットでお馴染みの大塚製薬が営む美術館だが、独自な一点モノコレクションが充実しているわけではない。代わりに、というか館のコンセプトとして、西洋美術史上における名画1,000点以上のコレクションを、同社グループの技術によって陶板上に原寸大再現している美術館だ。当時美術史の学生だった自分は当時4-5時間かけて回ったが、それでも全然見きることができなかった。各地の美術館でオリジナルのコレクションを見るのも大事だが、美術史の発展に沿って教科書レベルの名作を、しかも原寸大のスケールで味わえるのは、大変貴重な経験だった。

自分は美術史の道に進むことはなかったが、専攻を通じて学んだことは、感性や直感の賜物に見える美術作品も実のところ先人の技法と先例によって形成されているし、であるならば、その鑑賞についても、より多くの知識を得ることでより深く分析し、楽しむことができるということだ。これは後年(というか大学生活の終わり頃から)ビールはじめ酒類に親しむようになった際に、自分のスタンスに大いに影響があった。つまり、酒についても、より多くの知識と蓄積を持つことで、楽しみは一層深まる。

残念ながら、本業のサラリーマン稼業では未だに発揮されない姿勢だが...。

ともあれ、ビールを深く味わう上でも、自分は(実際たいした知識はないにせよ)、前提となる経験、知識の蓄積こそ楽しみに繋がると思う派だ。舌が肥えて却って不幸、ということは、少なくとも趣味で楽しむレベルに関してはないのではないか。そう思う。

ということでこの夏休みは是非、徳島の現地ブルワリー、そして大塚国際美術館に......というのを皆さんに勧められる状況ではないが、私は行ける状況になったら行きたいと思っています。

以上

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